更新日: 2023.11.28 その他暮らし
高齢になったら「運転免許証」は自主返納すべき? 返納の約60%は「75歳以上」! 維持費などはいくら浮く?
運転免許証を自主返納すれば、事故のリスクが減るのみならず、車の維持費も大きく減らすことができるなど、メリットも多くあるため、本記事で解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
運転免許の自主返納件数は令和4年で40万件以上
警察庁によると、令和4年の運転免許の自主返納件数は44万8476件にものぼります。中でも75歳以上の件数は27万3206件と、全体の約60%です。ちなみに、自主返納制度が導入された平成10年の自主返納件数はたったの2596件、運転経歴証明書が導入された平成14年には8073件でした。
その後、基本的には自主返納件数は増加傾向にあり、令和元年には60万件を超えています。そこから単年の自主返納件数は減ってきているとはいえ、現在も多く人が自主返納をしていると言えるでしょう。
運転免許証を自主返納するメリット
運転免許証を自主返納することで、さまざまなメリットが得られます。第一に、運転手として自動車事故を起こすリスクをなくせます。年齢を重ねるとどうしても身体能力や判断力が落ちますが、車を運転しなければ自動車事故を起こすことはありません。
また、車は保有しているだけでさまざまな維持費がかかります。運転免許証を返納すれば車も不要となり、車を手放せば維持費もかかりません。
とはいえ、これらは自主返納をしなくても、車さえ持たなければ得られるメリットとも言えます。自主返納をすることで得られる、事故や維持費以外のメリットは他にもあります。
具体的には、公共交通機関の割引が受けられる、商品券がもらえる、免許更新の手間がなくなるなど、さまざまなメリットがあります。
運転免許証を自主返納すれば、車の維持費なども40万円以上浮くかも
車の維持費は、車種や運転距離、メンテナンスの考え方などによって異なります。例えば、自動車税や自賠責保険料は、車を所有していれば一律にかかるもので、運転距離によって変わりません。
しかし、ガソリン代や定期的に交換が必要なエンジンオイル・タイヤなどは運転距離によって大きく費用が変わってきます。
今回は排気量1.5リットル、燃費は1リットル当たり15kmの自家用車の場合の維持費について見ていきます。この前提において、1年あたりの維持費は大まかに次のとおりです。
・自動車税:約3万5000円
・車検:約6万円(1回あたり12万円が2年に1回とする)
・自賠責保険料:約1万円
・任意保険料:約5万8000円(毎月4800円の12ヶ月分とする)
・メンテナンス費用:約1万円
・ガソリン代:約11万6000円(年間1万km走行し、ガソリン単価が173.5円とする)
・駐車料金:約1万円
あくまでも概算ですが、これらを合計すると維持費は年間で29万9000円です。
また、ここでの金額はあくまでも維持費だけで、車の本体価格は含まれていません。仮に150万円の車を購入し、10年間乗ったとすると、1年あたりで車本体の価格は15万円です。
これらを考慮すると、運転免許を返納し車を処分すると、車の維持費と本体で年間40万円以上は削減できる可能性があります。
運転免許証を自主返納する際の注意事項
車を返納すれば経済面で助かる面があるとはいえ、誰でもすぐに返納したほうが良いというわけではありません。
例えば、車がないと、多くの場合は代わりにバスや電車などを利用しますので、その分の支出は考える必要があります。また、住んでいる地域によっては車がないと生活できず、生活が不便になってしまうこともあります。電車やバスの本数が少なかったり、乗車場所まで遠くて車が必須だったりする場合も少なくありません。
さらに、いったん運転免許証を自主返納した後、やはり再取得したいとなった場合、初めて免許を取得する際と同じ手順を踏む必要があります。仮に自動車教習所に通えば20万円~30万円程度はかかりますので、注意が必要です。
まとめ
運転免許証を自主返納し車を手放せば、維持費などでかかっていた数十万円の支出を減らせるかもしれません。しかし、返納することで生活に支障が出てしまう人がいることも事実です。
自主返納するメリットやデメリット、そして返納後の生活を考慮したうえで、返納するかどうかを検討しましょう。
出典
警察庁 運転免許の申請取消(自主返納)件数と運転経歴証明書交付件数の推移
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査
国土交通省 自動車税
国土交通省 自動車損害賠償責任保険基準料率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー