更新日: 2023.10.06 その他暮らし

「新500円玉」が自販機で使えませんでした。大きさは変わらないのになぜですか?

「新500円玉」が自販機で使えませんでした。大きさは変わらないのになぜですか?
自動販売機で新500円玉を使おうとしたら、使用できなかったという経験がある人もいるのではないでしょうか。自販機などではまだ新500円玉に対応していないものも少なくないようですが、従来の500円玉と大きさは変わらないのに、なぜ使えないのでしょうか。
 
本記事では、新500円玉の概要や、なぜ新500円玉が使えないことがあるのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新500円玉について

新500円玉は、2021年11月1日から発行が始まった新しい硬貨です。旧500円玉がニッケル黄銅で作られているのに対し、新500円玉はニッケル黄銅のほかに、白銅と銅を加えた3種類の素材で作られている点が違います。重さは旧500円玉が7グラムであるのに対し、新500円玉は7.1グラムと、さほど変わりません。また、直径はどちらも26.5ミリメートルで同じ大きさとなっています。
 
なお、新500円玉には偽造を防止するためのいくつかの新しい技術が使われている点が特徴です。
 
まずは、「バイカラー・クラッド」と呼ばれる技術です。これは、2種類の金属板をサンドイッチ状に重ねる「クラッド技術」を用いた円盤を、「バイカラー技術」と呼ばれる、別の金属を使って作られたリングの中にはめ込む技法のことを意味しています。
 
また、硬貨の側面に施されている斜めのギザの一部を、ほかの部分と異なる形状にした「異形斜めギザ」というデザインが用いられている点も、新500円玉ならではです。財務省によると、異形斜めギザを大量に生産する貨幣に導入したのは、世界初の試みだといいます。
 
ほかにも、従来の500円玉で採用されていた見る角度によって文字が見え隠れする潜像技術や、模様の中央部に細かな穴を施す加工は、引き続き取り入れられています。このように、新500円玉には新技術とこれまでの偽造防止技術のどちらも採用されているのです。
 

新500円玉が使えない理由とは

新500円玉は従来の500円玉と同じ大きさであるにもかかわらず、自販機や券売機などで使用できなかった経験がある人もいるでしょう。これには、新500円玉を認識するための硬貨選別装置センサーの更新が必要である点が関係しています。
 
更新すれば新500円玉も使用できますが、そのための費用がかかることや、世界的な半導体不足などの影響があり、新500円玉対応の自販機や券売機の普及が遅れているのです。
 
また、キャッシュレス決済が進む今、新500円玉が今後どの程度流通するかも分からないため、費用をかけてセンサーを更新してまで変えるべきなのかどうか悩んでいるという事業者がいる点も、新500円玉対応の機械が少ない理由となっているようです。
 

新500円玉は自販機で使えない場合がある

自販機や券売機で新500円玉を使うためには、その自販機や発券機の硬貨選別装置センサーを更新する必要がありますが、半導体不足やコストの問題から更新が進んでいないという現状があります。
 
新500円玉対応の自販機や券売機が見つからず新500円玉を使用できない場合は対面販売のお店を利用する、新500円玉を入手したらあらかじめ別の買い物の際にくずしておくなど工夫しましょう。
 

出典

財務省 解説!新しい500円貨
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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