徳川家康は「麦飯」ばかり食べていたって本当?「白米」との違いや費用差を解説

配信日: 2023.11.18

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徳川家康は「麦飯」ばかり食べていたって本当?「白米」との違いや費用差を解説
麦飯といえば健康食というイメージが定着していますが、かつて白米が貴重品だった戦前戦後の日本では、「貧乏人の食事」などと呼ばれるほど粗末な位置づけでした。
 
しかし、さらに歴史を遡ると、実はあの徳川家康が麦飯を好んで食べていたという記録があるのをご存じでしょうか。本記事では、天下人の愛した麦飯に注目し、白米と比較した際の栄養価や費用の違いについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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倹約家で健康オタク? 徳川家康が麦飯ばかり食べていた理由

徳川家康の活躍した江戸時代初期の主食は、玄米に雑穀や大麦を混ぜたものが主流でしたが、貴重品ながら白米も食べられていました。とりわけ、江戸の町では庶民の間でも白米を食べることが一種のステータスとされていたようです。
 
しかしながら、将軍である徳川家康は大変な倹約家であったことで知られており、自ら率先して麦飯を所望したといわれています。
 
白米でなく麦飯を選ぶ理由は、少しでも節約しようという意図があったのと同時に、麦飯のもたらす健康効果についても理解していたと考えられています。麦飯は良くかんで食べる必要があり、それにより満腹中枢が刺激されるため、白米よりも腹持ちの良い食べ物です。人質だった幼少期から麦飯を食べて育った家康も、経験からそのことを良く知っていたのかもしれません。
 
また、家康は自ら漢方薬を調合するほど「健康オタク」だったという逸話もあります。しっかりかむことで腹持ちが良いだけでなく、胃や腸がうまくはたらき、体が元気になると実感していたのかもしれません。平均寿命が40歳に満たない時代に、75歳という長寿を全うしたといわれるのも納得できる話です。
 

麦飯と白米の栄養価や費用を比較してみよう

節約と健康の両面から、家康が好んで食べたといわれる麦飯ですが、実際栄養価はどれくらいあるのでしょうか。かかる費用も含め白米と比較してみましょう。
 
なお、ここでは大麦の一種である押し麦と白米を1対1の割合で炊いたものを麦飯として計算します。
 

・麦飯と白米の栄養価比較

炊いた麦飯100gあたりのカロリー137cal、糖質32.8g、食物繊維2.0g、カルシウム4.5g、マグネシウム8.5mg、ビタミンB1は0.03gです。一方、炊いた白米100gあたりのカロリー156kcal、糖質37.1g、食物繊維1.5g、カルシウム3mg、マグネシウム7mg、ビタミンB1は0.02gとなります。
 
カロリーや糖質は麦飯のほうが低めであるのに対し、食物繊維やビタミンB1、ミネラルの数値は白米を上回ることが分かりました。
 
なお、大麦には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれており、特に水溶性食物繊維である「βグルカン」は、腸の調子を整え、血糖値の上昇を緩やかにしたり血中コレステロールを正常化したりとさまざまな効果が期待できる成分として注目されています。
 

・麦飯と白米の費用比較

雑穀専門店の押し麦の平均価格が100gあたり約48円、白米の平均価格が100gあたり約26円として計算します。
 
麦飯は押し麦と白米が1合(150g)に75gずつ入っているとして、36円+20円で約56円です。炊飯したら約330gになるので、3.3で割ると麦飯100gあたり約17円の費用がかかるということが分かります。一方、白米は1合150gあたり約39円です。炊飯したら約330gになるので、3.3で割ると100gあたり約12円の費用がかかります。つまり、麦飯と白米の100gあたりの費用差は約5円で、麦飯のほうがやや高いという計算結果です。
 
白米が貴重だった昔に比べると、現在は逆転し、費用に関しては若干麦飯のほうが高くなってしまうことが分かりました。
 
とはいえ、その差の開きが少ないこと、麦飯は腹持ちが良いということを考えると、そうコスパは悪くないともいえるのではないでしょうか。例えば、白米だとつい早食いしてしまい、おかわりするなど結果的に量をたくさん食べてしまう可能性も考えられるからです。
 

家康を見習い、麦飯を取り入れてみよう

麦飯は、しっかりかんで食べることで満腹感を得られるだけでなく、胃や腸のはたらきを良くし、健康的な体づくりに欠かせない水溶性食物繊維が含まれています。
 
費用に関しては若干白米だけのほうが安くなりますが、その差はそれほど大きくはありません。健康オタクの異名を持つ徳川家康に見習い、いつもの食卓に麦飯を取り入れてみてはいかがでしょうか。
 

出典

文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
農林水産省 令和5年産米の相対取引価格・数量について(令和5年9月)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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