更新日: 2019.01.10 家具・片付け

片づけの美学31 頂きものが捨てられない

執筆者 : 奥野愉加子

片づけの美学31 頂きものが捨てられない
友だちからもらったプレゼントや職場の先輩にもらったお祝いの品、義理の母からの旅行土産。とっても捨てづら~いものって色々ありますよね。
 
いつか家に招いたときに持っていないとまずいから捨てるわけにはいかない、とあなたは思っているかもしれません。せっかくくださったものだし、と思っているかもしれません。
 
そんな気持ちを整理して、スッキリしてみましょう。
奥野愉加子

Text:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

頂きものはどんどん増える

人からものを頂く機会はたくさんありますね。年齢を重ねるほど、そんな機会やライフイベントがあり、着々と頂きものは増えていきます。
 
例えば、子どものころは誕生日プレゼントや旅行のお土産、大人になったら結婚などのライフイベントのプレゼント。年賀状なんかも頂きものに入るかもしれません。
 
しかし、○○さんがくださったものだから、せっかくだから、と家の中にずっと置いておいては、いずれ家がパンクしてしまいます。気に入って使っているものはこれからも大切にしましょう。
 
でも、義務や義理を感じて気に入っていないものや使っていないものまで家に置いている方は、これを機に手放すことを考えてみてもよいのではないでしょうか。

贈り主のことを考えてみましょう

あなたが最後に贈り物をしたのは、いつ、どなたに、でしょうか?
 
わたしも回想してみましたが、父の日・母の日を飛ばすと、その前に誰に何を贈ったのかをとうとう思い出すことができませんでした。
 
というくらい、贈り主は渡してしまったものに関心がなくなるものではないでしょうか。誰に何を贈ったのかを覚えていないのですから、もはや使ってくれているかどうかなんて考える余地もありません。
 
贈り主にとってはものを選んで渡すことが大事で、相手が使ってくれているかどうかはさして重要なことではないのではないでしょうか。
 
贈り主からものを受け取り、お礼を伝えた時から、その「もの」はあなた自身のものになります。贈り主には失礼な言い方ですが、そのものをどうしようと、あなたの自由なのです。
 
ですから、「使わないと悪いな」などと考える必要はないということです。もちろん、贈ってくださった気持ちには最大限の感謝をしたいです。
 
ものとあなたの関係だけを考えると、あなたがものを気に入れば大切に使えばいいし、そのものを気に入らなければ処分してもいいし、誰かに譲ってもいいということなのです。
 
使いもしないのに、ずっと手元に置いている方が、ものにとっては不幸だと思いませんか。使ってもらってこそ、ものは活きるのです。

頂きものの行方

あなたが使わないものを使いたいと思う人は必ずどこかにいます。
 
使わない頂きものは、ちょっとひと手間ですが、フリマアプリなどを利用して手放してはいかがでしょう。未使用や箱ありだと特に高価格で買ってもらえます。
 
臨時収入にもなり、家にものも増えません。ただ、贈り主の方への感謝の気持ちと罪悪感が入り交じり、辛く感じるかもしれません。手放すのは、あなたの気持ちが整理できたタイミングがいいと思います。
 
また毎年たまっていく年賀状はルールを決めて保管・処分しましょう。写真やメッセージがあると処分しづらい気持ちはわかりますが、ずっと置いていたらきりがありません。1年分だけ、2年分だけなど自分でルールを決めると処分しやすくなりますよ。
 
頂きものが増えて悩んでいる方は、まず気持ちを整えて、ものをどうするか考えてみてください。気持ちさえ整理できれば、どんどん作業は進められるはずです。
 
 
Text:奥野 愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表