更新日: 2023.10.03 その他暮らし

【実録】不用品回収の見積もりが支払時になって7万円増!? 損しないために気を付けるべき「たった一つのこと」

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【実録】不用品回収の見積もりが支払時になって7万円増!? 損しないために気を付けるべき「たった一つのこと」
引っ越しを機に家具や家電、日用品などの「買い替え」を考える人は少なくないのではないでしょうか。新居に真新しいインテリアなどを配置して、華やかな新生活を迎える……。理想的ではあるものの、要らないモノを捨てるのにもお金がかかってしまいます。そこで気になるのが、「格安・無料不用品回収します!」という業者やサービスではないでしょうか。
 
30代のAさん(男性)もその一人。ある業者に不用品の回収を依頼したのですが、料金を巡ってトラブルになったといいます。後に消費者庁が社名を公開して注意喚起を呼びかけた、「要注意業者」のエピソードを伺いました。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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「定額パック」はウソ。3倍の料金を請求された理由とは?

都内在住のAさんは一人暮らしで、当時はアパートの3階にある1Kの部屋に居住していました。引っ越しを機に心機一転するため、長年使用していた洗濯機、テレビ、棚、ベッド、冷蔵庫といった家具家電の全て買い替えを決断。少しでも購入費用を捻出するため、格安の不用品回収業者に見積もりを依頼したといいます。
 
「ネットで『不用品回収』というキーワードで検索して、最初に表示されていた業者でした。不用品回収業者をまとめて紹介しているサイトでもおすすめされていましたし、定額パックで分かりやすい料金設計。しかもサイト内で『詐欺業者にご注意ください』といった注意喚起もあったので、PCで予約して当日を迎えました」
 
ちなみに、Aさんが利用した定額パックの売り文句は「ちょっとしたお片付け+大型家電の処分に最適! 目安:1.5平方メートル 軽トラ以上 買い替え等 1万5000 円」だったといいます。引っ越しの3日前に全て回収してもらうはずでした。しかし、不信感が募る出来事は業者が到着する前に起こったといいます。
 
「遅刻ですよ。しかも20分近くも遅れているにも関わらず、全く連絡もありません。しびれが切れてホームページに掲載されている電話番号にかけると、『前の回収が手間取っている』とのことでした。結局、回収スタッフから直接電話がかかったのは、約束の時刻から40分ほど経過してからでした」
 
遅れてやってきたのは、ジャージ姿の20代前半の男性2人だった。到着するとそのうち一人が回収する家具をチェックしながら電卓をたたき、もう一人が同時並行で家具・家電を運び出そうとしたといいます。Aさんの不信感はかなり高まっており「なぜ、定額パックなのに電卓をたたくのか?」と質問したところ、電卓をたたいていた男性は「定額パックは軽トラックの『平積み分』であり、重ねる場合などは別途料金がかかる」といいました。
 
「不用品回収業者を利用するのが初めてだったこともあり、『そんなものか』と最初は納得しそうになりました。ただ、男性が私に提示した見積額を見て『あり得ない』と確信しましたよ」
 
見積額はなんと、8万円でした。
 
「内訳を問い詰めると先ほどの『平積み料金+α』はもちろん、『階段料金(3階なので+2階分)』『不用品の大きさ的に事業廃棄になる』『処分料』など全く知らない項目が盛り沢山でした。私の家電も家具も全て単身用ですから、家族がいる人であれば数十万円くらいの見積もりになってもおかしくありません」
 
Aさんは慌てて家電を運び出そうとする男性を制止して、「利用しない」と拒否したといいますが、男性は「一度、トラックに載せたらキャンセルは受け付けない」と言い返してきました。結局、キャンセルはできたものの、Aさんは電子レンジなどの家電を自らトラックから運び出す羽目になりました。
 

余裕を持ったスケジュールが損しない重要項目

その後、Aさんは別日に他の業者に依頼したところ、合計8000円程度で全ての家具・家電を引き取ってもらえたといいます。
 
「人生で初めて、要注意業者と遭遇しましたね。そのなかで学んだのは、『なにかあっても断れる状況』をつくることです。同業者のGoogleのレビューには『見積もりよりも高かったが、引っ越しの期日が迫っていたので仕方なくお願いした』という意見が散見されました。不用品の回収って引っ越しギリギリにしてしまいがちなので、きっとそのような人たちを狙っていたのかな。とも考えています」
 
後にAさんが遭遇した業者は、消費者庁のニュースリリースで注意喚起として社名が公開されていました。消費者庁のホームページでは、注意喚起のほかに悪質商法などで行政処分を下された業者名を公表しています。業者選びは慌てて決めずに、こうしたサイトなどから悪質業者でないかの確認をしっかり行うようにしましょう。
 

まとめ

独立行政法人国民生活センターによると、2021年には不用品回収に関する消費者生活センターへの相談件数は2000件を超えています。

・不用品の処分は、お住まいの市区町村が提供する窓口に余裕を持って依頼する
・市区町村以外に不用品の処分を依頼する場合は、一般廃棄物処理業者に依頼する
・事前の見積もりとは異なる高額な料金を請求された場合は、支払いを断る
・トラブルになったときのために消費生活センターなどの連絡先を控えておく

上記などを備えたうえで計画的かつ慎重に不用品回収業者とコンタクトを取ることをおすすめします。
 

出典

消費者庁 ウェブサイト上で「お得な定額パック 定額パック料金は、全てが込み込みの料金」などの広告・表示をして不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者に関する注意喚起
独立行政法人国民生活センター 不用品回収サービスのトラブル-市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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