更新日: 2023.08.08 その他暮らし
住宅価格は高騰中。今買っても大丈夫? もう少し待った方がいい?
執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)
FPオフィス Conserve&Investment代表
2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。
マイホームの購入は早めに決断を
住宅価格の推移をみると、2012年ごろから上昇を続けています。上昇局面が続く間も下落を予想する声がありましたが、実際には値崩れは生じませんでした。
住宅は、賃貸であるか持ち家であるかにかかわらず生活を営む上で必須の設備のため、住宅価格の値崩れを待っている間も住居費用は発生し続けますし、右肩上がりに上昇を続けるのであればできるだけ早く購入することが結果的には有利になります。
しかし、マイホームは生活インフラだけでなく、長期的に保有する資産としての側面もあります。
たとえ数千万円出して購入したマイホームであっても、将来的には二束三文にしかならなかったり、買い手がつかなくて固定資産税や修繕費などで所有しているだけでマイナスとなってしまう負動産になったりする事態は避けたいものです。
負動産化を防ぐには?
日本では人口減少がはじまっています。今後は、利便性が高く雇用が豊富な東京都などの都市部への人口集中が加速すると予想されています。
その反面、郊外は過疎化が進行して多くの空き家が生じるため、郊外のマイホームの場合、売却が難しくなり子孫が居住を希望しない場合は負動産化する可能性があります。
マイホームを資産として考えているのであれば将来的にも需要が見込める都市部を選択するなどの対策をとるようにしましょう。
今後の住宅価格の予想は?
住宅はさまざまな建材を利用しているため、為替や物価変動の影響を受けやすくなっています。現在は大幅な円安が続いており輸入建材を中心に値上がりが続いています。
為替は2国間の金利差や経済成長の期待度や国際情勢などさまざまな要因が絡み合っているため予想は困難です。今後、為替の動向によっては値上がり傾向が鈍化する可能性があります。
しかし、日銀による2%の物価上昇の維持のほか、現在はさまざまな増税も議論されています。税負担の上昇は住宅価格の値上げにもつながるため、マイホームの取得を検討しているのであれば急いだほうがよいでしょう。
購入してすぐ値下がりに転じた場合は失敗したと感じるかもしれませんが、マイホームの購入タイミングや購入した物件が成功であったか否かはある程度時間が経過してからしか分かりません。マイホームを購入する際は住宅価格の推移だけに着目しすぎないようにしましょう。
マイホームの購入は取得地域の情報を踏まえた上で早期の検討を
住宅価格は長期的な上昇傾向が続いていますが、足元では円安の影響により一層値上がり幅が大きくなってきており、将来的にも物価変動や上昇傾向が続く可能性があります。
また、住宅価格の推移は予想が難しいため、値下がりを待ってマイホームを購入しようとすると、その間の住居費が余計にかかったり、購入タイミングが遅れると年齢を重ねてしまいマイホームを購入することが難しくなったりします。
しかし、マイホームを資産としてみた場合、人口減少下では将来的に郊外は過疎化する可能性があり、そうした地域でマイホームを購入した場合は資産価値が大きく下落してしまうといった負動産化のリスクもあります。
住宅価格は値上がりが続いています。購入する際は、マイホームの購入を見送った場合のリスクや、将来資産として利用できるように検討していくとよいでしょう。
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表