更新日: 2023.10.13 その他暮らし

自治体から給付金の封筒が届き、対象者を確認せずに応募してしまいました。虚偽の申告でお金を受け取ってしまったらどうなりますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

自治体から給付金の封筒が届き、対象者を確認せずに応募してしまいました。虚偽の申告でお金を受け取ってしまったらどうなりますか?
自治体から送られてくる文書の中には、わかりにくい表現がされているものもあります。きちんと読まないと、内容を誤解してしまうこともあるでしょう。とはいえ、状況によっては思わぬ犯罪行為を疑われてしまうので注意が必要です。
 
今回は、給付金の対象者であると誤解して申告し、お金を受け取ってしまった場合はどのようになるのか、間違いに気づいたときの対策もあわせて解説します。
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給付金を受け取ると詐欺罪が成立する可能性が出てくる

虚偽の申告で給付金を受け取ったケースでいえば、令和2年(2020年)に発生した「持続化給付金詐欺」を記憶している人は多いのではないでしょうか。持続化給付金とは、新型コロナウイルスの感染拡大にともない売り上げが減少した事業者を対象にした、中小企業庁が所管する給付金制度のことです。
 
この事件は、共犯者とともに持続化給付金の要件を満たしているように見せて給付金をだまし取ったもので、裁判所によると、懲役3年(執行猶予5年)の判決が下されたようです。
 
きっかけが誤解だったとしても、自治体側にはその事実はわかりません。事実とは異なる内容で申告し、実際に給付金を受け取った場合は、詐欺罪が成立する可能性が高まります。
 

そもそも詐欺罪とはどのような要件で成立するのか?

詐欺とは「そうであるかのように見せて相手に錯誤させ、財物を受け取ること」です。ただし、詐欺罪として成立するには「故意によるもの」でなければなりません。つまり、はじめからだますという明確な意志があり、そのうえで相手を錯誤させ、お金などを受け取ったときに初めて成立する犯罪です。
 
今回のように、自治体からの書類をよく確認せずに内容を誤解し、給付金の申告をした場合は詐欺罪に問われる可能性は低いでしょう。だからといって、自分が対象者ではないことに気づいていながら給付金を受け取ったままでいれば別問題です。発覚すれば詐欺を疑われる場合もあります。
 

虚偽の申告に気づいたときの対処は?

誤解によって虚偽の申告をしたときは、気づいた時点ですぐに担当窓口に申し出ることです。誤解することは誰にもあり得ることで、故意に行った場合とは違います。
 
誤解したことを正直に伝えれば、自治体が申告を取り消すなどの対処をしてくれるでしょう。システムの問題や自治体のミスでそのまま給付金が振り込まれてしまったときは、再び事情を話して返還すればいいのです。
 
自分が気づく前に自治体から連絡があった場合は、その時点で速やかに返しましょう。相手から先に指摘されても、誤解に気づいて返還に従えば、通常は罪に問われることはありません。
 
いったん口座に振り込まれた給付金は、銀行が「組戻し」を行うことで返還することもあります。組戻しは受取人の承諾が必要ですし、口座にお金が残っていることが前提です。間違えて給付金が振り込まれたときは、使わずに返還要請に従いましょう。
 

間違えて給付金の申告をしたときは速やかに連絡を

給付金の虚偽申告は、詐欺罪に問われることもあります。ただし、故意に申告したものでなければ詐欺罪は成立しません。それでも、そのまま給付金を受け取って使うことがあれば、犯罪を疑われても仕方ないでしょう。
 
間違えて給付金を申告したときは、気づいた時点ですぐに申し出ることが大切です。すでに受け取っているときも速やかに返還する必要があります。
 

出典

裁判所 主文
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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