更新日: 2023.10.08 その他暮らし
加速する「映画館」の値上げ…あの頃と比べるとこんなに高くなっている
今回は、映画代の推移や、値上がりが起こる時代背景について、紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
映画館の代金はここ20年で高くなっている
映画代は、1992年以降、少しずつ高騰して、2023年には、2000円になりました。1回の映画鑑賞で2000円かかるとなると、気軽に観に行けないと感じる方もいるでしょう。ここでは、映画代高騰の変遷を、三つのポイントで確認します。
なお、いずれの金額も、現在のお金の価値に換算してあります。
1992年は1699円
今から約30年前、映画代は1699円と、比較的リーズナブルでした。
2016年には1800円に
映画代は少しずつ値上がりを続けて、2016年の時点では1800円でした。1800円となると、少し高めのランチ代に匹敵するため、少しためらいを感じる方も出てきたのではないでしょうか。
2023年には2000円に
2023年の6月頃から、大手の映画館を中心に、料金を2000円まで値上げする動きが見られました。2000円ともなると、学生が友達同士で行くにはためらわれる金額です。中学生の平均的なおこづかいの額が3000円程度といわれているため、2000円の出費は厳しいものでしょう。
映画代高騰の理由
映画代が高騰した背景には、最新設備への投資や、フードの原材料費なども関係していますが、実は主な要因に、光熱費の増大と、人件費の増大が関係しています。それぞれ詳しく解説します。
光熱費の増大
2023年6月から、多くの電気会社が料金を引き上げるニュースがありましたように、近年は、光熱費の増大が顕著に見られます。これは、ウクライナ情勢や、アフターコロナの社会復興により、輸入する化石燃料の価格が高騰していることが要因です。
光熱費の増大は、一般家庭のみならず、映画館をはじめとした商業施設の利用料金にも影響しています。
人件費の増大
日本労働組合総連合会が公表した「2023春季生活闘争 第4回回答集計結果」によると、国内企業は、2022年から賃上げが続いている状態です。とくに、22年から23年の賃上げ率は非常に高く、各企業において、人件費が高騰していることが分かります。
高くなっても行きたい! 映画館の魅力
国内には、映画をより楽しめるようにと、趣向をこらした映画館があります。ここでは、2種類の変わったシートをそれぞれ紹介します。
多人数で寝転びながら鑑賞できるシート
ボックス席で、2〜3人が寝転んで映画鑑賞できるシートを設けている映画館があります。フラットシートでゆったりとしており、友達や家族と一緒に楽しめる点が魅力です。
お二人さま専用シート
小さなお子さんや、介添えが必要な方と一緒に映画が観られる、ペアシートが充実した映画館があります。二人の間のひじかけは上げることができるため、ソファに座るような感覚です。カップルにはもちろん、お子さんの映画デビューにもぴったりでしょう。
まとめ
近年における光熱費や人件費の高騰を補うために、映画代は年々上昇していることが分かりました。1992年から現在までの約30年の間に、映画代は301円も高くなっています。しかし、各映画館も、ただ価格を上げるだけではなく、趣向をこらすことで、集客に力を注いでいます。大切なお金を払うからこそ体験できる映画館でのひとときに、じっくり浸りたいものですね。
出典
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)
小売物価統計調査10年報 平成3~12年平均 「9341映画観覧料」~「9391ビデオソフトレンタル料」
小売物価統計調査(動向編)2016年 1 調査品目の月別価格及び年平均価格【県庁所在市及び人口15万以上の市】 「9201 新聞代(地方・ブロック紙)」 ~ 「9362 フィットネスクラブ使用料」
日本経済新聞 主要映画館の5割「23年に値上げ」 2000円が主流に
日本労働組合総連合会 多くの中小組合が「賃上げの流れ」引継ぎつつ回答引き出し ~2023春季生活闘争 第4回回答集計結果について~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー