更新日: 2023.09.20 子育て

専門学校ってどんな学校? 進学にかかる費用はどのくらい?

執筆者 : 新美昌也

専門学校ってどんな学校? 進学にかかる費用はどのくらい?
専門学校への進学を検討しているものの、そもそも専門学校とはどんな学校か漠然としか分かっていない生徒も多くいるでしょう。また、進学を考えるうえでお金は避けて通れません。専門学校とはどのような学校か、進学費用はいくらなのか解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

専門学校とは

専門学校は、専修学校のうち高校卒業者を対象とした専門課程を持つ学校をいいます。専修学校には、ほかに、中学卒業者を対象とした高等課程、入学資格を問わない一般課程の3つの課程があります。
 
専門学校では、将来目指す職業に必要な技能を修得します。したがって、大学と異なり、座学よりも実習が中心になります。学べる分野は、(1)工業関係、(2)農業関係、(3)医療関係、(4)衛生関係、(5)教育・社会福祉関係、(6)商業実務関係、(7)服飾・家政関係、(8)文化・教養関係の8分野があります。
 
卒業すると国家資格が取得できる学科、卒業後一定の実務経験で国家資格取得できる学科、卒業と同時に国家資格の受験資格を取得できる学科などさまざまなパターンがあります。よく確認して進学しましょう。
 
大学を卒業すると「学士」、短期大学を卒業すると「短期大学士」という学位が与えられます。専門学校の場合、2年制以上の学科を修了すると「専門士」、4年制以上の学科を修了すると「高度専門士」という称号が与えられます。「専門士」は大学への編入資格、「高度専門士」は大学院の受験資格になります。
 
例えば、外国語の専門学校に2年間通い「専門士」取得後、大学の外国語学部に編入するということが可能です。
 
また、専門学校は都道府県知事などの認可を受けた学校ですので、通学定期の学割、国の教育ローンや日本学生支援機構の奨学金の利用が可能です。一方、無認可校はこれらの利用ができませんので、学校選択の際にしっかり確認することが大切です。
 
入学者選抜は、主に「AO入試」「推薦入試」「一般入試」があります。専門学校は都道府県の認可校なので、入試スケジュールは都道府県によって異なります。
 

●東京都の場合(2024年度)

●AO入試
エントリー:6月1日以降
出願受付:9月1日以降
●推薦入試
出願受付:10月1日以降
●一般入試
出願受付:11月1日以降

 
多くの専門学校では、早期に生徒を獲得するAO入試に力を入れています。中には、「エントリーをしてくれれば学費を割引する」という学校もあります。AO入試や推薦入試は、「合格したら入学する」ことを誓って受けるものなので注意が必要です。特にAO入試は学校長の推薦が不要なので、エントリーする前に必ず進路担当の先生に相談しましょう。
 

初年度納付金

専門学校の初年度納付金には、入学金、授業料、実習費、設備費、その他が含まれます。東京都専修学校各種学校協会「令和4年度学生・生徒納付金調査」によると、全分野(昼間部)の初年度納付金の平均は127万9000円となっています。
 
分野によって大きく差があり、医療関係分野の理学療法・作業療法学科は高度な医療機器などの設備費が高く、初年度納付金は177万6000円となっています。また、衛生分野の製菓学科では実習費が多くかかり、初年度納付金は173万3000円と高額になっています。
 
医療系は全般的に高めですが、看護学科は初年度納付金115万6000円と大学に比べ割安です。なお、2年次以降は初年度納付金から入学金を差し引いた金額が目安になるので、卒業までのおおまかな金額を確認しておきましょう。
 
その際、これら学費のほかにも、教科書代や教材費、材料費、研修費など別途必要な場合もあるので学校によく確認しましょう。これらの金額を入学してからたびたび徴収する学校もあり、資金繰りに苦慮する保護者もいます。
 

支払いのタイミング

初年度納付金と卒業までの総額を確認したら、次は支払いのタイミングを確認しましょう。
 
まずは、初年度納付金の支払いのタイミングですが、入学手続き時納付金は合格通知が届いてから1~2週間以内に納付するのが一般的です。納付額は学校によりさまざまですが、初年度納付金のうち入学金と前期分学費を入学手続き時に支払い、残りの後期分学費を入学後の秋に支払うパターンが多いです。
 
入学手続き時納付金を期限内に支払えなかった場合、合格しても入学できないので、合格通知を受け取ってから慌てて準備することのないように、入試方法とスケジュール、必要な金額についてしっかり確認しておくことが大切です。
 

お金が不足していたら

お金の不足分を賄う方法に「教育ローン」と「奨学金」があります。奨学金は進学後に振り込まれます。入学手続き時納付金など、進学前に必要なお金の不足分は教育ローンで賄います。
 
最も利用されている日本学生支援機構の奨学金には、返還が必要な「貸与型」と返還が不要な「給付型」があります。いずれも高校3年の5月頃に予約できます。進学希望先が対象校か確認することが大切です。
 
以上のことに留意して、お金の面もしっかり考えておきましょう。
 

出典

公益社団法人東京都専修学校各種学校協会 調査統計資料ほか 令和4年度学生・生徒納付金調査

文部科学省 支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧

 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

ライターさん募集