更新日: 2023.08.24 子育て

ユニークな子育て支援制度を紹介! ~葛飾区「三人乗り自転車等購入費助成事業」ほか~

執筆者 : 辻章嗣

ユニークな子育て支援制度を紹介! ~葛飾区「三人乗り自転車等購入費助成事業」ほか~
政府はこども・子育て政策として「次元の異なる少子化対策」(※1)を推進していますが、地方自治体でもユニークなこども・子育て支援策を講じているところがあります。本記事では、東京都葛飾区が実施している「三人乗り自転車等購入費助成事業」について解説し、同様にユニークな支援事業を行っている地方自治体を紹介します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

葛飾区の「三人乗り自転車等購入費助成事業」とは

葛飾区では、子育て家庭の経済的な負担を軽減するとともに、保育園や幼稚園への送り迎えや、買い物などの外出時の安全性を高めるため、三人乗り自転車や関係物品などを新たに購入する方に購入費用の一部を負担しています(※2)。
 

1.対象者

以下の全ての要件を満たす方が助成対象となります。
 

(1)葛飾区に居住する方
(2)小学生未満の子どもを2名以上養育している方
(3)本人または同じ世帯の方が、過去3年以内にこの事業の助成を受けていない

 

2.助成対象の品目と購入方法

以下の品目のいずれも助成対象となります。当該品目は、葛飾区内の東京都自転車商協同組合加盟店(※3)で購入することができます。
 

(1)安全基準を満たす「幼児2人同乗基準適合車マーク」および「BAAマーク(注1)」の両方が付いている自転車(1台まで)
(2)SGマーク(注2)の付いた幼児用座席(当該自転車に取り付け可能席数、防雨シートカバーは対象外)
(3)SGマーク(注2)の付いた幼児用ヘルメット(2個まで)
(4)電動アシスト付三人乗り自転車に対応するメーカー純正バッテリー(1個までで再生品は不可、充電器は対象外)

 
注1:BAAマークは、国が認めた安全・安心で環境にやさしい自転車の目印(※4)
注2:SGマーク制度は、安全基準・製品認証・事故賠償が一体となった制度(※5)

 

3.助成額

購入金額の2分の1が助成(100円未満切り捨て)されますが、助成金の上限は5万円となります。
 

4.助成の流れ

助成は、以下の流れで行われます。
 
(1)令和6年3月29日(必着)までに、以下のいずれかの方法で申請します。

・電子申請(※6)
・区役所の窓口で申請書(※7)を提出
・申請書(※7)を区役所に郵送

 
(2)申請内容を審査した後、申請書を受理してから2週間程度で「三人乗り自転車等購入費助成該当確認書」が送付されます。
 
(3)「三人乗り自転車等購入費助成該当確認書」と本人が確認できる書類(運転免許証、保険証など)を持参して、指定された店舗で助成対象品を購入し、助成額を差し引いた金額を支払います。なお、確認書の有効期限は9ヶ月で、有効期限以降に購入を希望する場合は、再申請が必要となります。
 

ユニークな子育て支援を実施している地方自治体

ユニークな子育て支援を実施している、地方自治体をいくつか紹介します。
 

1.山梨県甲府市の「マイ保健師制度」

山梨県甲府市では、妊産婦の悩みや不安を解消するために、全ての妊産婦や乳幼児の保護者に対して、担当の保健師「マイ保健師」を配置しています(※8)。母子手帳を交付する際に、エリアを担当するマイ保健師が妊婦に紹介されます。そして、マイ保健師は定期的に家庭を訪問し、妊産婦の相談に応じています。
 

2.新潟県上越市の「ファミリーヘルプ保育園」

新潟県上越市は、緊急または一時的に乳幼児の保育ができず、かつ、同居の親族などによる保育ができない場合に利用できる「ファミリーヘルプ保育園」を運営しています(※9)。
 
ファミリーヘルプ保育園は、年中無休で運営されており、24時間を限度として宿泊を伴う保育も受け入れています。利用料は、預ける児童の年齢に応じて1回500~1400円、夜間保育は1回800円、24時間保育は1回3000円となっています。
 

3.千葉県千葉市の「エンゼルヘルパー派遣事業」

千葉県千葉市には、妊娠中や出産後に家事または育児を手伝える方がいない家庭などに、千葉市が契約した事業者からヘルパーを派遣し、身の回りの世話や育児を援助する子育て支援制度があります(※10)。
 
利用できる期間は妊娠中から出産後1年未満で、1回2時間、1日2回まで、合計30回まで利用することができます。利用料は、1回2時間当たり1680円で、保護者の所得により割引制度があります。
 

まとめ

葛飾区では、子育て支援として三人乗り自転車などの購入費用を助成しています。このようなユニークな取り組みを実施している地方自治体は他にもありますので、この機会に、お住まいの地方自治体が実施している子育て支援策を確認することをおすすめします。
 

出典

(※1)首相官邸 こども・子育て政策の目指す社会像と基本理念とは~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~
(※2)葛飾区 三人乗り自転車等購入費助成事業
(※3)葛飾区 東京都自転車商協同組合加盟店 一覧(助成対象店舗一覧)
(※4)一般社団法人自転車協会 自転車の安全基準 BAA
(※5)一般社団法人 製品安全協会 SGマークについて
(※6)葛飾区 三人乗り自転車等購入費助成該当確認書交付申請
(※7)葛飾区 三人乗り自転車等購入費助成該当確認書交付申請書
(※8)甲府市 甲府市子育て世代包括支援センター
(※9)上越市 上越市ファミリーヘルプ保育園
(※10)千葉市 エンゼルヘルパー派遣事業のご案内
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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