世帯年収「500万円」で余裕はありません。それでも「大学無償化」は受けられないのですか? どうすれば進学資金を用意できるでしょうか?

配信日: 2023.09.29

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世帯年収「500万円」で余裕はありません。それでも「大学無償化」は受けられないのですか? どうすれば進学資金を用意できるでしょうか?
令和2年4月から「高等教育の修学支援新制度」(大学無償化制度)が始まり、教育資金の負担を軽減できるようになりました。しかし、大学無償化制度は世帯収入や資産の要件があり、すべての人が対象となるものではありません。では、世帯年収が「500万円」の場合、大学無償化制度を受けられるのでしょうか。
 
本記事では、大学無償化制度の収入要件について解説するとともに、大学無償化制度を受けられなかった場合に利用したい制度について紹介していきます。
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大学無償化制度とは?

大学無償化制度は、「授業料や入学金の免除または減額」や「給付型奨学金の支給」といった2つの支援で成り立っています。
 
授業料や入学金の免除または減額では、対象者になると、国公立大学の場合は最大で入学金が約28万円、授業料が約54万円、免除・減額されます。私立大学では最大で入学金が約26万円、授業料が約70万円の免除や減額を受けることが可能です。
 
給付型奨学金の支給については、自宅通学で国公立大学の場合月額2万9200円、私立大学で月額3万3800円が支給されます。自宅外通学の場合は国公立大学で月額6万6700円、私立大学で7万5800円の支給です。給付型奨学金は返済する必要がないので、家計の負担を大きく軽減できます。
 

無償化制度の要件

大学無償化制度の対象となるには、以下の要件があります。
 

●世帯収入や資産の要件
●学ぶ意欲がある学生であること

 
世帯収入や資産の要件は、住民税非課税世帯もしくはそれに準ずる世帯であることとなっています。
 
年収の目安は4人家族の場合(例:学生本人が19歳から22歳、父が給与取得、母が無職、兄弟が高校生)、295万円以下であることです。世帯年収が300万円以下であれば上限額が支給される可能性が高いです。395万円以下の場合は上限額の3分の2、461万円以下の場合は上限額の3分の1の支給です。なお、年収目安は世帯構成やきょうだいの年齢・人数によって異なります。
 
学ぶ意欲がある学生であるかは、学業成績や大学進学後の成績、レポートなどを基に判断されます。
 

大学無償化制度を受けられなかった場合に利用できる制度

世帯年収が500万円の場合だと、世帯収入や資産の要件を満たしていないので大学無償化制度を受けられないことになります。その場合に教育資金を準備する方法としては、「貸与型奨学金」と「国の教育ローン」が考えられます。
 

貸与型奨学金

貸与型奨学金は給付型奨学金と異なり、返済が必要になる奨学金です。貸与型奨学金には無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。第一種奨学金と第二種奨学金にもそれぞれ家計の基準はありますが、前述のような家族構成であれば世帯年収が500万円の場合でも基準を満たします。
 

国の教育ローン

国の教育ローンで教育資金を準備することも選択肢の1つです。こちらも世帯年収について目安がありますが、前述のような家族構成で世帯年収が500万円の場合は要件を満たします。審査はそれ以外にもあるので必ず借りられるわけではないですが、利用を検討する場合は、まずは対象となるのかを確認してみるとよいでしょう。
 

大学無償化制度や他の制度を上手く活用しましょう

大学無償化制度は住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯を対象とした制度なので、年収が500万円の世帯は対象となりません。そのため、他の方法で教育資金を準備する必要があります。
 
なお、大阪府では独自の進学支援制度を進めており、今後は他府県でもそういった支援制度が拡充することが期待されます。国の制度も変わる可能性があるので、注視しておきたいところです。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 学びたい気持ちを応援します

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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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