登山中に「遭難」してしまった! 救助費用は自費? 1日でいくらかかる? 遭難防止のポイントについても解説

配信日: 2023.10.03

この記事は約 4 分で読めます。
登山中に「遭難」してしまった! 救助費用は自費? 1日でいくらかかる? 遭難防止のポイントについても解説
登山中に遭難してしまった場合、救助費用にいくらかかるのかを知っている人は、多くはないでしょう。登山で遭難した事故の報道を見たり聞いたりすると、気になることもあるはずです。特に、登山を趣味にしている人ならなおさらでしょう。
 
そこで今回は、登山で遭難したときの救助費用について、登山をするときの注意点とともに、詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

登山で遭難! 救助にかかる費用を解説

登山による遭難での救助活動は、警察や消防による場合は基本的に無料です。例外としては、自治体によって防災ヘリの出動に費用がかかる場合があります。
 
例えば、埼玉県の場合は防災ヘリの出動に5分で5000円、1時間で6万円必要です。救助活動に民間企業が加わると、遭難救助費用が発生します。相場は、ヘリコプターによる捜索が1時間で50~80万円ほどであり、救助隊1人につき1日数万円必要です。このため、捜索の規模によっては1日に100万円を超える場合もあります。
 
遭難救助費用は、遭難者本人が負担するのが基本です。本人と連絡がとれない場合は、負担に同意すれば家族に支払い義務が生じます。この場合、もし遭難者が自力で下山してきても、家族が同意した限りは支払うのが義務です。また、民法による事務管理の規定(第697条)により、遭難者本人に救助の意志がなくても、遭難救助費用が発生する場合もあります。
 

無事に下山するために! 遭難を防止するポイントを紹介

登山での遭難を防止するポイントは、「無理のない計画を立てる」「登山前に情報を確認する」「登山届を提出する」「複数人で登山する」「適切な装備品を準備する」などです。
 
登山する場合は、経験・技術・体力を考慮した計画を立てましょう。理由は、入山から下山までのすべてが、自力での行動になるためです。また、暗くなると危険が増すため、明るいうちに下山できるように計画します。途中で休息がとれるように、時間にゆとりをもたせることも大切です。
 
登山前には、予定しているルートや当日の天候などの情報をしっかり確認しておきましょう。登山届を提出するのは、遭難を防止するための基本といえます。
 
なぜなら、登山届は捜索の手がかりになるとともに、早い段階での救助活動が期待できるからです。作成して、最寄りの警察署や警察本部の地域課などに提出します。単独での登山は、遭難した場合に助けを呼べない可能性があるため、できる限り避けましょう。
 
適切な装備をして登山することも、遭難防止にはとても重要です。山頂付近の気温はふもとに比べてかなり低いことが多いため、春山・夏山登山でも軽装は避け、必要なら防寒具も準備してください。風向きによって天候が急変する場合があるため、着替えや雨具も準備しましょう。
 
地図とコンパス、スマホなどの携帯電話は必須の装備です。場合によってはスマホ用登山地図アプリも併用してください。万が一に備えるため、照明器具、非常食、携帯電話の予備電源も必要です。GPS機能の付いた機器があれば、さらに安心でしょう。
 
なお、家族や友人、職場の同僚などに行き先や連絡方法を伝えておくことも、遭難した場合に生還する可能性を高めます。忘れずに実行しておきましょう。ちなみに、遭難したときの連絡先は110番か地元の警察署です。
 

万が一に備えよう! 登山保険について解説

登山保険に入っていれば、登山中に遭難した場合の救助費用などが補償されます。万が一に備えて入っておくのが賢明でしょう。登山保険には、「1日単位の掛け捨て」と「年間契約」の2種類があります。
 
1日の掛け捨ては、保険料が数百円で済むのがメリットです。補償額は最大で300万円ほどで、時々登山する程度の人に向いています。年間契約は、年に数千円~数万円が必要です。補償額は最大で500万円ほどで、登山届の提出により補償額が1000万円まで増額する保険もあります。1年に何度も登山する人向けです。
 

登山を楽しい思い出にしよう

遭難を防ぐためには、登山届の提出や必要な装備の準備など、いくつかのポイントがあります。しかし、それにもまして最も基本となることが、「山を甘く見ないこと」だといわれています。
 
春山や夏山だからといって、ろくに装備を持たなかったり軽装で登ったりするのは、自ら遭難を招いているようなものです。安全に見えていても、どこに危険が潜んでいるかわかりません。これは、たとえ低山だとしても同じです。決して山を甘くみることなく、登山を楽しい思い出にしましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 民法

政府広報オンライン 春山も天候の急変に要注意!山岳遭難を防ぐ3つのポイント

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集