更新日: 2023.11.16 子育て
早生まれは「11万円」の損!? 友人に「早生まれは児童手当が少なくてかわいそう」と友人に言われたけど、同学年なのに金額差があるのは不公平?
本記事では、生まれ月によって児童手当にどのぐらいの差があるのか、なぜ差が生じるのかについて解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
児童手当の支給額
児童手当は、中学校を卒業するまでの子どもを養育している家庭が受け取れる手当です。
児童手当の支給額は子どもの年齢によって異なり、子ども1人当たりの支給額は「3歳未満が月額1万5000円」「3歳以上から小学校卒業までが月額1万円(第3子以降は1万5000円)」「中学生が月額1万円」です。ただし養育者の所得によっては、減額されたり支給されなかったりすることもあります(2023年11月時点)。
児童手当の申請
児童手当をもらうためにはお住まいの市町村(公務員の場合は勤務先)に申請する必要があります。生まれた月からもらえるわけではなく、申請した次の月の分から支給されるのです。
例えば4月に子どもが生まれて4月中に申請した場合、翌月の5月分からの支給となります。つまり最短で0歳1ヶ月から受給できるのです。
4月生まれと3月生まれのケースで計算
児童手当は基本的にはすべての子どもに一律の額が支給されます。ではなぜ、「早生まれは損」といわれるのでしょうか? 実際に計算してみましょう。この計算は「第1子もしくは第2子」かつ「所得制限対象外」の場合を想定しています。
4月生まれの総支給額は209万円
4月生まれの場合、児童手当の総支給額は209万円となります。内訳は図表1のとおりになります。
図表1
筆者作成
3月生まれの総支給額は198万円
3月生まれの場合、児童手当の総支給額は198万円となります。内訳は図表2のようになります。
図表2
筆者作成
4月生まれと3月生まれでは11万円の差
4月生まれと3月生まれの総支給額を比べると、11万円もの違いが出ます。この差は、3歳になってから小学校に入学する前までの期間の差によるものです。
4月生まれは3歳になってから小学校に入学するまでの月数が「47ヶ月(3年11ヶ月)」であるのに対し、3月生まれは「36ヶ月(3年0ヶ月)」となっています。この11ヶ月分の受給額に差が生じ、「早生まれはもらえる児童手当が少ない」とされているのです。
まとめ
国の制度の仕組み上、早生まれの子は遅生まれの子と比較すると児童手当の支給総額が少なくなってしまいます。「同じ学年なのにもらえる額が少ないなんて」と不公平に感じる人もいるかもしれません。
しかし、例えば高校卒業と同時に自立すると仮定すると、4月生まれの子は3月生まれの子より早く生まれてきた11ヶ月分、お金がかかっているといえます。そのため、必ずしも「早生まれだから損」とはいえないと覚えておきましょう。
出典
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
執筆者:山田麻耶
FP2級