「ツタに覆われた家に住みたい!」そんな方必見の兵庫「緑化事業助成金」を解説
配信日: 2023.11.12
各都道府県も、いろいろな緑化事業を実施しているなか、今回は兵庫県の「県民まちなみ緑化事業」(以下まちなみ緑化事業)について見ます。
まちなみ緑化事業とは
兵庫県では、平成18年度から導入された県民緑税の一部を活用して、住民団体が実施する植樹や芝生化などの緑化活動の支援を行い、都市における環境の改善や防災性の向上等を目指し、「まちなみ緑化事業」に取り組んでいます。
「まちなみ緑化事業」では、NPOや自治会・婦人会・老人会などの団体が植樹を中心とした緑化活動に取り組む場合や、県民の方がまとまった面積の緑化を行う場合に、活動経費などの補助を行っています。
また、駅周辺の公共性が高い都心の緑化支援や、校園庭の芝生化でポップアップ式スプリンクラーを設置する際の補助額加算などの制度拡充も行っています。
まちなみ緑化事業の実績
県民の努力により、平成18年度から令和4年度までの17年間に、累計102万5210本の植樹と約96万7045平方メートルの芝生化が行われました。
令和5年度まちなみ緑化事業の内容は
令和5年度についても、まちなみ緑化事業は行われており、「ひょうご花緑創造プラン」に基づき、人口集中地区や市街化区域での緑化、校園庭の芝生化を実施しています。なお、この事業の対象となり補助を受けるには、以下の条件に当てはまる必要があります。
(1)対象者 ・住民団体(自治会、婦人会、マンション管理組合など)
・芝生化実行委員会(学校、PTA、自治会など)
(2)対象地域 ・都市計画区域、「さとの区域」、「まちの区域」など
(3)対象事業 ・住民団体(一般緑化、ひろばの芝生化、駐車場の芝生化、建築物の屋上壁面緑化)
・芝生化実行委員会(校園庭の芝生化、ひろばの芝生化)
また、個人・法人であっても以下の場合は対象となります。
(1)対象者 ・100平方メートル以上の緑化可能な土地を所有・管理する個人や法人
(2)対象地域 ・市街化区域、用途地域、市街化調整区域の特定指定区域等、条例のまちの区域など
(3)対象事業 ・一般緑地、校園庭の芝生化、ひろばの芝生化、駐車場の芝生化、建築物の屋上や壁面の緑化
なお、緑化を終えたら、計画的に維持管理を行い、長期的に維持管理に努めることが大切です。補助事業完了後5年間は、「維持管理報告書」を毎年提出する必要があります。
事業の対象となる施設
事業ごとの、対象となる施設は以下のとおりです。
(1)一般緑化の植樹の対象:公園、広場、マンション、学校などの敷地
(2)校園庭の芝生化の対象:学校の校庭や幼稚園・保育園の園庭
(3)ひろばの芝生化の対象:公園、広場、グラウンドなど
(4)駐車場の芝生化の対象:マンション、事務所、公民館、商業施設、工場の駐車場、月決め駐車場など
(5)建築物の屋上緑化・壁面緑化の対象:商業施設、オフィスビル、学校、幼稚園、病院、マンション、工場など
条件によりますが、一般緑化は最大400万円、校園庭の芝生化は最大800万円、ひろばの芝生化は最大400万円の補助金が出るため、かなり活動に着手しやすいといえます。
令和5年度まちなみ緑化事業の補助を受ける条件
上記の対象条件に加えて、以下の条件を満たすことも必要です。
(1)実施箇所が外部から見える、または、みんなが自由に立ち入れる場所であること
(2)法律や条例による緑化義務がないこと
(3)マンションや一戸建て住宅などの、販売を目的とした緑化でないこと
(4)補助金申請前に専門家による講習を受けること(住民団体、芝生化実行委員会で実施する場合)
(5)建築物の屋上・壁面は、「県民まちなみ緑化事業検討委員会」の事前審査が必要
(6)補助金交付決定前に着手した緑化工事は補助の対象外
まとめ
今回は兵庫県の「県民まちなみ緑化事業」について見てきましたが、各都道府県では、ほかにもいろいろな緑化事業が実施されていますので、興味がある方は自治体に問い合わせてみてください。
緑地が増えるには時間はかかると思いますが、緑化が進めば地域に憩いの場が増え、お住まいの地域がより住みよい環境になっていくかもしれません。
出典
兵庫県 平成18年~令和4年度県民まちなみ緑化事業補助実績
兵庫県 令和5年度県民まちなみ緑化事業
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表