更新日: 2023.08.08 家具・片付け

フリマで家の中の不用品を販売、売り上げ30万円! 購入費用は経費にできる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

フリマで家の中の不用品を販売、売り上げ30万円! 購入費用は経費にできる?
部屋を見渡すと、使わなくなった服や本、家電が意外とあるものです。そんな不用品を処分するために、フリマアプリを活用する人は多いようです。しかし、フリマアプリでの売り上げが高額で確定申告が必要な場合、経費として計上できる範囲が気になるでしょう。
 
本記事では、フリマで不用品を販売したとき、経費にできる費用について詳しく解説します。
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フリマでの不用品販売は基本的に非課税

近年、スマートフォンなどを使ったフリマアプリが、大変便利なツールとして広く普及してきています。これらのアプリを活用することで、自宅に眠っている不用品を簡単に他人へ販売し、収益を得ることが可能です。加えて、個人情報を公開することなく安全に取引可能なので、多くの人が利用しています。
 
フリマアプリを利用して得た収益について、商品が自宅の不用品であれば、多くの場合は非課税です。これらの品物は「生活用動産」に分類され、生活で使用していたものの売却は原則として所得税の対象とはなりません。
 
しかし、いくつかの例外があります。例えば、営利目的で年間20万円以上の収益を得た場合、または30万円を超える美術品や貴金属を売却した場合には、これらの収益は所得税の対象となります。その結果、確定申告が必要となります。
 
ここでいう「営利目的」とは、一時的なものではなく、業として反復継続してフリマアプリで商品を売却する行為を指します。この点を理解し、適切な税務処理を行うことが重要です。
 

フリマで利益を得たときに経費にできる費用とは

フリマアプリを活用し、非課税対象外の利益を得て確定申告が必要となった場合には、収益に対する税金を計算する際に経費を計上できる場合があります。
 
計上できる主な費用は取得費、譲渡費用、そして特別控除としての50万円です。これらの費用を理解して正しく計上するために、詳細を確認していきましょう。
 

取得費

フリマアプリの売却益は、「譲渡所得」です。総合課税の譲渡所得の金額は下記の式で計算します。
 
・譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-50万円
 
取得費とは、商品を購入したときに支払った金額のことで、一般的には購入代金のことです。売り物を購入した際のレシートや銀行口座の出金履歴などを保存しておくと、後で取得費を証明する際に役立ちます。
 
譲渡所得には短期譲渡所得と長期譲渡所得がありますが、フリマアプリでの販売による所得は短期譲渡所得となり、全額が総合課税の対象です。
 

譲渡費用

譲渡所得における譲渡費用とは、商品を売却するために直接かかった費用のことです。
 
具体的にはフリマアプリの手数料、商品を送る際の送料、梱包材の費用などが含まれます。これらの費用も、レシートや領収書を保管することで、必要な際に証明が可能です。
 

50万円の特別控除

譲渡所得の合計額からは、50万円の特別控除があります。1年間の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計に対して適用される控除です。もし、同じ年に短期譲渡益と長期譲渡益の両方があるときは、特別控除の50万円は先に短期の譲渡益から差し引かれます。
 
譲渡益の合計額が50万円以下であれば、譲渡益の金額までが控除の対象です。 フリマでの売却を行って譲渡益が出る場合でも、50万円までは控除できます。そのため、譲渡益が最低でも50万円はないと、課税対象とはならないということです。
 

フリマにかかる税金を把握して正しく確定申告をしよう

フリマアプリを用いて不用品の売却を行うと、生活用動産の売却に当たるため、収益は基本的に非課税です。しかし、営利目的で年間20万円以上の収益を得たり、30万円を超える美術品や貴金属を売却したりした場合、その収入は課税対象となります。
 
課税対象となったフリマアプリでの売却益は譲渡所得であり、売却に関する取得費や譲渡費用は経費として計上できます。さらに50万円の特別控除があります。これらを理解し、必要に応じて確定申告を正しく行うことが重要です。
 

出典

国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法

国税庁 No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)

国税庁 確定申告書等作成コーナー 総合課税の譲渡所得とは

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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