更新日: 2023.08.04 子育て
児童扶養手当と児童手当の違いは何? 両方同時に受給できるの?
本記事では、児童扶養手当と児童手当の違いや同時に受給できる可能性について解説します。各手当の対象となる子育て中の方は、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童扶養手当と児童手当
「児童扶養手当」と「児童手当」は、支給対象や支給対象年齢が異なります。国と都道府県・市区町村が財源を負担し、子育て世帯に毎月手当を給付するという点では同じです。児童手当の財源には、事業主拠出金も含まれます。
「こども未来戦略方針」によると、児童手当は令和6年度から拡充される見込みです。所得制限の撤廃や高校生年代までの支給期間延長が盛り込まれているので、今後の動きをチェックしてみてください。
ひとり親世帯を対象とする児童扶養手当制度
児童扶養手当制度は、児童扶養手当法に基づき、父子家庭を含むひとり親世帯が対象です。ひとり親が新しい配偶者を得た場合などは支給が停止されます。
また所得制限があり、前年の所得が限度額を超えると手当の支給が停止されることも知っておきましょう。所得制限限度額は、各自治体のホームページで確認できます。
手当を受け取れる人
父母が離婚、父または母が死亡、父または母が一定程度の障害状態にあるなどの児童に対し、日常生活の衣食住の面倒をみている人が請求者となります。対象となる児童の年齢は、18歳の誕生日後の最初に迎える3月31日までです。障がいを抱える児童については、20歳の誕生日の前日まで支給されます。
なお請求者、対象となる児童の住所が海外にある場合は児童扶養手当の対象外です。
受け取れる手当の金額
児童扶養手当の1ヶ月あたりの支給額は、図表1のとおりです。奇数月に2ヶ月分を受給できます。
【図表1】
児童数 | 支給月額(令和5年4月から) |
---|---|
1人(全部支給) | 4万4140円 |
1人(一部支給) | 4万4130円~1万410円 |
2人目加算額(全部支給) | 1万420円 |
2人目加算額(一部支給) | 1万410円~5210円 |
3人目以降加算額(全部支給) | 6250円 |
3人目以降加算額(一部支給) | 6240円~3130円 |
出典:神奈川県 令和5年度 児童扶養手当
所得制限額および所得に関する詳細は、お住まいの区市町村に問い合わせましょう。
中学卒業までの子どもがいる世帯向けの児童手当制度
児童手当制度は児童手当法に基づき、家庭における生活の安定と児童の健全な育成と資質の向上を目指し創設された制度です。かつては所得制限限度額を超えても特別給付を受給できましたが、令和4年10月から所得上限額が創設されました。
本項では、令和5年度の児童手当制度について見ていきましょう。
手当を受け取れる人
児童手当を受け取れるのは、中学校卒業までの児童を養育している人です。監護・生計同一の要件を満たす父母などのほか、施設に入所している児童の場合は施設の設置者等が受給資格者となります。日本に住所のある15歳の誕生日後の最初に迎える3月31日までの児童が対象です。なお、公務員も勤務先に申請すれば受給できます。
受け取れる手当の金額
児童手当の1ヶ月あたりの支給額は、図表2のとおりです。2月・6月・10月に4ヶ月分を受給できます。
【図表2】
児童の年齢 | 1人あたりの支給額 |
---|---|
3歳未満 | 一律1万5000円 |
3歳以上小学校修了前 | 1万円 ※第3子以降は1万5000円 |
中学生 | 一律1万円 |
出典:内閣府 児童手当制度のご案内
児童を養育している人に所得制限額以上の所得がある場合は、一律5000円の特例給付が支給されます。
両方の手当を同時に受給できる?
児童扶養手当と児童手当は、基本的に異なる制度です。そのため要件を満たしていれば、児童扶養手当と児童手当を同時に受給できます。
児童扶養手当はひとり親世帯が対象で児童手当は問わないので、中学生以下の子どもがいるひとり親で所得制限限度額以下の世帯は、両方の受給が可能ということになります。
忘れずに両方の手当を申請しよう
児童扶養手当も児童手当も、申請手続きをしないと受給できません。自分が給付の対象になるかは住まいのある自治体に問い合わせをしてみてください。
手当の支給は、申請した月の翌月分から開始されます。遅れた月分の手当については受給できなくなるので、早めに申請するようにしましょう。
出典
内閣官房 こども未来戦略方針
厚生労働省 児童扶養手当について
神奈川県 令和5年度 児童扶養手当
内閣府 児童手当制度の概要
内閣府 児童手当制度のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー