車検代がもったいないなら、車は「3年おき」に買い替えるべき? 買い替え期間「3年」と「15年」で比較
配信日: 2023.11.03
購入後早期に買い換える理由は人それぞれだと思いますが、「車検代がもったいない」という理由で買い換えることは、本当に経済的なのでしょうか? 車検代を負担することなく新車に乗り続けられるので、お得なようにも思えます。
本記事では、実際に計算したうえで解説します。
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
車を3年で買い換えるメリット
まずは車を3年で買い換える場合における、経済的なメリットを見ていきましょう。
・買い取り金額が高い
・車検代が不要
・修理費用がほぼ不要
新車で購入後わずか3年しかたっていない車であれば、当然ながら5年後や7年後に売るよりも、中古車としての買い取り金額は高くなります。新車時の購入金額の50%を超える場合がほとんどであり、人気の車種であれば70%を超えることもあるほどです。400万円の車であれば、200万円から280万円で売れるということですね。
そして、本記事のテーマである車検代の負担もありません。車検代の相場は10万円前後となっており、車の大きさなどによっては20万円程度かかる場合もあります。
最後に、修理費用がほとんどかからない点もメリットです。車の修理の発生頻度は基本的に走行距離や経過年数に比例します。新車から3年であれば、事故などを除いて高額な修理費用が発生する可能性は低いでしょう。
買い換え期間3年と15年で比較
それでは、車の買い換え期間が3年の人と15年の人とで、生涯に支払う支出総額がいくら違うのか計算してみましょう。両者とも、生涯における車の所有期間は25歳から70歳の45年間とし、買い換える車は毎回400万円の新車とします。
買い取り金額は、買い換え期間が3年の場合は新車価格の50%と70%の間を取り60%で240万円、15年の場合は0円とします。買い換え期間が15年の場合、車検は3年、5年、7年、9年、11年、13年時にあるので6回受けることになり、1回当たりの費用は15万円と仮定します。買い換え期間が3年の場合は、車検代はかかりません。
車の購入金額 400万円×(45年÷3年)=6000万円
買い取り金額 240万円×(45年÷3年)=3600万円
車検代 0円
45年間の支出総額
6000万円-3600万円=2400万円
車の購入金額 400万円×(45年÷15年)=1200万円
買い取り金額 0円
車検代 15万円×(6回×3台)=270万円
45年間の支出総額
1200万円+270万円=1470万円
車の所有期間45年間で見た場合、買い換え期間が3年の人は2400万円、15年の人は1470万円支出する結果となりました。1000万円ほど、15年の人の方が支出が少なく済むことがわかりました。
ただ、15年の人の場合には車検代の他に修理費用がかさんでいることも考えられることから、プラス100万円以上は見ておいた方がよいでしょう。その場合でも1570万円で、15年の人の方が大幅に少ないことには変わりありません。
まとめ
車の買い換え期間が3年と15年では、本記事の計算においては1000万円近い差額となりました。「車検代がもったいない」という理由だけで3年で買い換える行為は、15年乗り続ける人に比べてお得になるとはいえないようです。コスト面だけからみれば、車検を通しながら少しでも長く乗る方がお得でしょう。
ただ、常に新しい車に乗れるなど、1000万円の差額にプライスレスの魅力を見いだせる人は、3年で買い換える方が「お得」になるのではないでしょうか。
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士