更新日: 2023.10.18 その他暮らし

価値観をデフレマインドからインフレマインドに変化させる必要あり! 今後の日本経済はどうなる?

価値観をデフレマインドからインフレマインドに変化させる必要あり! 今後の日本経済はどうなる?
物価が上昇しているから生活が苦しい、大変だという声を耳にします。総務省によると、日本の消費者物価指数(総合)は2023年1月で前年同月比4.3%、8月では前年同月比3.2%の上昇となっています。
 
日本では長らくデフレが続き、コロナ前は前年同月比で1.0%を超えれば物価は上がったという印象でしたが、おおむねそれを下回る水準で推移していました。その頃と比べると、確かに現在の物価は高いと感じるでしょう。
 
しかし、私たちが依然として肌感覚で基準にしているのはデフレであり、いわゆるデフレマインドを払い切れないために物価が高いと感じやすいのかもしれません。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

デフレマインドという価値観が規定する行動パターン

デフレマインドは端的にいうと、物価が低いことに慣れきってしまった感覚をいいますが、失われた30年とよばれる期間で、私たちは物価が低いことが当たり前という感覚を持つようになりました。
 
その原因は、直接的には賃金がなかなか上がらなかったことにあります。大きな枠組みでいうと、経済成長率がほぼ横ばいで推移してきたことがデフレマインドの社会経済的な背景といえます。
 
デフレマインドの下では、将来、賃金が上がらないと思ってしまうため、人々はモノを消費せず、お金を貯め込んでしまう傾向があります。経済学的には消費性向が低下し、貯蓄性向が上昇すると表現されますが、この結果、モノの価値が下がり、お金の価値が上がります。
 
こうした状況が長期間にわたって続くと、デフレマインドが固定化され、いつの間にか私たちは物価が安いのが当たり前と思うようになります。このような負のスパイラルが、デフレマインドの正体です。
 
図表1は価値観についての関連図ですが、感情や考え方などに基づく価値観は、道徳や倫理、社会規範といったルールのようなものに影響を受けていることを示しています。
 
図表1
 
図表1
 
筆者作成
 
デフレマインドという価値観は、社会経済などの影響を色濃く受けており、増税などの後ろ向きな政策を行ってきたために定着した金銭感覚ということができるでしょう。単純な理屈ですが、増税といった庶民の生活にとってマイナスになる政策を推し進めると、暮らしが悪化するというのは当然のことです。
 
また、知識(情報)としてモノの価値が下がり、お金の価値が上がるということが頭の中に入ってきます。そして、選択する技術(方法)は貯蓄となり、消費が控えられていきます。
 

日本の物価は、今後、安定的に上昇していく可能性がある

しかしながら、国は賃金の引き上げを積極的に行ってきました。現在の政権下でも賃上げが推進されています。通常、経済活動が活発になり、企業の売り上げや収益が増えると、労働者に支払われる賃金は上昇します。これが、自然な経済成長です。
 
現行は半ば強制的に賃上げが実施されていますが、企業の売り上げも伸びてきているため、今後、大企業を中心にある程度は賃金が上昇すると見込まれます。
 
このような傾向が中小企業などにまで広がれば、日本経済は自然に成長していくはずですが、それが実現されるにはもう少し時間がかかるでしょう。
 
歴史的に見れば、経済活動が活発化するほど物価は上昇していきます。日本の場合、バブルの絶頂期を境に国内の経済規模は拡大していきました。その過程で物価が上昇してきたわけですが、バブルの崩壊後、失われた30年で経済成長は鈍化し、物価の伸びは低位で推移してきました。それがここに来て世界情勢の変化も重なり、物価はこれまでと比べて上昇しています。
 
物価水準について日銀が目標に定めているのは、前年比の上昇率2.0%で安定的に推移させることです。2023年7月に開催された日銀の金融政策決定会合で示された「経済・物価情勢の展望」によると、2023年度の消費者物価指数(生鮮食品・エネルギーを除く)は前年度比3.2%(中央値)の上昇と予測されています。
 
また、2024年度は前年度比1.7%、2025年度では前年度比1.8%の上昇と推計され、2023年度の伸び率は比較的高く、2024年度以降は落ち着いて安定的に物価が上昇すると見込まれています。
 
ここから分かるのは、おおよそデフレからの脱却軌道が示されているということです。つまり、日銀の予測どおりに物価が推移した場合、目に見えて物価が少しずつ上昇するマクロ経済環境が整う可能性が高いといえます。
 
仮に日本の物価が今後、安定的に上昇していくならば、私たちはこれまで抱いていたデフレマインドをインフレマインドという価値観に変えていく必要があります。
 
インフレマインドという価値観で知識(情報)として取り入れていく必要があるのは、モノの価値が上がり、お金の価値が下がるということです。つまり、価値が上がるモノを所有し、価値が下がるお金を貯め込まないという技術(方法)が求められます。価値のあるモノにお金を使い、なるべくお金は貯めないということがインフレマインドという価値観をベースにした行動原理です。
 

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まとめ

価値観は、人それぞれを取り巻く環境に大きく影響を受けます。そして、人々は価値観に従って情報を選択し、行動します。
 
今まさに、デフレ経済からインフレ経済に経済環境が変わろうとしています。それに伴い、私たちの価値観はデフレマインドからインフレマインドへとシフトしていくことが予想されますが、こうした流れの中で最適な行動をとるために社会の変化を敏感にキャッチしていくようにしましょう。
 

出典

総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)8月分

日本銀行 金融政策 2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」

日本銀行 経済・物価情勢の展望(2023年7月)

 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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