「児童手当」を全額受け取るといくらになる? 所得制限や今後の「扶養控除廃止」の可能性についても解説
配信日: 2023.09.16 更新日: 2023.09.19
そこで本記事では、児童手当を全額受け取れた場合にいくらになるのかについて解説するとともに、現行の所得制限と今後の見直しについても紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
児童手当制度とは
児童手当制度は中学校卒業までの児童の養育者に対して給付金が支給される制度です。支給金額は3歳未満が一律で月に1万5000円、3歳から小学校修了前までが月1万円、中学校の3年間は一律で月1万円となっています。第3子以降の場合は、3歳から小学校修了前までの支給額が月1万5000円です。
児童手当の支給総額
児童手当は生まれた月から支給されます。そのため、子どもの生まれた月によって総額が違うので注意が必要です。例えば、第1子と第2子の場合の総額は図表1のとおりです。
図表1
児童の生まれた月 | 児童手当の総額 |
---|---|
4月 | 209万円 |
5月 | 208万円 |
6月 | 207万円 |
7月 | 206万円 |
8月 | 205万円 |
9月 | 204万円 |
10月 | 203万円 |
11月 | 202万円 |
12月 | 201万円 |
1月 | 200万円 |
2月 | 199万円 |
3月 | 198万円 |
筆者作成
3月生まれと4月生まれでは11万円の差が出てしまいます。子どもが2人の場合は倍額です。もっとも、3月生まれだったとしても200万円近く児童手当を受け取れるのは養育者にとって大きな支援になっています。
現行の所得制限
基本的に、第1子と第2子については図表1の総額を受け取れます。しかし、現行の児童手当には所得制限が設けられているので、一定以上の所得がある世帯については支給額が減額されたり、支給されなかったりするので覚えておきましょう。支給額が減額されるのは所得制限限度額、支給されなくなるのが所得上限限度額をそれぞれ上回った場合です。
例えば、扶養親族が児童1人の場合は所得制限限度額が660万円、所得上限限度額が896万円です。収入額の目安としては前者が875万6000円、後者が1124万円となっています。
所得制限の廃止
岸田内閣は異次元の少子化対策として、児童手当の「所得制限の撤廃」や「支給期間を高校卒業までに延長すること」、「第3子以降の支給額を3万円にすること」などを挙げています。
そのため、前述の所得制限は廃止される可能性が高いです。所得制限がなくなればすべての児童養育世帯が児童手当を受け取れるようになります。また、支給期間の延長や支給額の増額などもうれしい変更点です。
扶養控除の廃止が検討されているので注意
しかし、手放しで喜べないところもあります。それが扶養控除の廃止が同時に検討されているという点です。
現行の扶養控除には「控除対象扶養親族」という区分があります。控除対象扶養親族は16歳以上19歳未満の親族です。この控除対象扶養親族の所得控除が児童手当の変更と同時に廃止されることが検討されています。
実際に児童手当の前身といえる子ども手当てが開始されたときには16歳未満の扶養控除が廃止となりました。そのため、児童手当の変更とともに扶養控除が廃止されるかも注視したいところです。
児童手当は1人あたり約200万円を受け取ることができ、今後は内容の変更が検討されている
児童手当は現行でも1人あたり約200万円を受け取れます。そのため、子育て世代の家計には大きな支えとなる制度です。また、今後はさらに所得制限の撤廃や支給期間の延長などが検討されているので、より多くの金額が支給される可能性があります。
しかし、制度の変更と同時に扶養控除については廃止されることも予想されています。結局は負担が大きくなることもあるので、制度の変更や扶養控除の廃止についてよく確認しておきましょう。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 主な税制改正について
内閣官房こども未来戦略会議 「こども未来戦略方針」~ 次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて ~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー