更新日: 2023.08.28 その他暮らし

生活保護は働いていてももらえる!?収入の「無申告」は不正受給になる可能性も

生活保護は働いていてももらえる!?収入の「無申告」は不正受給になる可能性も
失業などのさまざまな理由で、生活に困るようになった際に利用できる制度が、生活保護です。国が定めた基準のもと、健康で文化的な最低限度の暮らしをするために、必要とされる金額が支給されます。
 
生活保護というと、働けずに、お金に困っている人が受け取るというイメージを、持っている人もいるのではないでしょうか。しかし、働いていても、受給できるケースもあります。
 
この記事では、働きながらも生活保護を受給できる場合について、支給額などとともに解説します。生活保護を受けようかと悩んでいる人も、参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも生活保護はいくらもらえる?

前提として、生活保護を受けられるのは、最低限度の生活を保障できるほどの資産を持っていない場合です。厚生労働省が定めた基準のもと、収入と比較して、最低限の生活費もないとされた場合に支給されます。
 

生活保護には種類がある

生活保護には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8種類の扶助があります。
 
生活扶助は、普段生活するうえで必要な食費や光熱費などです。住宅扶助は家賃に対する扶助で、教育扶助は義務教育を受けるために必要な費用に対して支払われます。
 
医療扶助は、医療サービスを利用した際に適用され、医療機関に直接支払われる形になります。そのほかは、名前のとおり、介護や出産、就労、葬祭の際に、決められた金額内で費用が支給されます。
 

生活保護費は地域によって異なる

生活保護費のなかでもメインとなる生活扶助は、全国で一律ではなく、地域によって変わります。これは、地域によって、物価や家賃が異なるためです。物価や家賃が異なっていても、地域ごとに差が出ずに、同じ生活水準にするために「級地」という区分けがされています。
 
東京23区や神奈川県横浜市、関西なら大阪府大阪市や兵庫県神戸市など、いわゆる都市に分類されるような市町村は、多くが1級地の分類になります。一方、地方の自治体は、2級地や3級地に分類される傾向があります。
 
さらに、級地のなかでも、1級地-1、1級地-2、2級地-1のように細かく分類されている点が特徴です。生活扶助の基準額は、1級地-1が最も多く、3級地-2が最も少なく設定されています。
 

働いたら生活保護はいくらになる?

働いたり仕送りをもらったりして、収入が発生した場合、最低生活費から収入分の金額を引いた金額が、生活保護として支給されます。ただし、得た収入のすべてが差し引かれるわけではありません。
 
交通費や社会保険料などの実費の控除に加えて、収入額に応じた基礎控除が受けられます。収入が増えると、基礎控除も増加して、結果として、生活保護費を加えた生活費が増加します。
 

収入を得た際の申告方法

収入を得たら、申告が必要です。収入は、働いて得たものだけではなく、仕送りや年金なども含まれます。
 
収入申告書、資産申告書に必要事項を記入して、自分を担当しているケースワーカーに提出しましょう。提出方法は、直接持っていくか、郵送するか、自治体によっては、オンライン申請に対応しているところもありますので、確認してみてください。
 

収入の無申告は不正受給になる可能性も

生活保護受給者が収入を得る、あるいは内容に変化があった際に申告をすることは、生活保護法第61条で定められている義務です。無申告でいた場合、不正に受け取った分の返還を求められます。
 
さらに、返還をしないとか、意図的に不正受給をしていたなどの悪質な場合は、生活保護法第85条により、3年以下の懲役か、100万円以下の罰金が科される可能性もゼロではありません。なお、刑罰を受けても、返還義務はそのまま発生します。
 
こうした事態を避けるためにも、収入を得た段階で必ず申告しておきましょう。
 

生活保護受給中の収入は必ず申告しよう

生活保護受給中に働くことは、問題なくできます。そもそも制度自体が、自立を助けるためのものですので。ただし、収入があるにもかかわらず、無申告で生活保護を受給すると、不正受給になる可能性もあります。働いて収入を得たら、すぐに、収入申告を忘れずに行いましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 生活保護制度に関するQ&A
厚生労働省 級地区分(平成30年10月1日現在)
厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和4年4月)
デジタル庁 e-GOV 法令検索 生活保護法第六十一条・第八十五条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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