更新日: 2023.07.27 その他暮らし

【夏こそ花粉症対策!】舌下免疫療法を3年間続けたら治療代はいくら?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【夏こそ花粉症対策!】舌下免疫療法を3年間続けたら治療代はいくら?
今や国民病ともいわれている花粉症。毎年、春になると、つらい症状に悩まされている方も多いと思いますが、夏から始められる花粉症対策があることをご存じでしょうか。
 
そこで本記事では、夏の今こそ始めたい「舌下免疫療法」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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花粉症の治療開始は6月~11月が有効

花粉症といえば、2月〜4月にピークを迎えると思われています。しかし、スギ花粉の場合、秋頃には飛散が始まっているとされているので、症状が出始めてからでは、治療の効果が充分に得られないことも珍しくありません。
 
そのため、本格的な花粉シーズンが到来する前の、6月~11月には治療を開始することが望ましいとされています。
 

夏からでもできる舌下免疫療法

「舌下免疫療法」は、アレルゲン免疫療法の一つです。皮下にアレルゲンを注射する皮下免疫療法が主流ですが、近年では舌下に治療薬を投与する舌下免疫療法の登場により、自宅でも取り組めるようになりました。
 
現在は、スギ花粉症、もしくはダニアレルギー性鼻炎と確定診断を受けた人のみが受けられる治療法です。花粉症の場合、スギ花粉が飛散している可能性のある時期には治療を開始できません。そのため、治療を開始できるのは6月~11月下旬頃となっています。
 
この「舌下免疫療法」には、次の効果が期待されています。

・アレルギーによる鼻炎症状の改善
・アレルギー治療薬の減薬
・生活の質の改善

アレルギーの完治に至らなくても、鼻炎症状が和らいだことによる減薬が期待できます。さらにアレルギー治療薬の副作用(眠気など)のリスクも小さくなるため、生活の質の改善も見込まれるでしょう。ただし、リスクもありますので、医師の監視下において治療を進めていく必要があります。
 

「舌下免疫療法」のメカニズムや費用とは?

花粉症の治療に効果があるとされる舌下免疫療法は、一体どのようなメカニズムなのでしょうか。
 
人体には、免疫記憶を形成している記憶T細胞があります。記憶T細胞は生体防御の中枢としての役割をもつ一方で、過剰反応(アレルギー反応)を引き起こしてしまうリスクがあります。
 
このようなアレルギー反応を引き起こすものは「病原性記憶T細胞」と呼ばれていますが、「舌下免疫療法」によって「病原性記憶T細胞」の働きが抑制されることが 分かりました。
 

「舌下免疫療法」にかかる費用

「舌下免疫療法」にかかる1ヶ月あたりの費用は、使用する治療薬によっても異なりますが、保険料による3割負担の場合、1500円〜2000円が目安です。年間では1万8000円以上の費用がかかる計算で、治療期間はおおむね3年〜5年です。仮に治療を3年間、行うなら、総額で5万4000円〜7万2000円の費用を見込んでおく必要があります。
 
一見すると高額に思われますが、治療が終わったあとは症状が抑えられるため、長期的には金銭面の負担を軽減できる人が多いでしょう。
 

「舌下免疫療法」の注意点

花粉症の症状が軽減されるだけでなく金銭面においてもメリットのある舌下免疫療法ですが、気を付けたい点があります。長期間の治療が必要なので、何らかの理由で断薬期間が生じると、最初から治療をやり直さなければなりません。また、既往歴や年齢によっては、そもそも「舌下免疫療法」を選択できない方もいます。
 
このほか、アナフィラキシーショックを引き起こすリスクもあるため、医師の監視下において治療を進めていく必要があります。さらに、頻度の高い副作用として、口腔内の腫れ、かゆみなどがありますが、多くの場合、30分程で改善すると報告されています。
 

まとめ

多くの人を悩ませている花粉症ですが、「舌下免疫療法」なら症状の改善が期待できます。ただし、リスクもあるため、あらかじめ、自分が選択できるかどうか、慎重な判断が必要です。
 
アレルギー症状が出ている時期は治療を始められないため、来春の花粉症シーズンに備えて、この夏から治療を開始してみてはいかがでしょうか。
 

出典

政府広報オンライン 政府の花粉症対策3本柱
厚生労働省 一般社団法人 日本アレルギー学会 アレルギーについて 花粉症
厚生労働省 一般社団法人 アレルギー学会:舌下免疫療法のメリットや治療時期など
環境省環境保健部環境安全課 治療のメカニズム p42~43
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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