エアコン「25度」って寒すぎですか? 職場が暑く設定温度を下げたいのですが、文句を言われます…
配信日: 2023.08.24
それでは例に挙げた25度設定に問題はあるのでしょうか。この記事では、オフィスの適温、エアコンの推奨設定温度、25度と28度の電気代の違いなどについて詳しく解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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職場の適温とは?
夏場でも快適に働ける職場を目指すには適切な温度設定が重要です。ロンドン大学の調査によると、最も生産性が向上する温度は22~24度とされているほか、ヘルシンキ工科大学とローレンス・バークレー国立研究所の共同研究でも、22度が適温という結果が出ています。
しかしここで注意すべき点は、適温は仕事の内容によって異なるということです。デンマーク大学の研究では、クリエイティブな仕事に従事する人にとっては暖かい環境が創造性を高めることがわかっています。
一方、一般的なオフィスワークを行う人々にとっては22度が適温とされ、30度の環境と比べて生産性が8.9%向上するといいます。また21~25度の間では大きな生産性の変化や影響は見られなかったものの、25度を超えると生産性の低下がすることが明らかとなったそうです。
ただし職場の適温は各自の体感や作業内容によって変動するため、すべての人が快適だと感じる室温設定は難しいでしょう。
エアコンの冷房推奨設定温度とは?
環境省が推奨する冷房時の室温は28度です。これは室外との気温差が5度程度だと身体に負担が少ないと考えられているためです。特に夏は外気温が30~35度になることも多いため、28度が適温とされています。
ただし、注意すべきはここでいわれている28度はあくまで「室温」であり、「設定温度」ではないということです。たとえエアコンを28度に設定したとしても、室温は環境や空間の状況、エアコンの機能などによっても変動するため、設定温度よりも室温が高くなる場合もあります。
28度と25度では電気代はどう違うのか?
エアコンの設定温度による電気代の違いについて見てみましょう。夏季では設定温度を1度高くすると、消費電力が13%削減できるとされています。つまり28度と25度の設定では、その差3度分でさらに大きな消費電力の違いが出るということになります。その分、当然ながら電気代にも影響があるでしょう。
この消費電力の差は設定温度だけでなく、稼働時間やエアコンの機種、部屋の大きさなどさまざまな要素に影響されます。また室内温度と設定温度との差が大きくなるほど消費電力も大きくなるため、同じ設定温度でも季節によって電気代が変わってくるのです。
特に冬場は、夏に比べ室温と設定温度の差が大きくなりやすく、結果として消費電力が増加します。したがって、設定温度の3度差が一律に電気代差に直結するわけではないことを理解しておく必要があります。
温度設定は柔軟に対応するのが得策
エアコンの温度設定を25度にしたときの「電気代がかさむ」といった意見は、28度など高い設定温度と比較すれば一理あるといえます。
しかし実際は電気代と生産性のバランスを取らねばならず、また仕事の内容や各人の感じる快適さによって適温が変わるため、一概に設定温度だけを論点にしても問題は解決しないでしょう。エアコンの温度設定については、節電と快適さの両方を考えた上で、場合によりフレキシブルに対応することが求められます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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