ふるさと納税で被災地を支援しよう!―実質負担2000円で被災地には大きな寄付ができるって知ってますか?

配信日: 2018.08.26 更新日: 2019.01.07

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ふるさと納税で被災地を支援しよう!―実質負担2000円で被災地には大きな寄付ができるって知ってますか?
今年7月、西日本を襲った豪雨により、家を失ったり、亡くなられた方が大勢いらっしゃいました。この惨状を見て、「私も復興の義援金を出したい」「寄付をしたい」と思われた方もいるかと思います。
 
しかし、被災地への寄付は自分の生活費を削ることになります。寄付金控除があるとはいえ、とても大きな金額は出せないと思われた方も多いのではないでしょうか。
 
そこで、「ふるさと納税制度」を使って、被災地支援を行う方法を紹介したいと思います。
 
この方法なら、あなた自身が納税する所得税や、住民税を原資にした寄付が可能です。自己負担額は2000円で、何万円、十数万円の大きな寄付ができるようになります。
 
以下、順を追って、その方法と仕組みについて解説したいと思います。
 
浦上登

Text:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

ふるさと納税の基本的仕組み

まず、基本構図として、以前からのふるさと納税の仕組みを説明します。下の図を見てください。
 

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あなた=ふるさと納税者が、ある地方の自治体に「ふるさと納税」をしたとします。その後、自治体から寄付金受領書が送られてきますので、あなたはそれを添付して確定申告をします。
 
すると、以下の2つの税金控除を受けることができます。
 
(1)「(ふるさと納税額―2000円)×所得税の税率」で算出された額が、今年度にあなたが納めた所得税から還付されます。
(2)「(ふるさと納税額―2000円)×(100%-所得税の税率)」で算出された額が、翌年度にあなたが納める住民税から減額されます。
 
これにより、あなたは実質負担2000円で、ふるさと納税という寄付が可能になるのです。
 
上の図の場合、ふるさと納税先の自治体Bは、その地方の特産物などの返礼品をあなたに送付します。実質2000円で各地の特産物が手に入るため、とてもお得ですよね。
 
ふるさと納税先である自治体Bの「収入」は、ふるさと納税額全額に相当する寄付金です。対して、そのお礼として発送する特産物は、自治体Bの「支出」ということになります。豪華な返礼品を「支出」としても、自治体はふるさと納税額の半分以上を実質的な寄付金として使うことが可能です。
 

なぜ実質2000円でOK?じつは国とふるさと納税者の自治体が負担している

実質2000円の負担で寄付が可能となるふるさと納税。しかし、誰の負担によって成り立っているのでしょうか。ふるさと納税のお金の流れについてみてみましょう。
 
改めて、先ほどの図を見てください。この場合の実質的な税金負担の流れは次の通りになります。(図では、白抜きの矢印で示しています。)
 
(1)で示した、ふるさと納税者への所得税の還付分は国が負担します。
(2)で示した、ふるさと納税者の住民税からの減額分は、ふるさと納税者の居住地の自治体Aが負担します。
(3)残りの2000円はふるさと納税者であるあなたが負担します。
 
すなわち、ふるさと納税とは基本的に、国およびふるさと納税者の居住地の自治体の税収入を、ふるさと納税地として選ばれた自治体の税収入に付け替えるシステムなのです。
 
そして、このシステムを促進するために、ふるさと納税地の自治体はふるさと納税者に、地方の特産物を返礼品として送っています。
 

被災地の自治体にふるさと納税をするということは?

冒頭でお話しした、被災地の自治体へのふるさと納税は、この仕組みの上に成り立っています。
 
すなわち、本来あなたが国やあなたの住んでいる自治体に納める税金を、あなたの意志で被災地の自治体に回すということになるのです。
 
この場合、通常は、返礼品なしで行います。そのほうが被災地の自治体の実質受領額が増えるからです。
 

ふるさと納税で災害支援を行うメリット

ふるさと納税で被災地支援を行うメリットをまとめてみます。
 

1.募金や他の寄付金より、無理なく多額の寄付ができる

あなたの家庭が、夫・専業主婦・子一人(高校生)の場合、以下に示すように3万8000円から15万円の寄付をできることになります。(概算参考値です)
 
実質寄付額は減りますが、これらのうち約半額を返礼品つきの寄付にすることなども可能です。
 
夫・専業主婦・子一人(高校生)の家庭のふるさと納税限度額(概算参考値)
年収      ふるさと納税限度額
500万円      3万8000円
750万円      8万4000円
1000万円     15万円
 
※限度額は年収や家族構成などにより異なります。
 

2.支援先の地域を選ぶことができ、寄付金が直接自治体に届く

「義援金」は被災者の方々へ届きますが、届くまでに時間がかかることがあります。また、「支援金」は災害を支援する団体へ送られます。
 
これに対し、ふるさと納税は直接自治体に送金されるので、支援先の地域を選ぶことができます。かつ、自治体が所有する公共施設の再建築費用や修復費用等に使うことが可能です。
 

まとめ

ふるさと納税による災害支援は、「ふるさと納税によるポータルサイト」から通常のふるさと納税と同様に手続きが可能です。
 
また、先日の西日本豪雨だけでなく、大阪北部地震や2年前の熊本地震等以前の災害への支援も可能です。
 
支援の意志がある方は、この方法を試してみてはいかがでしょうか。
 
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
CFP ファイナンシャルプランナー

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