行けなくなった公演のチケットは「転売」「保険請求」損をしないのはどっち?
配信日: 2023.11.30
当記事では、転売する場合と保険請求する場合と、どちらが損をせずにチケット代金をとり戻せるかをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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チケットを転売して代金をとり戻す方法
不要になったチケットは、正規および公式のチケット転売サイトに出品して売ることができます。チケットを売る場合は手数料が発生しますが、少しでも支払ったチケット代金をとり戻したい場合は、利用を検討するのもよいでしょう。
出品者側で負担する手数料には、出品料とシステム手数料などがあり、出品料が数百円、システム手数料は、売買代金の数パーセントから10パーセント程度となっており、それぞれ、転売サイトごとに決められています。
出品する際の手数料やルール、取り扱いジャンルなどが転売サイトによって異なるため、出品する際には複数の公式転売サイトを比較することをおすすめします。
また、出品するチケットは、イベント運営者の販売価格以上の金額で売ることは禁じられているためにできません。そのため、チケットの転売で利益を出すことを目的とせず、あくまでもチケット代金を少しでもとり戻す目的で出品する必要があります。
チケットを転売した場合のメリットとデメリットは表1の通りです。
【表1】
自己負担する費用 | メリット | デメリット |
---|---|---|
・出品(販売)手数料 ・売上金の振り込み手数料 ・購入者に商品を送る際に発生する送料 |
・利用にあたっての必要条件が 保険と比べて少ない |
・出品したチケットが売れるまで 購入代金がとり戻せない ・チケット購入時の金額で売れるとは |
筆者作成
チケット保険を請求して代金をとり戻す方法
チケットが不要になってしまった場合は、チケット保険を使用して支払った代金がとり戻せることがあります。チケットを購入する際に保険料を支払い、保険へ加入することで、チケットが不要になった際の条件を満たしていれば、チケット代金を請求できます。
保険の請求には、保険会社の指定業者からチケットを購入していることや、例えば交通機関の遅延証明など、チケットが不要になった理由を証明するなどの条件があります。条件を満たしていればチケットの購入代金が受けとれるでしょう。
また、保険をかけるための金額はチケット代金によって異なります。5000円のチケットであれば保険料は500円~600円、1万5000円のチケットであれば保険料は1100~1200円程度が目安となります。
ただしチケット購入時に保険をかけていない場合は、利用ができないため注意が必要です。またチケット保険のメリットとデメリットは表2の通りです。
【表2】
自己負担する費用 | メリット | デメリット |
---|---|---|
・保険料 ・必要書類をそろえるための発行手数料や交通費 ・保険請求書類を送る送料など |
・条件がそろっていれば確実に チケット購入代金がとり戻せる |
・チケットが不要になった理由を証明する必要があるなど、請求には諸条件を満たす必要がある
・チケット購入時に保険へ入っていない |
筆者作成
転売と保険とではどちらが損をしない?
転売サイトでチケットが売れた場合と、保険を利用して購入代金が返ってきた場合と、どちらがお得になるのか比較してみます。
はじめに、1万円のチケットを転売した際にかかる費用ととり戻せる代金についてみていきましょう。チケットを定価で販売した際にかかる自己負担額は以下の通りです。
・出品料:200円
・システム手数料(出品の10%):1000円
・購入者に送る送料:434円(簡易書留)
合計で1634円かかることになるため、チケットが1万円で売れた場合は、これらを差し引いて8366円が手元に返ってくることになります。次に、1万円のチケットの購入時に同時に加入した保険へ、請求することでいくら返ってくるのか、みていきましょう。
当日、電車の遅延によりイベントに行けなくなったと仮定した場合にかかる自己負担額は以下の通りです。
・保険料:870円
・必要書類を送る送料:520円(レターパックプラス)
※チケット代金を請求する際に必要となる電車の「遅延証明書」は、駅にて無料で受け取ることとします。
1万円のチケット代金が返ってきた場合、上記を差し引くと8610円になります。よって1万円のチケットが不要になった場合は、チケット保険の方が244円お得であることが分かりました。
損を少なくするのならチケット保険
急な用事や交通機関の遅延といった事態によりチケットを使用することがなくなった場合は、転売よりも保険のほうがお得です。
またチケット保険のなかには、病気やけがが原因でコンサートへ行くことができなかった場合に必要となる「診断書」を取得する際に、上限3000円まで負担してくれるなど、手厚いサービスが受けられる場合もあります。
一方で正規および公式のチケット転売サイトでの転売は、利用するための条件が少なく、手軽に売れる点が魅力です。また販売手数料が安ければ、保険よりもお得になることもあるでしょう。
コンサートへ行けなくなった理由によっては、正規および公式のチケット転売サイトでの転売またはチケット保険においてお得な手段が異なるため、利用した際にいくら返ってくるのか、双方とも確認しておくことをおすすめします。
出典
デジタル庁 e-GOV法令検索 平成三十年法律第百三号 特定興行縫う条件の不正転売の禁止等による興行入場券の適性な流通の確保に関する法律 第二章 特定興行入場券の不正転売等の禁止(特定興行入場券の不正転売の禁止)第三条
文化庁 チケット不正転売禁止法及び特定興行入場券の要件について チケット不正転売禁止法とは
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