マンション住まいで「電気自動車」の購入はデメリットが多い? 自宅で充電できなくても問題ないの? メリットについても解説
配信日: 2023.11.29
本記事ではマンション住まいの人が電気自動車を買ったときを想定し、デメリットだけではなくメリットもあることを解説するので、お悩み解決の参考にしてください。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
充電設備は基本的に設置できないと考えたほうがよい
持ち家の戸建てであれば電気自動車を充電するための設備を設置することは難しくはありません。一方、マンションの場合は、設備を設置する際には管理組合などの承認を得る必要があるので持ち家のマンションであっても障壁はかなり高くなります。
ここ数年以内に建設されたマンションの場合は電気自動車の充電ができるようにコンセントなどが設置されていることもありますが、築年数が経過しているマンションは基本的に後付けで充電設備を設置するのは困難だといえるでしょう。
ガソリン車も自宅で給油できないから一緒
「電気自動車を買う=自宅で充電をする」というイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、ガソリン車の場合は自宅で給油するのは危険性も伴いますから、最寄りのガソリンスタンドへ車に乗って行って給油するのが当たり前です。
電気自動車の場合、自宅に充電設備がなくてもカーディーラーや公共施設、ショッピングモールなどに急速もしくは普通充電の設備が用意されています。車の充電をするためにこれらの場所にわざわざ行くのは面倒にも感じられますが、その手間はガソリン車と全く同じということです。
ガソリン車の給油と比べると電気自動車は充電するのに長時間かかりますが、買い物などのついでに充電ができると考えればむしろ時間を効率的に使えるといえるのではないでしょうか。
メリットは多々ある
電気自動車を買うことを考えるとき、まず充電面のメリットやデメリットが気になりがちです。ただ、電気自動車はガソリン車と違った面での優遇措置があり、メリットも多数あるということを知っておきましょう。ここではその一部を紹介します。
税金面での優遇(2023年11月現在)
電気自動車を新車で購入した場合、購入費用や税金面で多く優遇されます。
例えば日産リーフを購入する場合、購入面では国の事業である「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」が適用され最大85万円の補助金を受け取れます。
さらに購入時にかかる環境性能割が免税、エコカー減税により自動車重量税が100%免税(3万円の減税)、登録翌年度の自動車税が半額の1万8500円になります。これだけでも約90万円の優遇が受けられます。これに加えてお住まいの自治体によっては独自の補助金が下りることもありますので、さらにお得感を得られるでしょう。
ランニングコストが安い
電気自動車はガソリン車と比べるとランニングコストを抑えられます。大きな部分ではエンジンオイルの交換が不要なので年間約8000円安くなります。
またブレーキパッドも回生ブレーキ(モーターを逆回転させることで減速できる機能)を多用できるため、従来の車よりもパッドの減りが少ないので交換回数が減りこの分のコストが抑えられます。
またガソリン車と比べると走行コストを抑えられ、日産リーフ40kWh(キロワット時)バッテリー車の場合、満充電にかかる電気代は1200円(東京電力スタンダードプラン、1kWhあたり30円で計算)で、1回の充電で322km(WLTCモード:国連で定められた測定方法)走行できるので、ハイブリッドカー(※)並みかそれ以上の走行が期待できます。
(※)プリウス(28.6km/L)との比較。レギュラーガソリン1200円分(1Lあたり160円換算で7.5L)で約214kmなので条件によっては電気自動車のほうが走行単価は安い。
まとめ
このように電気自動車を所有することについてはメリットもあります。マンション住まいだと充電面のデメリットが目立つように感じますが、車の使い方によってはガソリン車とほぼ変わらない使い方ができるのではないでしょうか。
出典
日産自動車株式会社 電気自動車、日産リーフ。補助金・優遇策
執筆者:宇野源一
AFP