ファミレスで料理を頼んだ後、食事に「コバエ」が入りました。交換してもらっても大丈夫なのでしょうか…? 料理の提供後だと難しいですか?
配信日: 2023.09.30
しかし、提供された料理にコバエなどが混入すると、事態は急変します。今回は、料理を頼んで提供されたあとに、店内を飛んでいたコバエが料理に入ってしまった場合、交換してもらえるのかどうかについて考えてみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
飲食店における苦情の割合について
そもそも、飲食店における異物混入の苦情は少なくありません。東京都福祉保健局によれば、令和3年度に寄せられた食品に関する苦情のうち、実に60%以上が飲食店に対するものでした。「定食屋・レストラン」は全体の6%で、居酒屋や中華料理店などと比較すると少ないものの、それなりの割合で苦情が寄せられています。
また、苦情の内容では「異物混入」が15.5%と、「有症」の26.5%についで多い数字です。虫の混入でもっとも多いのは「ゴキブリ」で、「ハエ」は虫の中ではさほど多くはありません。それでも、ファミレスなどの飲食店では、料理にコバエが混入してしまう可能性は十分にあります。
提供後の料理への異物混入は交換してもらえる?
もし、提供された時点でコバエなどの異物が混入していれば、交換してもらうことが可能です。
食品衛生法第6条には、有毒なものやそれが疑われるものの付着、不潔なものや異物の混入のある食品などを販売してはならないといった趣旨の記載があります。コバエはこれらに該当すると判断できるため、提供時の料理に入っていれば店側に交換を要請しましょう。
問題は、提供後の料理に、店内を飛んでいるコバエが入ってしまった場合です。一般的には、このケースでも料理の交換は可能でしょう。同じく第51条には、飲食店営業者は、施設内の清潔保持など衛生管理について定められた必要な措置を講じ、遵守しなければならないといった趣旨の記載があります。これは、昆虫の駆除も対象です。
また、令和3年6月には、衛生管理を徹底するための基準である「HACCP」が義務化されました。法的な罰則はないものの、飲食店はHACCPに沿って衛生管理を徹底しなければいけません。
提供されたあとにコバエが料理に入ったケースでは、店内にコバエが飛んでいたという環境に焦点を向ける必要があります。コバエが店内、しかも客が料理を食べるスペースを飛んでいる状況では、衛生管理が徹底されているとはいえないでしょう。食品衛生法やHACCPの義務化に鑑み、料理の交換を店側に申し出ても問題はないといえます。
柔軟かつ冷静な対応が重要
もし、ファミレスで料理にコバエが入ってしまったら、食べずに店員に伝えましょう。衛生管理上店側にも瑕疵(かし)がある事例とされるため、多くの飲食店では交換に応じてもらえるとみられます。もし、交換に応じてもらえない場合でも、とりあえず、料理は口にしない方が無難です。代金の支払いに関しては店側の対応次第といえます。
もしも交換にも応じてもらえず、代金の支払いも求められてしまった場合には、その場で適切だと思われる行動をとりましょう。しかし、大きな問題となると、店側としても客側としても、あまりよい結果とはならないケースが少なくありません。柔軟かつ冷静な対応を心がけ、のちに消費生活センターなどに相談をし、対応してもらう方法をとるのが賢明です。
ファミレスで提供後の料理にコバエが入ってしまっても交換してもらえる可能性は十分にある
ファミレスで虫が混入した料理が提供された場合は、当然交換してもらえます。提供後に、店内を飛んでいたコバエが料理に入ってしまった場合でも、交換してもらえる可能性は高いでしょう。
飲食店は、施設内の衛生管理を徹底する義務があるためです。コバエが飛んでいる状態は、その義務を果たしているとはいえません。店側に交換を申し出て、その場で適切な対応をしてもらい、必要に応じて消費生活センターなどに相談しましょう。
出典
東京都福祉保健局 令和3年度 苦情処理状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー