最寄り駅の人気・不人気で住む場所を選ぶ(3.東海道線方面)
配信日: 2018.11.23 更新日: 2019.01.11
どの街が人気なのかを判断するポイントはいろいろありますが、ここでは駅の乗車人員に着目してみました。
乗車人員の増減から資産価値のありそうな街、これから値崩れしそうな街等をいろいろ想像してみました。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
人気の武蔵小杉、狙い目は関内や石川町!?
3回目は「東海道線方面」の各駅を取り上げます。過去には「1.山手線」編や「2.中央線方面」も取り上げています。
下記の表は、JR東日本のホームページから駅別の1日平均乗車人員を調べ、路線ごとにまとめたものです。左端の順位は2017年の駅別乗車人員の順位です。乗車人員にどのような変化があったのか確認するため、直近の2017年だけでなく、5年前の2012年と17年前の2000年も載せてあります。
なお、ホームページに記載のない駅(無人駅等)やJR東日本以外の駅は調査していません。路線の呼称や表の記載順は正式なものとは異なるかもしれませんが、あまり気にしないで下さい。
※JR東日本の場合、乗車人員は乗車の人員のみで、降車の人員等は含まれていません。
表には京浜東北線の品川駅から大船駅までと、横須賀線の西大井駅から久里浜駅、東海道線の藤沢駅から熱海駅、伊東線の伊東駅の計48駅が載っています。場所は神奈川県の海沿いを中心とした、都心の南西側の地域です。
乗車人員の変化を2000年と比べると、都心寄りは増えている駅が多く、都心から離れた駅は減っている場合が多いです。
増えている駅で最も目立つのは武蔵小杉駅で、17年間で乗車人員が2倍(101.5%増)になっています。武蔵小杉駅の周辺は近年工場地帯から高層マンション地帯に劇的に変化しました。
新たな居住者が武蔵小杉駅の乗車人員を大幅に増やしています。
京浜東北線や東海道線、横須賀線は人気路線のイメージが強いですが、都心から離れた駅では、既に人口減少が始まっているようです。
京浜東北線の洋光台・港南台・本郷台は東京や横浜に乗り換えなしで通勤通学できる便利な住宅街ですが、長期的に減少傾向にあります。
横須賀線の東逗子から先でも同じことがいえます。田浦駅は29.1%減、横須賀駅も18.9%減と厳しい状況にあります。東海道線でも二宮駅より先は減っている駅が多く、特に真鶴駅は29.8%減、早川駅は22.4%減とこちらも厳しい状況にあります。
関内駅と石川町駅は、並行して走るみなとみらい線(横浜高速鉄道)の開業による影響が大きいと考えられますが、2012年と比べても減っています。
乗車人員の内訳をみると定期利用の乗車人員の減少率が定期外よりも大きいことから、この地域にある企業が他の地域へ移転しているのかもしれません。
今回取り上げた地域は魅力的な場所が多く、筆者も住みたいくらいです。資産価値や将来性に期待するよりも、住みたい場所にお得に住むことを考えた方が良いかも知れません。
これから住みたいと思っている人は、乗車人員が減っている駅を中心にお得で魅力的な物件に出会えるよう、情報をチェックしていきましょう。
Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者