更新日: 2023.07.31 その他暮らし

熱中症で搬送された「55%」が高齢者!? 命を守るために必要なお金はいくら?「エアコン・飲料水」などの費用を試算

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

熱中症で搬送された「55%」が高齢者!? 命を守るために必要なお金はいくら?「エアコン・飲料水」などの費用を試算
連日のように猛暑日が続き、地域によっては10年に1度レベルの高温ともいわれています。暑い日が続くと心配なのが熱中症です。熱中症で緊急搬送される人には高齢者が多く含まれ、2023年7月10~16日の1週間に全国で熱中症によって緊急搬送された8189人のうち高齢者は約55%を占めていました。
 
高齢者が熱中症にかかりやすい原因としては大きく2つあります。1つ目は「冷房をつけないこと」、2つ目は「水分をあまりとらないこと」です。
 
今回の記事では冷房使用による電気代と必要な水分を補うための飲料水の値段から、熱中症を防ぐために必要な金額を試算します。適切な冷房使用と水分補給は高齢者以外の人の熱中症を防ぐためにも重要なのでぜひ参考にしてください。
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熱中症を防止するために適切なエアコンの使用方法とは

環境省は、熱中症を防ぐためには室温28度を1つの目安としてエアコンを使用することを推奨しています。2023年7月上旬の東京における平均気温は最高気温が27.8~36.5℃、最低気温が20.7~26.5℃でした。
 
最高気温は当日9~21時までの観測値、最低気温は前日21時~当日9時までの観測値です。つまり熱中症を防ぐには少なくとも9時から21時の間はエアコンを適切に使用する必要があります。そのため今回の記事では9~21時の12時間エアコンを使用した場合の電気代を試算します。
 

エアコンを使用した場合の電気代

1時間当たりの電気代は1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単位(円/kWh)で計算することができます。エアコンの消費電力は機種によって異なるので説明書やホームページで確認しましょう。今回は価格.comにおける「エアコン 6畳用」でランキング1位(7月22日付)のダイキンS223ATES-Wを例に試算します。
 
ダイキンS223ATES-Wのスペックを確認すると冷房消費電力は580Wとなっています。1000W=1kWであるため、今回の消費電力は1時間あたり0.58kWとなります。
 
28度以上でエアコンを使用すると仮定した場合、今年7月の平均気温より使用時間は9~21時の12時間となります。
 
料金単位は契約している電力会社やプランによって異なります。検針票や電力会社のホームページで確認してください。今回は全国家庭電気製品公正取引協議会の提示する目安である31円/kWh(税込)を使用します。
 
0.58(kW)×12(時間)×31(円/kWh)=215.76
 
つまりエアコンを12時間使用した場合の電気代は約216円となります。これは1日あたりの金額なので、熱中症患者の多い7・8月に毎日使用した場合を計算します。
 
216(円)×62(日)=1万3392円
この計算からエアコンを2ヶ月間毎日使用した場合の電気代は約1万3400円ということが分かります。
 

熱中症を予防するために必要な水分の量

熱中症を予防するために必要なのはエアコンの適切な使用と水分補給です。ここからは必要な水分の量とその料金を計算します。
 
環境省の出すガイドラインによると、日常生活で摂取する水分のうち、飲料として摂取するべき水分の量(食事等に含まれる水分を除く)は1日あたり1.2リットルが目安とされています。もちろん水道水でも問題ありませんが、今回は1日あたり1.2リットルの水を購入する場合の金額を試算します。
 

1日分の飲料水を購入した場合かかる費用

今回は7月22日付のAmazonで2リットル当たりの値段が最も安い「伊藤園 磨かれて、澄み切った日本の水」を購入すると仮定します。これは2リットルのペットボトルが6本入っており、12リットルで687円(税込)です。
 
1.2リットル(1日あたり必要な水分量)×62日(7・8月の日数)=74.4(リットル)
 
74.4÷12=6.2なので上記の商品を6.2セット購入すれば7・8月分の水分は補えます。
 
687(円)×6.2(セット)=4259.4
 
7・8月分の水分を購入する場合、約4300円が必要となる計算です。
 

熱中症を予防するためにかかる金額は1万7700円!

ここまでエアコン使用による電気代と水分補給のための飲料水代を計算してきました。2ヶ月間毎日12時間エアコンを使用した場合の電気代は約1万3400円、必要な水分を補うため飲料水を購入した場合にかかる値段は約4300円です。
 
2つのお金を合計すると、1万3400+4300=1万7700円となります。
 
この金額を高いと思うか安いと思うかは個人差があると思いますが、高齢者の場合は熱中症が原因で死亡する危険性も高くなります。命を守るためのお金としては妥当な金額といえるのではないでしょうか。
 
高齢者の中には電気代高騰を受けてエアコンの使用を我慢したり、喉の渇きを感じにくいので積極的に水分を摂取しなかったりする人もいます。「気を付けて」だけではなかなか変わらない場合は、熱中症を防ぐためにといってこのお金を援助するのも命を守る手段として有効かもしれません。高齢者の家族がいる人もそうでない人も、本記事を参考に今年の夏を元気に乗り越えてください。
 

出典

環境省 熱中症を防ぐためには
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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