更新日: 2023.08.28 子育て
【児童手当】世帯によって月額に5000円の「差」が出るのはなぜ?なかには全くもらえないケースも!?
給付額は、所得によって異なるため、もらえる給付額に差が出てしまうことも。2022年10月に改正され、新たに「所得上限限度額」が設けられたことにより、全く給付金を受け取れない家庭も出てきてしまうのが現状です。
そこで今回は、児童手当の給付額について解説します。「児童手当について詳しく知らない」という人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当の支給額
児童手当は、原則年に3回(6月・10月・2月)支給され、子どもの年齢によって支給額が異なります。児童手当の支給額は、図表1の通りです。
図表1
児童の年齢 | 児童手当の支給額(児童1人あたりの月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律1万5000円 |
3歳以上 小学校修了前 |
1万円 (第3子以降は1万5000円) |
中学生 | 一律1万円 |
※内閣府「児童手当制度のご案内」をもとに筆者作成
図表1の支給額は、さらに所得によって受け取れる世帯が限定されます。所得上限については、次章で解説します。
所得が多いと児童手当はもらえない
2022年10月に児童手当制度が改正され、「所得上限限度額」が設けられたことにより、児童手当のみならず、特例給付さえももらえない家庭が出てきてしまいました。
所得上限は、図表2の通りです。
図表2
扶養親族の数 | 所得制限限度額 | 所得上限限度額 | ||
---|---|---|---|---|
所得制限限度額 | 収入額の目安 | 所得上限限度額 | 収入額の目安 | |
0人 (前年末に児童が生まれていない場合など) |
622万円 | 833.3万円 | 858万円 | 1071万円 |
1人 (児童1人の場合など) |
660万円 | 875.6万円 | 896万円 | 1124万円 |
2人 (児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合など) |
698万円 | 917.8万円 | 934万円 | 1162万円 |
3人 (児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合など) |
736万円 | 960万円 | 972万円 | 1200万円 |
4人 (児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合など) |
774万円 | 1002万円 | 1010万円 | 1238万円 |
5人 (児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合など) |
812万円 | 1040万円 | 1048万円 | 1276万円 |
※内閣府「児童手当制度のご案内」をもとに筆者作成
それぞれの所得上限は、子どもの人数によって異なります。
目安以上の収入がある人は、児童手当・特例給付のどちらももらえません。対して所得制限限度額を超えていても、所得上限限度額内であれば、月に5000円が支給されることとなります。
この所得制限が、月に5000円の差を生む原因と考えられるでしょう。
所得制限限度額内であり、児童手当を全額受け取れる場合は、合計198万円(第1子のケース)になります。所得制限限度額以上、所得上限限度額未満であり、特例給付のみを受け取った場合は合計90万円です。
所得上限限度額を超えている場合は、少なくとも90万円を損してしまうことになります。
所得額によって児童手当に差が出るだけでなくもらえないことも
児童手当は、所得額によって支給額が異なり、約1000万円以上の年収がある場合は、全く給付金がもらえないことになります。
なお、児童手当の受給者は、生計を維持する程度が高いほうを指します。そのため、共働きの場合は「所得が高い人」が受給者となるため、世帯全体での所得ではありません。
児童手当は、子育て時期においての家計の支えとなります。所得上限を超えてしまっている場合は、自分たちで教育費をためて備える必要があるでしょう。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー