更新日: 2023.07.27 その他暮らし
ビデオ通話の相手は、友人でなく「AI」による成りすまし!? 近年の「特殊詐欺」の実態を解説
中でも先日報道されたニュースでは、友人をかたる人物からのビデオ電話に応じて8500万円を振り込んだところ、実は詐欺だったという驚くべきものです。詳しく見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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特殊詐欺の件数と被害額
警視庁によると、2022年に特殊詐欺として認知された件数は1万7570件、被害総額は370億円以上です。件数を都道府県別に見てみると、東京が3218件、神奈川が2090件、大阪が2064件など、大都市圏で特に被害が多くなっています。
日本においてはオレオレ詐欺や還付金詐欺の件数が多いですが、海外ではAI音声生成を利用して家族の声を模倣し、詐欺を働いているケースもあります。そして驚くべきことに、中国ではAIを利用したビデオ電話での詐欺が発生しています。
友人と思い8500万円振り込んだら詐欺だった
中国南部・福建省では、会社役員の男性が友人をかたる人物からのビデオ通話にて「入札のために保証金が必要」と依頼があり、日本円で8500万円を振り込みました。
しかし、実際には友人ではなく、AIによって友人になりすました人物からの詐欺だったのです。オレオレ詐欺のように、赤の他人が電話で話しかけてくるのではなく、限りなく本人に近い人物が映像として依頼してきたなら、だまされてしまっても無理はないのかもしれません。
また、この件はビデオ通話ですが、AIを利用して本物そっくりの音声を利用する詐欺もあります。カナダでは、弁護士からの偽電話を信じ、日本円で100万円以上失った事例もあります。
AIを用いたなりすまし詐欺を防ぐには
このようななりすまし詐欺を防ぐには、手口を認識することが第1です。手口を知っていれば、自身の身に降りかかった際にも、「もしかしたら詐欺ではないか」と気づく可能性が上がります。まずはきちんと疑問を持つことができれば、その後も余裕を持って対応できます。
常に「だまされているかも」という警戒意識を持つと、「自分は大丈夫」と慢心することなく、詐欺を見抜いたり、犯人の話に違和感を覚えたりできます。電話をしてきた相手に、普段から知っている連絡先にこちらから電話をかけることも有効です。そのためにも、まずは手口を知り、気づきの感度を上げることが大切です。
また、時には家族のサポートも大きな味方です。狙われるのは高齢者が多いので、普段からコミュニケーションをきちんと取ったり、迷惑電話防止の設定をしたりするなど、可能な範囲でサポートすることをおすすめします。詐欺の手段もどんどん増えてきており、100%防げる方法は残念ながらありません。
少しでもひっかからないためにも、まずは今回のような詐欺の手口を知っておきましょう。
出典
警察庁 特殊詐欺 発生状況
警察庁 特殊詐欺の手口と対策
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー