更新日: 2023.09.22 子育て

年々、上昇する大学の進学費用。国立・私立どれくらい値上がりしている?

年々、上昇する大学の進学費用。国立・私立どれくらい値上がりしている?
高校卒業後、より専門的な知識を求めて、大学に進学する人も多い中、大学進学に必要な学費が、実はここ数年、少しずつ値上がりしていることをご存じでしょうか。
 
今回は、国立大学と私立大学の現在の学費や、推移をチェックしていきます。年々、値上がりしていく学費をどのように準備したらよいかについても考えていきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

国立大学と私立大学の学費

まずは、最近の国立大学と私立大学の学費を見ていきましょう。
 
国立大学の一例として、東京大学の入学料・授業料は、学部共通して次のとおりとなっています。

<東京大学 入学料・授業料>

入学料     :28万2000円
授業料(年間) :53万5800円

 
一方、私立大学の一例として、慶應義塾大学の主な学部の初年度納付金は、次のとおりとなっています。

<慶應義塾大学 初年度納付金>

文学部   :137万3350円
医学部   :387万3350円
理工学部  :190万3350円
看護医療学部:191万5850円
薬学部薬学科:252万3350円

国立大学の学費は、私立大学に比べて安い傾向があります。また、国立大学は理系学部や医学部であっても学費は変わりません。一方、私立大学の場合、医学部や理工学部などの理系学部は、文系の学部に比べて、学費が高くなる傾向があります。
 

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学費は年々値上がり傾向

文部科学省の私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査内における「初年度学生納付金の調査結果」によると、私立大学の授業料は、ここ7年間、毎年わずかながら値上がり傾向がみられます。
 
私立大学の初年度納付金の対前年度増減率を同調査内で平成27年度以降からみると次のとおりとなっています。
 

<私立大学の初年度納付金の対前年度増減率>

平成27年度: 0.2%
平成28年度: 0.4%
平成29年度: 0.8%
平成30年度: 0.3%
令和元年度 : 0.4%
令和2年度 : 0.9%
令和3年度 : 0.2%

割り合いでみると、大きな変化にはみえません。しかし、金額でいうと平成26年度から令和3年度までに約4万8000円も値上がりしました。物価が上がるのと同様に、じわじわと学費も上がっていることが分かります。
 

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大学の学費を準備する方法とは?

これから大学進学を目指す小中学生以下のお子さんがいる家庭では、コツコツと大学の学費を準備していく必要があります。この値上がり傾向が続けば10数年後には、今よりもさらに学費が値上がりしている可能性が高いでしょう。そのためには学費だけではなく、世の中の物価の推移についても、注目しておくとよいでしょう。
 
学費や物価の上昇に対応するためには、ただ単に貯蓄をするだけではなく、資産運用にチャレンジするのもおすすめです。長期的に資産運用を行うことで、物価上昇分にも対応できる可能性があります。
 
大学の学費は、すぐに準備できるような金額ではありません。貯蓄や資産運用でコツコツと準備をしていきましょう。
 

まとめ

日本では、昨年から食料品や電気料金など、さまざまな商品やサービスの価格が上昇しています。ひいては大学の学費もさらに値上がりすることが考えられます。
 
将来、子どもの進学費用が足りないということがないように、ぜひ計画的にお金を準備していきましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 私立大学の初年度学生納付金等の推移(上記「学生納付金等調査結果について」より遷移)
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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