電車の「優先席」って座らないほうが良いですか? 運賃は同じだけ払っているはずですし、問題ないでしょうか?
配信日: 2023.10.01
ここでは、電車の優先席の概要や優先席をめぐる考え方を検証していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも「優先席」とは
電車の「優先席」とは高齢者や身体が不自由な人などが優先される席のことをいいます。以前の「シルバーシート」から「優先席」に名称変更することで、妊娠中の女性や小さい子ども連れの人など利用者の対象を広げることにも役立ちました。
優先席は電車以外の公共交通機関にも設置され、利用者同士の譲り合い精神を高めるなど精神面でのバリアフリー化の一端を担う取り組みとして期待されています。車内における優先席の案内はさまざまですが、ピクトグラム(絵文字や絵単語など)を使うことで優先席をイメージしやすくなっています。
健康な人が優先席に座るのは良くない?
電車の座席が空いているときは、優先席以外に座る人が多いでしょう。座席に余裕があるので、あえて優先席を使わなくても良いからです。
一方、満席状態になると事情が変わってきます。空席を探しているうちに優先席にも目が止まり、空いていたら座る人が出てくるでしょう。実際、満員電車のなかで優先席だけが空いていると、車内の混雑に拍車をかけるかもしれません。
「優先席」は「専用席」ではないので、健康な人が座っても支障がないとの考え方もあります。「指定席」のように別途料金が発生しないため、正規の運賃を払っている限り優先席に座っても問題ないともいえるでしょう。むしろ、優先席からの立ち退きを無理強いすると「強要罪」(刑法第223条)になる恐れがでてきます。
優先席に座っている人に譲ってほしいと頼むときや、第三者が声掛けするときは十分注意しましょう。
利用するときの心構えも確認しておこう
健康な人が優先席を利用しても大丈夫とはいえ、もしも優先席を望む人がいたら、いつでも譲れるような心構えが必要です。気付くのが遅くなるのを防ぐためにも、優先座席での居眠りやスマホ操作の熱中などは控えましょう。
ただ、優先席を譲るのは善意の気持ちからですが、なかには譲られて困惑する人がいるかもしれません。高齢者扱いされて憤慨されたり、妊娠中と間違われたりするのは典型的な事例です。そのため、自分が勧めた優先席を断られたとしても、相手の人に着席を強要しないようにしましょう。
もちろん、優先席を譲ることは大切な行為です。内臓疾患など、外からはわかりにくい病気や障がいを持っている人が少なくないからです。しかし、席を譲ってほしくても自分からは言い出しにくい人もいるでしょう。そのため、電車の優先席を利用するときはまわりの人を思いやる気持ちを持つと同時に、断られても落ち込まないことが重要です。
まずは優先席の意味を理解したうえで、必要な人に譲る気持ちを
電車の優先席は高齢者や身体障がいがある人などを優先する席であり、車内に居合わせた人が思いやりの心を持つことが大事なこともわかりました。また、席に余裕がある場合は健康な人が利用しても差し支えないといえます。
ただし、電車の優先席に座るときは、常にまわりの状況を確認することが大切です。そのうえで優先席が必要な人がいたら譲る気持ちを持ちましょう。
出典
国土交通省 優先席
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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