更新日: 2023.09.05 子育て

シングルで「年収380万円」です。娘を大学に進学させたいのですが「無償化」は利用できるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

シングルで「年収380万円」です。娘を大学に進学させたいのですが「無償化」は利用できるのでしょうか?
令和2年4月から「高等教育の修学支援新制度」が始まりました。この制度は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校への進学を「無償化」するというものです。そこで、シングルで「年収380万円」の人が娘を大学に進学させたい場合、無償化を利用することができるのかを解説します。あわせて、制度の手続き方法についても説明していきましょう。
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高等教育の修学支援新制度とは?

どのような学校でも無償化になるわけではありません。対象となる学校は、国が一定の要件を満たしていると認めた大学・短期大学・高等専門学校・専門学校のみです。支援を受けるためには、「世帯収入や資産要件を満たしていること」「学ぶ意欲があること」の2つの要件を満たさなくてはなりません。
 
世帯収入によって第1区分・第2区分・第3区分に分かれ、区分ごとに支援の額が変わります。世帯収入の目安は、きょうだいの数や年齢などによって異なります。4人家族(本人が18歳、父が給与所得者、母が無収入、弟が中学生)で自宅外から私立大学に通う場合の目安は、「第1区分は~270万円」「第2区分は~300万円」「第3区分は~380万円」です。
 
給付型奨学金の支給額は、第1区分の場合「国公立大学は自宅通学で年額約35万円、自宅外通学で年額約80万円」「私立大学は自宅通学で年額約46万円、自宅外通学で年額約91万円」です。その他の区分については、第1区分の額と比べて、「第2区分の場合は3分の2」「第3区分の場合は3分の1」になります。
 
さらに、給付型奨学金の対象者に対しては、授業料・入学金のサポートも行われます。減免される授業料・入学金の額は、第1区分の場合「国公立大学は入学金約28万円、授業料は約54万円」「私立大学は入学金約26万円、授業料は約70万円」です。その他の区分については、第1区分の額と比べて、「第2区分の場合は3分の2」「第3区分の場合は3分の1」減免されます。
 
支援の対象者かどうかは、「独立行政法人日本学生支援機構」の公式サイトに設置されている「進学資金シミュレーター」で調べることができます。このシミュレーターに必要事項を入力して確認したところ、例に挙げたシングルで「年収380万円」の場合、支援の対象外でした。そのため、進学資金が足りない場合は貸与制の奨学金制度の利用を検討しましょう。
 

制度を利用するには?

給付型奨学金の場合、申請期間は「4月~」と「9月~」になります。ただし、申請の締め切り日は学校によって異なります。申し込む際は、マイナンバーが必要です。申し込みを行った後、通っている学校がJASSOに推薦します。選考後、対象者となれば4月分から支援がスタートします。一方、授業料・入学金の減免の場合、学校ごとに申し込みのスケジュールや書類が異なるため、注意しましょう。
 

「無償化」になるかどうかは「進学資金シミュレーター」で確認しよう

高等教育の修学支援新制度の対象者となれば、給付型奨学金の支給や授業料・入学金の減免といったサポートを受けることが可能です。今回、例に挙げたシングルで「年収380万円」の場合、支援の対象外のため、必要に応じて貸与制の奨学金を利用を検討しましょう。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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