加速する「映画館」の値上げ…あの頃と比べるとこんなに高くなっている
配信日: 2023.10.08
今回は、映画代の推移や、値上がりが起こる時代背景について、紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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映画館の代金はここ20年で高くなっている
映画代は、1992年以降、少しずつ高騰して、2023年には、2000円になりました。1回の映画鑑賞で2000円かかるとなると、気軽に観に行けないと感じる方もいるでしょう。ここでは、映画代高騰の変遷を、三つのポイントで確認します。
なお、いずれの金額も、現在のお金の価値に換算してあります。
1992年は1699円
今から約30年前、映画代は1699円と、比較的リーズナブルでした。
2016年には1800円に
映画代は少しずつ値上がりを続けて、2016年の時点では1800円でした。1800円となると、少し高めのランチ代に匹敵するため、少しためらいを感じる方も出てきたのではないでしょうか。
2023年には2000円に
2023年の6月頃から、大手の映画館を中心に、料金を2000円まで値上げする動きが見られました。2000円ともなると、学生が友達同士で行くにはためらわれる金額です。中学生の平均的なおこづかいの額が3000円程度といわれているため、2000円の出費は厳しいものでしょう。
映画代高騰の理由
映画代が高騰した背景には、最新設備への投資や、フードの原材料費なども関係していますが、実は主な要因に、光熱費の増大と、人件費の増大が関係しています。それぞれ詳しく解説します。
光熱費の増大
2023年6月から、多くの電気会社が料金を引き上げるニュースがありましたように、近年は、光熱費の増大が顕著に見られます。これは、ウクライナ情勢や、アフターコロナの社会復興により、輸入する化石燃料の価格が高騰していることが要因です。
光熱費の増大は、一般家庭のみならず、映画館をはじめとした商業施設の利用料金にも影響しています。
人件費の増大
日本労働組合総連合会が公表した「2023春季生活闘争 第4回回答集計結果」によると、国内企業は、2022年から賃上げが続いている状態です。とくに、22年から23年の賃上げ率は非常に高く、各企業において、人件費が高騰していることが分かります。
高くなっても行きたい! 映画館の魅力
国内には、映画をより楽しめるようにと、趣向をこらした映画館があります。ここでは、2種類の変わったシートをそれぞれ紹介します。
多人数で寝転びながら鑑賞できるシート
ボックス席で、2〜3人が寝転んで映画鑑賞できるシートを設けている映画館があります。フラットシートでゆったりとしており、友達や家族と一緒に楽しめる点が魅力です。
お二人さま専用シート
小さなお子さんや、介添えが必要な方と一緒に映画が観られる、ペアシートが充実した映画館があります。二人の間のひじかけは上げることができるため、ソファに座るような感覚です。カップルにはもちろん、お子さんの映画デビューにもぴったりでしょう。
まとめ
近年における光熱費や人件費の高騰を補うために、映画代は年々上昇していることが分かりました。1992年から現在までの約30年の間に、映画代は301円も高くなっています。しかし、各映画館も、ただ価格を上げるだけではなく、趣向をこらすことで、集客に力を注いでいます。大切なお金を払うからこそ体験できる映画館でのひとときに、じっくり浸りたいものですね。
出典
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)
小売物価統計調査10年報 平成3~12年平均 「9341映画観覧料」~「9391ビデオソフトレンタル料」
小売物価統計調査(動向編)2016年 1 調査品目の月別価格及び年平均価格【県庁所在市及び人口15万以上の市】 「9201 新聞代(地方・ブロック紙)」 ~ 「9362 フィットネスクラブ使用料」
日本経済新聞 主要映画館の5割「23年に値上げ」 2000円が主流に
日本労働組合総連合会 多くの中小組合が「賃上げの流れ」引継ぎつつ回答引き出し ~2023春季生活闘争 第4回回答集計結果について~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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