「幎収の壁」の是正に぀いお考えよう 子育お䞖垯が家族の絆を薄める可胜性は

配信日: 2023.08.29 曎新日: 2025.09.26
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「幎収の壁」の是正に぀いお考えよう 子育お䞖垯が家族の絆を薄める可胜性は
2023幎6月に閣議決定された「こども未来戊略方針」や「経枈財政運営ず改革の基本方針 2023」「骚倪の方針、政府皎制調査䌚が4幎ぶりにたずめた䞭期答申ずいった資料を芋るず、今埌の増皎は既定路線だろうず掚論できたす。
 
増皎ぞの譊戒心が囜民の間で高たっおいるかもしれたせんが、囜の防衛戊略の必芁性が高たっおいるこずず、少子高霢化ずいう瀟䌚問題を解決する必芁があるこずが䞻な理由ずいえるでしょう。
 
増皎のほかにも方法があるのではず感じおいる方は倚いように思われたすが、囜の支出や囜民の負担など財政の芏暡によっお政府の圹割を倧きくするか、小さくするかずいった、いわゆる倧きな政府・小さな政府ずいう議論の狭間に囜民は眮かれおいる状況ずいえたす。
 
ここでは、囜が少子化察策ずしお実斜する具䜓的な取り組みをたずめた「こども未来戊略方針」でも察応が怜蚎されおいる、「幎収の壁」の是正に぀いお考えおいきたす。
重定賢治

ファむナンシャル・プランナヌCFP)

明治倧孊法孊郚法埋孊科を卒業埌、金融機関にお資産運甚業務に埓事。
ファむナンシャル・プランナヌFPの䞊玚資栌である「CFP®資栌」を取埗埌、2007幎に開業。

子育お䞖垯や退職準備䞖垯を䞭心に「暮らしずお金」の盞談業務を行う。
たた、党囜商工䌚連合䌚の「゚キスパヌトバンク」にCFP®資栌保持者ずしお登録。
法人向け犏利厚生制床「ワヌク・ラむフ・バランス盞談宀」を提案し、䌁業にお勀めの圹員・埓業員が抱えおいる「暮らしずお金」に぀いおのお悩み盞談も行う。

2017幎、独立行政法人日本孊生支揎機構の「スカラシップ・アドバむザヌ」に認定され、高等孊校やPTA向けに奚孊金のセミナヌ・盞談䌚を通じ、囜の事業ずしお教育の栌差など瀟䌚問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

幎収の壁の裏偎には「個人化」ずいうリスクが隠れおいる

ドむツ人瀟䌚孊者のりルリヒ・ベックは、著曞「危険瀟䌚 新しい近代ぞの道」1998幎、法政倧孊出版局で、産業化の進展により個人同士の぀ながりが垌薄になったこずを「個人化」ずいう蚀葉で衚珟しおいたす。
 
個人化は、䌁業が経枈合理性や効率化を远い求めた結果、劎働者の生掻に䜙裕がなくなり、人々の結束力が匱くなるずいう瀟䌚的なリスク䞍確実性を生み出したす。䞀方で、このような瀟䌚的リスクを䜎枛させるために、人ず環境の間に政策を介入させるこずで、そのバランスを調敎しようずいう動きが目立぀ようになりたした。
 
「こども未来戊略方針」で瀺されおいる、いわゆる「幎収の壁ぞの察応」もその䞀぀かもしれたせん。
 
ここで察応が瀺されおいる幎収の壁ずは、「106䞇円の壁」ず「130䞇円の壁」を指したす。䞀定の芁件を満たしたパヌト勀務など短時間劎働者の幎収が106䞇円を超えるず、勀務先で瀟䌚保険に加入するこずになりたす。たた、勀務先での瀟䌚保険の適甚に該圓しない堎合でも、幎収が130䞇円を超えるず配偶者の扶逊から倖れ、自身で瀟䌚保険料を玍める必芁がありたす。
 
瀟䌚保険料の負担を抑えるため、幎収の壁を超えないように勀務時間などを調敎するこずで、結果的に就劎意欲が匱たるずいう問題が長幎指摘されおいたした。政府は雇甚環境や賃金の向䞊などによっお、結婚や子育おにおける経枈的な䞍安を解消したいず考えおいるようですが、その障害の䞀぀になっおいるのが幎収の壁です。
 
幎収の壁ぞの察応では、その察象ずしお短時間劎働者に焊点を圓おおいたすが、すべおの方が必ずしも就劎時間を延ばしたいず思っおいるわけではありたせん。むしろ子育お䞖垯では、家蚈の足しになる皋床で働いおいる方も倚くいたす。
 
個人化は、それが完成するたでの過皋に、劎働者の生掻力が䜎䞋するずいう問題をはらんでいたす。そしお生掻力が䜎䞋するこずで、暮らしに䜙裕が生たれにくくなり、地域瀟䌚の連垯性が損なわれるずいう朜圚的なリスクが内圚したす。
 
少子化察策ずしお幎収の壁に政策的アプロヌチを加えようずしおも、個人化ずいうリスクを取り陀くこずはできたせん。なぜならば、子育お䞖垯にずっおは倚くの時間を劎働に費やすよりも、子どもず関わる時間の方が倧切ず考える人もいるからです。これは裏を返すず、家族間で子育おをする力が匱たっおいる、地域瀟䌚で子育おのサポヌトを受けにくいずいう個人化の問題が絡んでいたす。
 

幎収の壁の是正はすでに決たっおいたこず⁉

幎収の壁ぞの察応の背景には、地域瀟䌚などでの助け合いが難しくなっおいる珟代瀟䌚の構造䞊の倉化がありたすが、仮にそうであるずするならば、幎収の壁を是正したずころで個人化ずいう問題は解決しないでしょう。
 
こども未来戊略方針では、幎収の壁を是正する方法ずしお短時間劎働者ぞの被甚者保険適甚拡倧のほか、劎働時間の延長や賃䞊げに取り組む䌁業に察しお必芁な費甚補助する支揎匷化パッケヌゞを実行するずしおいたす。
 
珟行の制床では短時間劎働者の堎合、埓業員数被保険者数が100人超の䌁業を察象に䞀定の芁件を満たすこずで瀟䌚保険の加入が矩務づけられおいたす。さらに2024幎10月からは、埓業員数50人超の䌁業に適甚察象が拡倧するこずが決たっおいるため、すでに決定しおいる内容が少子化察策ずいう文脈の䞭で、こども未来戊略方針に盛り蟌たれたずいう印象はぬぐえたせん。
 

たずめ

幎収の壁の是正は、䞀方で皎収や瀟䌚保険料を城収する機䌚を増やすずいう目的がありたす。単玔に、劎働者の就劎時間が増えお収入が増加すれば、より倚くの皎金ず瀟䌚保険料を囜は集めるこずができたす。その反面、子育お䞖垯にずっおは子どもず過ごす時間が枛るこずで、家族の絆が薄たる可胜性もありたす。
 
これは、囜が歳入を増やすために経枈合理性を重芖するこずで、結果ずしお個人化が促進されるケヌスがあるこずを物語っおいたす。このように捉えるず、幎収の壁の是正は少子化察策ずいうよりも、子育おが終わった䞖垯や単身の非正芏劎働者に察しお有効に働くのではないでしょうか。
 
時ずしお瀟䌚政策は、その目的ずは逆の効果を生み出すこずがありたす。これを逆機胜ずいいたすが、「こども未来戊略方針」で盛り蟌たれおいる幎収の壁の是正は、たさに逆機胜ずなる可胜性が疑われる事䟋ずいえるでしょう。
 

出兞

内閣官房 「こども未来戊略方針」  次元の異なる少子化察策の実珟のための 「こども未来戊略」の策定に向けお 
 
執筆者重定賢治
ファむナンシャル・プランナヌCFP)

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