日本銀行ってどんな銀行?

配信日: 2023.07.28

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日本銀行ってどんな銀行?
日常で使う紙幣には「日本銀行券」と書いていますし、ニュースでもたびたび「日本銀行(日銀)」という言葉が流れます。令和5年4月9日には約10年ぶりに日銀の総裁が代わりましたね。また、令和6年の上期には新しい紙幣(日本銀行券)が発行されます。
 
このようによく聞く日銀ですが、日本銀行の口座をお持ちの方は身近にいらっしゃいますか? 本稿では、日本銀行はどのよう銀行で何をするところなのかを見ていきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

日本銀行とは

日本銀行は、明治15年10月10日に業務を開始した日本で唯一の中央銀行です。日本銀行法により設立され(当時は日本銀行条例)、設立に関し行政庁の認可が必要な「認可法人」と位置付けられており、政府機関や株式会社ではありません。
 
また、同法では日本銀行の目的を「我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨および金融の調節を行うこと」(※1)「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」(※2)と規定しています。
 
(※1)(※2)出典:日本銀行「日本銀行について」
 

日本銀行の業務は

では、日本銀行の業務内容を具体的に見てみましょう。
 
1.銀行券(お札)の発行・流通・管理
日本でただひとつの「発券銀行」として、銀行券(いわゆる紙幣)を発行しています。
 
2.決済に関するサービスの提供
決済に関するサービスを行うため、まず金融機関から当座預金を受け入れます。その後、この当座預金の振替により、金融機関との間で決済(資金決済)を実施します。また、例えば国債振替決済制度などの国債における決済システムも提供しています。これは、国債の取引に伴い発生する受渡しについて、口座振替などにより処理(帳簿上)を行なっているのです。
 
3.金融政策の運営
金融政策の決定や実行を行なっています。これは物価の安定を目的にしており、具体的には、金融調節によって、資金の供給・吸収を行なったりすることが挙げられます。
 
4.金融システムの安定に向けた取り組み
金融システムが正しく機能していることや、会社だけでなく個人などが安心して利用可能な状態を保つために、日本銀行は金融機関に対して、業務の運営、さまざまなリスクに対する管理状況、自己資本における充実度・収益力について、実態把握の調査を行なっています。それにより、金融機関の経営において、健全度の維持と向上を促しているのです。
 
もし、金融機関に一時的に資金不足が発生した場合は、資金の供給が必要に応じて実施されることがあります。
 
5.国の事務の取り扱い、対政府取引に関する業務
日本銀行は、政府預金として預かる国庫金の出納・計理だけでなく、その政府預金の管理、政府有価証券の受払や保管などの事務作業を行なっています。また、国債の発行の実施、振替決済・元利金支払いに関連する事務作業、さらには政府に対する国債の売買など、さまざまな取引業務を行なっています。
 
6.国際業務
外国為替の売買等の国際金融業務を行っています。このほか、財務大臣の指示により為替介入なども行うことがあります。
 
上記のほか、日本の金融そして経済に関連する、調査、研究、統計の作成、これらの広報業務なども行なっています。つまり、冒頭で「日本銀行の口座をお持ちの方がいない」というのは、このような理由からです。
 

日本銀行を見てみたい(見学したい)! 可能なの?

日本銀行の本店や支店(全国32ヶ所)は、内部を見学できます。本店では、重要文化財に指定されている本館(地下金庫、旧営業場、展示室)を解説付きで見学することもできます。本支店以外でも、貨幣博物館(東京都中央区)や金融資料館(旧日本銀行小樽支店、北海道小樽市)があります。
 
見学は事前予約制で、見学時には身分証明書が必要ですので忘れないようにしましょう(2023年7月時点、当日見学[予約不要]は中止しています)。
また、見学に行くのが難しい場合にはバーチャル見学ツアーも用意されています。
 

まとめ

個人や一般企業は日本銀行に口座を持つことができませんので、他の銀行と比べてなじみがないかもしれません。ただ、日本の金融政策に大きな役割を持っています。興味を持った方は一度見学に行ってみるのもよいかもしれませんね。
 

出典

日本銀行 日本銀行について
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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