更新日: 2023.10.20 その他暮らし

賃貸の「更新料」って理不尽すぎませんか? 普段「管理費」も払っているのに、なぜ払う必要があるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

賃貸の「更新料」って理不尽すぎませんか? 普段「管理費」も払っているのに、なぜ払う必要があるのでしょうか?
アパートやマンションなどの賃貸住宅には多くの場合、家賃のほかに管理費や更新料がかかります。建物の維持・管理のために管理費が必要なのは理解できても、更新料には首をかしげたくなる人は少なくありません。一体なぜ、管理費とは別に更新料を払う必要があるのでしょうか。その理由と、更新料を払わずに賃貸住宅を借りる方法を紹介します。
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更新料とは? 管理費との違いを解説

アパートやマンションなどの賃貸住宅では、2年に1回程度の契約更新が必要です。その際には、更新料の支払いが必要になる場合が多いです。では、管理費とはどう違うのでしょうか。
 

更新料とは

賃貸住宅の契約には、契約期間の延長が可能な「普通借家契約」と、契約期間満了時の退去が前提の「定期借家契約」があります。多くの賃貸住宅では「普通借家契約」が採用されていて、正当な理由がない限り貸主は借主が希望する契約更新を拒否できません。
 
更新料は、「普通借家契約」で賃貸住宅の契約(賃貸借契約)を更新する際に払う契約料です。更新料の金額は地域によって異なりますが、おおむね家賃の1ヶ月~2ヶ月分が相場です。なお、更新料に関する規定は、契約時に提示される「賃貸借契約書」や「重要事項説明書」に記載されています。
 

管理費とは

賃貸住宅の借主には、原則管理費が請求されます。管理費は、賃貸住宅の共用部分の維持・管理のために使われます。具体的な使い道は、共用部分の清掃代、浄化槽の保守点検のための料金、管理人の人件費などです。
 
管理費の金額は「賃貸借契約書」や「重要事項説明書」に記載されていて、家賃とは別に毎月請求されたり家賃に含まれたりしています。なお、金額の記載に関しては、予定額の場合もあれば最高額や最低額の場合もあります。
 

更新料が必要な理由とは

火災保険や生命保険などにも契約の更新があって、その際に契約内容の見直しができるのが大きなメリットです。ところが、賃貸住宅の更新では家賃の値下げ交渉ができるわけでもなく、一体なんのために更新料が必要なのかもよく分かりません。理不尽なようにも思える更新料は、なぜ必要なのでしょうか。
 

更新料が必要な理由

国土交通省が平成19(2007)年に賃貸住宅管理会社を対象に実施した調査では、更新料が必要な理由として「一時金収入として見込んでいる」と「長年の慣習」が有効回答117社中の62社と59社で1位と2位でした。
 
次いで「家賃が低い分の収入を確保(25社)」と「損耗を補修するための財源(24社)」が上位に入っています。この結果からは、多くの貸主が自分の収入の確保や慣習という、借主には関係がない理由で更新料を払わせていることが分かります。
 

更新料を払わずに賃貸住宅を借りる方法

更新料が必要な理由が「一時金収入として見込んでいる」や「長年の慣習」と聞くと、理不尽で納得できない人も少なくないでしょう。また、「損耗を補修するための財源」であれば管理費でもいいはずです。このような理由に納得できず、どうしても更新料を払いたくないのであれば、以下のような方法が考えられます。
 

更新料なしの物件を探す

賃貸住宅の中には更新料がない物件もあります。更新料を払いたくない場合は、不動産会社を訪れた際にその旨を伝え、更新料がない物件を紹介してもらいましょう。なお、更新料を請求している割合は地域によって大きく異なります。
 
前項目で引用した国土交通省の調査によると、神奈川県が90.1%、千葉県が82.9%、東京都が65%であるのに対して、大阪府と兵庫県は0%となっています。このような数値も参考にして賃貸住宅を探してみてもいいかもしれません。
 

トラブルを避けるためにも、払いたくなければ更新料のない物件を探そう

賃貸住宅の更新料に理不尽さを感じながら払い続けている人もいることでしょう。民法や借地借家法に更新料の規定はなく、法的には支払い義務はありません。とはいえ、「賃貸借契約書」に記載されていれば、支払い義務が生じます。
 
「賃貸借契約書」に記載されているのに支払いを拒否すると、退去を迫られる可能性があります。そのような事態を避けるためにも、払いたくない場合は更新料がない物件を探しましょう。
 

出典

国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
公益社団法人全日本不動産協会 更新料支払特約の有効性
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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