更新日: 2023.08.15 その他暮らし

「車検代」が高い! いっそ車は「サブスク」のほうがお得? 利用する前に知っておくべきことも解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「車検代」が高い! いっそ車は「サブスク」のほうがお得? 利用する前に知っておくべきことも解説
車検代は、車を持つ人にとっては避けられない出費です。そこで、最近「車のサブスクリプション」が話題になっています。月額料金を払って車を借りるサービスで、車検や税金、保険などの面倒な手続きや費用を気にせずに乗り換えられるのが魅力です。
 
しかし、本当にお得なのでしょうか? 選び方を間違えるとデメリットだらけになってしまうこともあります。
 
本記事では、車検代の相場と、車のサブスクのメリットとデメリットについて解説します。自身が車のサブスクで得する人か、損する人かを判断する参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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車検代はどれくらいかかる?

車検代は、車種や走行距離、整備内容などによって異なりますが、このうち、法定費用と呼ばれる国や都道府県に支払う費用は約1万円から5万円です。残りは整備費用と呼ばれる部品交換や点検などの費用で、これが大部分を占めます。
 
法定費用の内訳は図表1の通り。どこで車検を受けても同じ金額です。
 
図表1

自賠責保険料 自動車事故による人身傷害に対する賠償責任を保障するための保険料
自動車重量税 自動車の重量に応じて課される税金です。エコカー減税の対象となる車種は免税や減税の措置がある
印紙代 車検証の発行手数料として支払う費用

筆者作成
 
整備費用は、ディーラーや指定工場、ユーザー車検などで行う場所によっても変わります。
 
ディーラーで行う場合は最も高くなりますが、安心感やアフターサービスが魅力です。指定工場で行う場合はディーラーより安くなりますが、整備内容や品質に差があります。ユーザー車検、いわゆる自身で整備して車検場に持ち込む場合は最も安いです。しかし、自身で部品を用意したり点検したりしなければならず、手間や時間がかかります。
 
法定費用に関する詳しい情報は、国土交通省のウェブサイトや損害保険料率算出機構のウェブサイトを参照してください。整備費用の相場は、依頼先や部品交換の有無によって大きく変わりますが、図表2におおよその目安を示します。
 
図表2

車種 ディーラー 車販売店 ガソリンスタンド 民間整備工場
軽自動車 10~15万円 8~12万円 7~10万円 6~9万円
普通自動車
(5ナンバー)
15~20万円 12~16万円 10~14万円 9~13万円
普通自動車
(3ナンバー)
20~25万円 16~20万円 14~18万円 13~17万円

国土交通省 自動車重量税について 損害保険料率算出機構より筆者作成
 

車のサブスクって何? 車検代が節約できるの?

車のサブスクとは、簡単にいうと月額料金を支払って好きな時に好きな車に乗り換えられるサービスです。NetflixやSpotifyなどの動画や音楽のサブスクと同じように、所有するのではなく利用するという発想です。
 
このサービスのメリットは、自身の好みやライフスタイルに合わせて車を選べることや、新しい車に乗れること。また、月額料金には税金や保険料、メンテナンス費用などが含まれているため、別途かかる費用が少ないという点も魅力です。つまり、日々の必要な整備費用とは別に、車検代を貯めておかなくていいので、節約が可能なのです。
 

車のサブスクで得する人と損する人

車のサブスクは誰にでもお得なサービスというわけではありません。月額料金は車種やプランによって異なりますが、だいたい2万円から10万円程度です。車を購入してローンを組む場合やリースをする場合と比べて高くなる可能性があります。また、乗り換えるたびに登録や引き渡しの手続きに時間と費用がかかります。
 
さらに、車のサブスクでは自身の車という感覚がなくなり、愛着や思い出がなくなるというデメリットもあります。つまり、車のサブスクで得するのは、以下のような人です。
 

・車検代やメンテナンス費用を気にせずに新しい車に乗りたい人
・自身の好みや用途に合わせて車を乗り換えたい人
・車を所有するよりも利用するという発想に共感できる人

 
一方、車のサブスクで損するのは、以下のような人です。
 

・月額料金が予算を超える人
・手続きや移動が面倒だと感じる人
・自身の車に愛着や思い出を持ちたい人

 

おすすめの車のサブスク

最後に、おすすめの車のサブスクを紹介します。現在、日本で提供されている車のサブスクは数多くありますが、ここでは代表的な3つをピックアップしました。
 
図表3

特徴
KINTO(キント) ・トヨタ自動車が運営する車のサブスク
・月額料金は1万5000円から20万円程度で、トヨタの全車種が対象
・契約期間は3年/5年/7年
・オンラインで申し込みから契約まで完結
クルマに乗るうえで必ず発生する税金・メンテナンス代・保険料の維持費がすべて料金に含まれている
ニコノリ
(ニコニコカーリース)
・株式会社MICが運営する車のサブスク
・月額料金は5500円から15万円程度で、国内全車種が対象
・契約期間は1年~9年
・申し込みや契約はメール・郵送で対応。自宅納車なので全国どこにいても新車が届く
信販会社4社が審査するので審査通過しやすい。ガソリンスタンドの店舗が多く、ガソリン代の割引も受けやすい
楽らくまるごとプラン ・株式会社ホンダファイナンスが運営する車のサブスク
・月額料金は3万円から7万円程度で、国産・外国産のさまざまな車種が対象
・契約期間は3年/5年/7年
・ホンダディーラーの店舗で申し込みや契約ができる
ディーラーの質の高いメンテナンスが受けられる

各社HPより筆者作成
 
以上、車検代が高いと感じている人に向けて、車のサブスクについて解説しました。車のサブスクは、車検代を節約できるだけでなく、自身のライフスタイルに合わせて車を楽しめる新しいサービスです。
 
しかし、月額料金や手続きなどのデメリットもあります。自身にとってお得かどうかは、よく比較検討してから決めてください。
 

出典

国土交通省 自動車重量税について
損害保険料率算出機構
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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