お札をコピーすると「警報が鳴る」って本当!? 家庭用コピー機でもNG? しくみを解説

配信日: 2023.11.11

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お札をコピーすると「警報が鳴る」って本当!? 家庭用コピー機でもNG? しくみを解説
お札をコピーすると「警報が鳴る」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、実際に試したことがある人はあまりいないでしょう。
 
そこで、お札をコピーすると本当に警報がなるのか、また、鳴るとしたらなぜそのような警告がされるのかについて説明していきます。また、警報が鳴るしくみはどのようなものかについても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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お札のコピーは犯罪

まず大前提として、お札をコピーすることは法律で禁止されています。お札をコピーすることは、偽物のお金を作ることになってしまうからです。
 
刑法には通貨偽造罪(刑法第148条第1項)という犯罪が定められています。お札に似たものを作るだけで罪になり、たとえ精密なコピーでなくても犯罪になってしまうのです。無期又は3年以上の懲役という重い処罰が設けられており、重大犯罪だといえるでしょう。
 
コピー機の性能が向上し、精密なカラーコピーを気軽に取ることができるようになると、コピー機を使って通貨を偽造しようと考える人が出てきてしまいます。
 
かつては偽造を行う職人のような犯罪者が時間をかけて作っていた偽造通貨を、コピー機があれば誰でも作れるような時代が来てしまいました。これを野放しにしておくと、精密とはいえないまでも、一見本物と見分けのつかないコピーしたお札が出回ってしまう危険性もあります。
 
そこで、このような通貨を偽造・変造する犯罪を防止するために、コピー機でお札をコピーしようとすると警報が鳴るようになっているのです。また、警報が鳴らない機種であっても、エラー表示が出てコピー機が停止し、お札をコピーできないようになっています。
 
このように、お札をコピーしようとすると警報が鳴ったり機能が停止したりするのは、犯罪を防止する目的なのです。
 

お札のコピーで警報が鳴るしくみ

それでは、お札をコピーしようとすると警報が鳴るのは、どのようなしくみで実現しているのでしょうか。これは、お札に「ユーリオン」という模様があるからです。
 
ユーリオンは、紙幣の複写を防止する目的で日本のオムロン社が開発したものであり、同社が特許権を持っています。ユーリオンは世界的に採用されている技術で、1996年以降に発行された紙幣に多く見られるものです。
 
お札を拡大して見てみると、多数の丸模様が印刷されていることがわかります。これがユーリオンです。日本では、すべてのお札にこのユーリオンが使われています。コピー機がこのユーリオンを読み取ると、警報を鳴らしたり、エラー表示とともに機能を停止したりして複写を防止するのです。
 
この偽造防止技術は、コンビニエンスストアに設置されているコピー機に搭載されているのはもちろん、家庭用のコピー機にも備わっています。
 

トラブルにならないように注意しよう

お札をコピー機でコピーすることは犯罪です。場合によっては摘発され罰せられる可能性もあるので、絶対に行わないようにしましょう。また、コピー機でユーリオン読み取りによるエラーが出た場合、機種によっては簡単に使用を再開できないものもあります。
 
パスワードを知っている権限のある管理者がいなければ通常の使用ができなくなることもあり、トラブルに発展する可能性もあるのです。ちょっとしたいたずら心で試してみるようなこともしてはいけません。
 

出典

e-Gov法令検索 刑法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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