10月で「暖房」って早いですか?「気温19度」でつけるのはお金がもったいないような気がするのですが、何度からつけるべきでしょうか?
配信日: 2023.10.29 更新日: 2023.10.30
本記事では室温が何度まで下がったら暖房をつけ始めるべきか、暖房を24度くらいで8時間つけると電気代はいくらくらいになるかを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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健康的な室温は21度! WHOは18度以上を勧告
イギリスには住宅評価システムHHSRSというものがありますが、それによると健康的な室温は21度と定義されています。室温が19度まで下がると健康リスクが現れ始め、16度まで低下すると呼吸器障害など深刻なリスクが現れます。
急激な温度変化は体にかなりの負荷がかかるため、健康被害が出る恐れがあるので注意が必要です。WHO(世界保健機関)は冬の室温として18度以上を強く勧告しています。就寝中の室温にも気をつけましょう。
まだ10月だからといって暖房を我慢していると、住宅の断熱性能によっては室温が18度未満になる恐れがあります。就寝中は暖房を切る人が少なくないため、夜間にトイレを使用する際にヒートショックを起こすリスクが高まります。
特に気をつけたいのは、寒冷地ではない地域に住んでいる人です。意外に思われるかもしれませんが、寒冷地よりも温暖な地域の方が冬季の死亡率が増加する傾向にあります。
北海道は冬季の死亡増加率が最も低く10%ですが、香川県では21%、最も高い栃木県では25%と2倍以上も差が出ました。寒冷地と温暖な地域では、住宅の断熱性能や寒さ対策への意識が大きく異なることが、死亡率を大きく左右しているといわれています。
暖房をつけ始める時期の電気代は約1.2倍になる
エアコンの暖房にかかる電気代は対応畳数やメーカーによってもピンキリですが、最小消費電力100Wから最大消費電力4000Wくらいに納まるケースが多くなっています。1kWh31円で計算すると暖房1時間あたりの電気代は平均3円~124円で、8時間利用すると24円~992円近くかかる計算です。
ただし、自動運転時は室温が設定温度から下がると暖房がつくので、室温が安定している場合は上記で計算した電気代よりもかかりません。
昨年の2022年11月の二人以上の世帯の電気代を調査したところ、北海道で1万1604円、四国では1万2170円、関東では1万1343円でした(総務省統計局の家計調査より)。この金額に対して、2023年6月の二人以上の世帯の電気代は、北海道で9646円、四国で9924円、関東で9264円です。
暖房にガスや灯油を使用している人もいるため一概には言えませんが、暖房を切っている人が多い6月の電気代と比較すると約1.2倍となっています(暖房を入れる人が多い11月と、冷房を入れる人が多い7月の期間を考慮して、11月と6月のデータを比較しています)。
10月、11月にかけてはまだ本格的な寒さに突入する前なので、暖房を使用しても電気代が約1.2倍になるくらいで収まるでしょう。ただし、注意しなければならないのは、2023年9月使用分から政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の補助金額が半減されているという点です。
2023年1~8月までの補助金額から半減されたので、その分電気代・ガス代がかかります。さらに2024年以降は、現在の予定では補助が終了するため、2024年からは暖房費が家計を圧迫する恐れも出てきます。
とはいえ、暖房を我慢した結果、健康被害が出て病院を受診するようなことになると、それも高くつくことでしょう。呼吸器系の検査でレントゲン撮影をしたり、薬を処方されたりすると、想定しているよりも負担額は大きくなります。
特に高齢者は加齢にともない抵抗力が弱くなっていくので、暖房費を極端に節約するのは危険です。上述したHHSRSやWHOが勧告している室温を目安に、暖房を入れるようにしましょう。
暖房費を節約しすぎると結果的に高くつく可能性あり
本格的な寒さが到来する前は、暖房をつけるべきか悩むものです。しかし、暖房費を節約しすぎると健康リスクが高まり、暖房費以上に医療費がかかる恐れもあります。健康でなければ仕事を続けることも、日々の生活を営むことも難しくなります。健康は何事にも代えられないからこそ、極端に節約せず、無理のない範囲で暖房をつけるようにしましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 二人以上の世帯 2022年6月
総務省統計局 家計調査 二人以上の世帯 2022年11月
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー