更新日: 2023.07.29 その他暮らし
エアコンの「25度」は冷房と暖房でどう違う? 夏に「暖房」で25度にしても涼しくない理由とは? 電気代についても比較
ただ、この「冷房」と「暖房」が機能として具体的にどう違うのか、詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。例えば、設定温度を同じ「25度」にしても、冷房と暖房とでは同じ室温にはなりません。
では、冷房と暖房は具体的に何が異なるのでしょうか。電気代に関することも含めて、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
冷房と暖房では目的も機能も異なる
まず、冷房は室内の温度を外気よりも低く保つことを目的としています。暑い季節や高温の環境で、室内の快適な温度を維持するために用いられるのが一般的です。冷媒と呼ばれる特殊なガスを使用することによって、室内の熱を室外に排出し、涼しい空気を供給することで室温を下げようとするのが冷房の原理です。
これに対して、暖房は室内の温度を外気よりも高く保つことを目的としています。エアコン内部のヒーターによって、室内の空気を加熱し、暖かい空気を室内に送り込むことで室温を上げようとするのが暖房の原理です。
このように、冷房と暖房では目的や機能が全く異なります。したがって、設定温度を同じ「25度」にしても、冷房と暖房では異なる結果が得られることになるのです。
設定温度が同じでも「冷房」と「暖房」では結果が変わる
エアコンの設定を「冷房」に合わせて設定温度を「25度」にした場合、エアコンの機能としては室温を設定温度まで下げようと稼働します。そのため、例えば冬場に室温が10度程度の環境で、「冷房」を「25度」に設定しても、エアコンは室温を「25度」にはしてくれません。なぜなら、既に室温は設定温度の「25度」を下回っているからです。
逆に、夏場に室温が30度の環境で、エアコンを「暖房」にして設定温度を「25度」にしても、同じ理由で室温が「25度」に近づくことはありません。既に室温が設定温度を超えているため、暖房をつけてもエアコンはほぼ何もしないような状態になります。
このように、同じ設定温度でも、冷房と暖房では目的と機能が異なるため、得られる結果は変わってくるのです。
電気代は「冷房」より「暖房」のほうが高い?
エアコンの「冷房」と「暖房」を比較した場合、一般的に「暖房」稼働時のほうが電気代は高くなることが多いです。
エアコンは、主に設定温度まで室温を調整することに多くの電力を要します。夏の「冷房」稼働時は、暑い地域では、外気温は最高気温で40度前後になるでしょう。環境省の指針では、夏場は冷房の設定温度を28度に、冬場は暖房の設定温度を20度にするように推奨されています。それにしたがえば、外気温と設定温度の差は、夏場においては12度程度です。
これに対して、冬場は地域によっては気温が氷点下に至ることも珍しくありません。仮に外気温が1度だったとしても、推奨される「暖房」の設定温度との差は20度近くになります。
このように、外気温と設定温度の差が大きければ、その分だけエアコンの消費電力も大きなものになってしまいます。冬場は外気温との差が激しいことが多いため、「冷房」より「暖房」のほうが高い電気代になるケースが多いのです。
「冷房」と「暖房」の違い! 設定温度を意識して工夫しながらエアコンを使おう
エアコンは「冷房」と「暖房」で目的が異なり機能も違います。設定温度を同じにしても、「冷房」と「暖房」で異なる結果が得られるのもそのためです。
ただ、機能や目的の違いはあれ、電力を消費する仕組みは「冷房」でも「暖房」でも同じです。外気温と設定温度の差によってエアコンの電気代は変わってきます。節約のことも考えて、エアコンは適切な設定温度に調節しながら、工夫して使うことを心がけましょう。
出典
環境省 「みんなで節電アクション!」特設サイト 家庭でできる節電アクション エアコンで節電
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー