会社に「組合」があるけど、入った方がいいの?「組合費が天引きになる」以外のデメリットはある?

配信日: 2023.08.28

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会社に「組合」があるけど、入った方がいいの?「組合費が天引きになる」以外のデメリットはある?
会社の組合といえば、主に「労働組合」を指します。
 
なかには労働組合について、なじみがなく「加入すると会社との関係に悪影響があるのでは?」「政治的な活動をしているのでは?」といった、ネガティブなイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし労働組合は、労働者の立場を守るために重要な役割を担う、大切な組織でもあります。今回は、労働組合の概要についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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労働組合とは

労働組合とは「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」のことをいいます。
 
日本国憲法における労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を保障するために労働組合法が定められており、そのもとに結成される団体です。賃金交渉、労働環境の改善要求、ストライキの実行などができます。
 
しかし、労働組合と一口にいっても種類はさまざまで、その規模によって以下の4つに分けられます。

<労働組合の種類>

●単位組合・企業別組合……一つの会社の労働者が集まって結成される労働組合
●産業別組合……同じ産業に携わる労働者が、起業の垣根を越えて結成する組合
●ナショナルセンター……労働組合の中央組織で、全国的規模の取り組みの主導や、経営者側の全国組織・政府との交渉などが可能
●国際労働組合総連合(ITUC)……国際労働運動を代表する組織

上記のなかでも、とくに身近なのが「企業別組合」です。会社に企業別組合がなくても、外部の労働組合に加盟していれば労使状況の改善に向けた行動を起こせます。
 
しかし厚生労働省の調査によると、労働組合数や労働組合員数は、表1のとおり減少傾向にあることが分かりました。
 
表1

労働組合数 労働組合員数
2018年 24328 1008万8000人
2019年 24057 1008万8000人
2020年 23761 1011万5000人
2021年 23392 1007万8000人
2022年 23046 999万2000人

※厚生労働省「令和4年労働組合基礎調査の概況 結果の概要」をもとに筆者作成
 

労働組合に加入するメリット・デメリット

労働状況の改善に役立つ労働組合は、なぜ減少しているのでしょうか。それを理解するには、労働組合の持つメリット・デメリットを把握する必要があるでしょう。労働組合に加入するメリット・デメリットには、下記のことが挙げられます。

<労働組合に加入するメリット>

●要望を伝えられる……労働者の不満や苦情を会社へ伝えられる(相談窓口として機能する)、労働条件を改善できる、公正な評価のもと納得して働ける職場環境の実現に役立つ
●労働者にとって不利益を被る措置へ対抗できる……雇用の安定化に役立つ
●労使間の信頼関係を構築できる……労働組合が不満をくみ取って経営陣へ伝え、改善されることで、モチベーションアップ・人材定着率アップ・信頼関係の改善が期待できる など

<労働組合に加入するデメリット>

●労働組合に加入している間、組合費が給料から天引きされ、手取りが減る
●入社と同時に自動加入になる場合がある(ユニオン・ショップ協定)

ただし、「組合がどれだけ活動しているか」「経営側とどのような関係を築いているか」によってもメリット・デメリットは異なります。名ばかりの組合になっており、活動をしていないなら、デメリットが目立つことになるでしょう。
 
組合費や活動状況・社内の加入状況を見て、加入するかどうかを判断する必要があります。
 

労働組合に加入するかの判断は慎重に

労働組合は、労働者の権利を守る組織ではあるものの、無視できないデメリットもいくつかあります。とくに、毎月組合費が引かれてしまうことは、労働者にとって悩むところでもあるでしょう。労働組合への加入が従業員各自の意思にゆだねられている場合は、慎重に検討し、後悔しないよう判断する必要があります。
 

出典

厚生労働省「令和4年労働組合基礎調査の概況」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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