日本の美大で学費が高いのは「多摩美術大学」？ 国公立なら学費を抑えられるの？ 奨学金についても解説

絵画やデザインを学んでみたいという気持ちがある人の中には、美術大学への進学を志望している人もいるでしょう。しかし、一般的な大学の文系学部と比べると美大の授業料は高い傾向です。日本で最も学費が高い美大はどこで、どれくらいの学費がかかるのでしょうか。
 
また、反対に最も学費が安い美大はどこなのかも気になるところです。経済的な理由から美大への進学をちゅうちょしている人のために奨学金情報も紹介します。

日本の美大の中で最も学費が高い大学

日本の美大の中で最も学費が高いのは多摩美術大学です。多摩美術大学の学費は学科によって異なります。多摩美術大学の中で2024年入学者の初年度納付金が最も高い学科は彫刻学科の205万9000円、最も安いのはグラフィックデザイン学科と情報デザイン学科の194万5000円です。
 
多摩美術大学は､1935年に多摩帝国美術学校として東京都世田谷区上野毛に創設されました。キャンパスは上野毛と東京・八王子の2ヶ所です。絵画学科、彫刻学科、工芸学科、グラフィックデザイン学科、生産デザイン学科、環境デザイン学科、情報デザイン学科、芸術学科、総合デザイン学科、演劇舞踊デザイン学科が設けられています。
 
いくつかの専攻やコースに分かれている学科もあり、美術・芸術を幅広い視点から学ぶことができる大学です。卒業生はアーティストやデザイナーとして活躍しているほか、中学・高校・専門学校・各種学校の各教員や生涯教育の指導者になる人、企業のクリエイティブ職に従事する人もいます。
 
多摩美術大学出身の有名人はミュージシャンの松任谷由実、写真家の蜷川実花、現・東京芸術大学学長で現代美術家の日比野克彦などです。
 

日本の美大で最も学費が安い大学

日本の美大の中で最も学費が安いのは、愛知県立芸術大学です。授業料53万5800円と入学料28万2000円で81万7800円です。
 
また、長岡造形大学は授業料53万5800円と入学料28万2000円と実習料5万円で86万7800円ですが、長岡市内居住者なら入学金が14万1000円と、それ以外の地域に居住する人の半額になることから、長岡市内に住んでいる人なら最も安く入学できます。
 

経済的に就学が困難な場合の助けになる奨学金

美大に進学したいという希望はあるものの、経済的な理由から難しい場合は、奨学金の給付を受けるのも1つの手です。奨学金には日本学生支援機構奨学金のほか、地方公共団体や民間財団などの奨学金、大学独自の奨学金があります。
 
日本で最も学費が高い多摩美術大学は大学独自の奨学金が充実していることが特徴です。同大学独自の奨学金はすべて給付型で返還の必要がありません。
 
例えば、創立80周年記念奨学生は前年度の成績優秀者約30名に30万円、学業成績優秀者奨学金は前年度の成績優秀者約230名に20万円、特別優秀顕彰奨学金は学内外活動等で顕著な実績をあげた人約30名に10万円がそれぞれ支給されます。
 
このほかに、ワークスタディ奨学金、交換留学生奨学金、多摩美術大学校友会奨学金も学部生を対象とした奨学金です。多摩美術大学では授業料を減免する緊急支援制度、兄弟姉妹授業料減免制度も設けています。
 

学費が高い美大に進学したい場合は奨学金の受給も検討しよう

私立の美大は一般的に学費が高い傾向です。美術が学べる国公立大学だと学費は安いものの、私立の美大と比べると偏差値が高いため入学へのハードルが高くなるでしょう。
 
私立の美大に進学したいけれど経済的に厳しいという場合は、奨学金の利用を検討してみるのも1つの手です。私立大学では大学独自の奨学金制度が充実していることが多々あります。
 

出典

多摩美術大学 学費早見表
愛知県立芸術大学 学費
長岡造形大学 学費・奨学金
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー