更新日: 2023.11.12 その他暮らし

お風呂の「残り湯」で洗濯すると、年間いくら節約になりますか? 細菌が「生乾き臭」の原因になる場合もあるのでしょうか…?

お風呂の「残り湯」で洗濯すると、年間いくら節約になりますか? 細菌が「生乾き臭」の原因になる場合もあるのでしょうか…?
物価が高くなっている今、毎日の生活を見直して「少しでも節約したい」と感じている家庭も多いことでしょう。さまざまな節約方法がありますが、お風呂の「残り湯」を洗濯に使うことは、代表的な節約方法の1つです。
 
そこで今回はお風呂の残り湯で洗濯すると、年間どれくらいの水道代を節約できるのかを試算します。残り湯を利用するためにかかる手間や注意点も解説します。

お風呂の残り湯で洗濯するメリットとは?

お風呂の残り湯を洗濯に使うメリットはいくつかあります。まず水道代の節約が期待できます。洗濯に残り湯を使うことで、新たに水道水を使う必要がなくなり、その分の水道代を削減できます。
 
また、ぬるま湯で洗うことで衣類の汚れが落ちやすくなるメリットもあります。特に冬場は水道水の温度も下がるので、より汚れを落としやすくなるでしょう。
 

年間で5184円節約できる

ライオン株式会社によると、洗濯の「洗い」にお風呂に残り湯を使用すると1ヶ月で約1800リットルの水が節水できます。
 
1リットルあたりの単価を0.24円とした場合、年間で1800リットル×0.24円×12ヶ月=5184円の水道代が節約できる計算になります。
 

残り湯を利用するには?

「年間5000円も節約できるなら、残り湯を洗濯に使ってみようかな?」と思っても、具体的にどうすればいいのか分からない人もいるかもしれません。ここでは、洗濯機に残り湯を入れる方法を紹介します。
 

バケツを使う

バケツを使ってお風呂に残ったお湯をくみ、洗濯機の中に入れるという方法です。1回分の「洗い」に使用する量を60リットルとすると、バケツ1杯約6リットルと考えても、10回はくまないといけません。時間も労力もかかります。
 
ただ、「1人暮らしで洗濯物の量が少ない」「たまにしか残り湯を使わない」という場合であれば、残り湯の利用にバケツを使用してもいいかもしれませんね。
 

バスポンプを使う

残り湯をくむ手間を考えると、バスポンプの使用がおすすめです。まずポンプ本体を残り湯の中に入れ、洗濯機の中にホースを伸ばして設置します。その後スイッチを押すと浴槽にたまった残り湯をポンプが組み上げて洗濯機の中に移してくれます。
 
バスポンプは3000円前後で購入できるので、コストもそこまでかかりません。
 

残り湯を利用する注意点

残り湯で洗濯する際、いくつか注意するポイントがあります。不適切な方法で残り湯を使うとかえって洗濯物を汚してしまったり、洗濯機の故障につながったりすることもあります。
 

入浴剤は使わない

残り湯を洗濯に利用したい場合、お風呂の入浴剤に注意しなければいけません。入浴剤の種類によっては洗濯機を傷めたり、衣類に色や香りが残ったりしてしまう場合があります。必ず入浴剤の注意書きを確認し、不安なら入浴剤は使用しない方がいいでしょう。
 

その日のうちに使う

なるべくお風呂に入ったその日のうちに残り湯を使いましょう。
 
株式会社衛生微生物研究センターの調査では、お風呂の水を入浴後一晩放置すると細菌数が数千倍に増えるとのデータがあります。残り湯の細菌の多くは人の体に由来するものであり、通常は病気の心配はありませんが、可能な限りその日のうちに使用する方が良いでしょう。
 
また菌が多く付着した洗濯物を乾かすと、生乾き臭の原因になることがあります。
 

「洗い」に使って「すすぎ」には使わない

「洗い」にのみ残り湯を使い、「すすぎ」は通常の水道水で行うのがおすすめです。水道水と比較すると残り湯には菌が多く含まれるので、衛生面が気になる人は水道水と使い分けると良いでしょう。
 

残り湯を使うことは節約になるが注意点も

洗濯の頻度にもよりますが、お風呂の残り湯を洗濯に使うと年間5184円の節約効果が期待できます。「水道代を少しでも安くしたい!」という人は、バスポンプを利用するなどしてお風呂の残り湯を洗濯に利用してみてはいかがでしょうか?
 
ただし、注意すべきポイントがいくつかあり、ポンプをセットするなどある程度の手間もかかります。必ずしも誰にとっても労力と節約効果が見合うというわけではないので、各家庭の事情に合わせて生活に取り入れてみてください。
 

出典

東京都水道局 節水について
株式会社 衛生微生物研究センター お風呂の残り湯は使ってもよい?
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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