片づけの美学155 【失敗談】入れるモノを決めずにカゴと箱を買った後に起こったこと
配信日: 2023.11.06
「片づけのために」という思いで購入したのに、「使えなかった」という失敗が起こるのはなぜでしょう。カゴ・箱の買い方・使い方を知って、今後の対策をしましょう。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
なぜ起こる? 使えないカゴ・箱トラブル
「使えなかった」失敗の原因は、カゴや箱など、収納グッズを目的があやふやなまま購入しているからです。
目的がしっかり決まっていないまま購入すると、
・未使用のまま、ホコリをかぶっている
・中がスカスカで空っぽ
など、役に立たず、悲しい存在になってしまいます。
「とりあえず」で買ってしまったカゴや箱の使い道がイマイチで、満足できていないという方に向けて、
・新しく買うタイミングの見つけ方
・使いこなすコツ
をご紹介します。
カゴや箱を買うタイミングの見つけ方
新しく買うタイミングは、「具体的に決めてから」が鉄則です。使う場所、入れたい位置や数、サイズも測ります。
測る時は、縦・横・高さの最大値を調べます。「〇cmまでなら入る」と分かっていると、買い物先で自信をもって買うことができます。
具体的に決めていく手順の例
引き出しの中に食材を入れていると、「量・種類が増えて見つけづらくなった」「賞味期限内に使えない失敗も出てきた」という具体的な困りごとがあるとします。
次にどうしたいか理想を考えます。
→種類別に分けて、使う時に見つけやすくしたい。
そのための解決法を決めます。この場合、食材を何個のグループに分けて入れると便利でしょう。
一例ですが、
・だし系
・レトルト食品
・パスタや麺類
・乾物
・コーヒーなど飲み物
・ふりかけ
という6つのグループに分類したとします。
引き出しの中を6等分にするか、カゴの大きさを変えるか、またはグループを統合して入れるなど考えて、カゴの数を決定します。「今回は同じサイズのカゴ6つを買うのがよさそうだ」と結論が出たというように、実際に困っている場所の解決法になるカゴのサイズ・数を決めてから、新しく買うとムダが生じません。
カゴや箱の使いこなし方
・収納を小分けにしたい時
・モノが増えてきた時
カゴや箱を使う時、大きく分けるとこの2つが目的になることが多いのではないでしょうか。
<収納を小分けにしたい時>
大きい収納が使いづらいなと感じる時に重宝するのが、カゴ・箱です。収納をさらに小分けしたいときには、小さなサイズのカゴ・箱が便利です。ただ、分けすぎると「忘れてしまう」という新たな問題が生じます。
よく使うモノは細かな分類をしてもOK。時々しか使わないモノは、忘れる可能性があるので、大ざっぱな分類のほうが適しています。カゴ・箱でモノを分ける時は、「忘れてしまわないか」を判断基準にすると失敗が減ります。
<モノが増えてきた時>
「モノが増えた」という理由でカゴ・箱をどんどん増やすのはおすすめしません。とりあえず入れるだけだと、一時しのぎにしかならないからです。モノが増えてきたからカゴや箱を利用する時は、分類をさらに細かくすることを目的にしましょう。
例えば、文具が増えた→ペン類とそれ以外に分けるためにそれぞれを箱に入れる、といった感じで、カゴ・箱を増やしていきましょう。
なんとなく収納を買うことは控える
モノが増えてくると、収納が足りないと感じて、新しく買う必要性を感じてしまうものです。ただ、増えたモノが必要かどうか分けてみると、案外モノの量を減らせることができます。
なんとなく収納を買うのは控えて、今ある道具を生かす手段を考えてみましょう。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表