更新日: 2023.11.30 その他暮らし
恋人と娯楽費が「月5万円」も違います。結婚後の不仲の原因「金銭感覚差」のレッドラインでしょうか?
実際に、裁判所にも金銭感覚がズレていることを理由に、婚姻関係事件が持ち込まれています。お金に関するストレスを軽減するためにも、可能な範囲で金銭感覚をすり合わせましょう。
そこで本記事では、金銭感覚のズレに関するアンケート調査の結果や、価値観のすり合わせ方に関して解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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金銭感覚のミスマッチは危険
ウェブスターマーケティング株式会社(東京都渋谷区)は、2021年11月に彼氏に冷めた経験がある女性500人を対象とした「気持ちが冷めた瞬間に関するアンケート調査」を行いました。
彼氏への気持ちが冷めた瞬間で「金銭感覚の違い・借金」という回答が4位にランクインしており、お金の問題は良好な関係を継続するうえで重要であることが分かります。具体的には、「デート代が1円単位で割り勘のとき」「お金の使い方が自分にとって非常識だったとき」に気持ちが冷めてしまうことがあるようです。
付き合っているうちに、「何だか、お金の価値観が違うな」と感じたら要注意です。もし違和感を放置したまま結婚すると、お金の問題が離婚に発展するリスクがあります。実際に「令和2年度婚姻関係事件数」では、婚姻関係事件の申立てを動機として「浪費する」を挙げた人が多くいます。人数は夫で1883人・妻で4020人となっており、妻が夫に対して「無駄遣いをしている!」という怒りを抱えているケースが多いようです。
金銭感覚のズレは将来への不安につながる
今回の相談者であるAさん(女性)は、彼氏との金銭感覚のズレで悩んでいるそうです。いろいろと事情を聴取したところ、毎月の娯楽費に充てる予算が5万円もズレていることが分かりました。
「私も、自分の趣味や娯楽を楽しむための時間とお金は必要だと思います。ただ、将来に備えてある程度貯金もしたいと考えているため、今の彼氏と交際を続けるべきか、悩んでいます」と語っています。
Aさんの毎月の娯楽費に充てる予算は3万円で、Aさんの彼氏は8万円も使っています。Aさんの彼氏が「高給取り」で、毎月8万円を娯楽費に割いても十分に貯金ができているようであれば、特段問題はありません。
しかし、Aさんの彼氏の年収が「平均並み」の場合、いささか将来に不安を抱えてしまうでしょう。Aさんからすると「そんなものにお金を使うんだったら、将来のために貯金してくれ」と感じるのも無理はありません。
金銭感覚を近づけるための方法
金銭感覚のズレを放置すると、ろくなことがありません。例えば、結婚後に一方が「新車が欲しい」と考えても、もう一方が「新車なんてもったいない。子どもの教育資金のために貯金したほうがいい」と主張すれば、衝突が起きます。
結婚という将来を見据えているのであれば、早い段階から金銭感覚のズレを解消することが重要となります。お互いの金銭感覚や予算に対する考えを話し合い、できるかぎりすり合わせることは良好な関係維持に欠かせません。
もしお互いに「将来的には結婚を視野に入れている」のであれば、お金の問題は避けて通れません。「お互いに娯楽費の予算は3万円までにする」「子どもが生まれるまでは毎月5万円使ってもOK。子どもが生まれたら毎月3万円に収める」など、お互いに納得できる落としどころを探りましょう。
あわせて、政府機関や金融機関の資料を参考にしながら、必要となる教育資金・老後資金などの目安を共有することも大切です。現実的な数字に落とし込み、長期的な貯蓄目標や資金計画を立てることで、Aさんの彼氏の浪費を戒める効果が期待できます。
いずれにしても、お互いの考えや価値観を話し合い、歩み寄れるかどうかを判断してみてください。
まとめ
夫婦関係や恋人同士が円滑な関係を保つうえで、金銭感覚が合っていることは欠かせません。交際している間に相手の金銭感覚は大体把握できますから、結婚を見据えているのであれば、お金について話し合う機会を設けるとよいでしょう。
違和感を放置して将来的に結婚に至った場合、日々の金銭感覚のズレが原因で離婚へつながることは往々にしてあります。金銭感覚をはじめとした、お金の問題でもめないことが、ストレスのない人生と良好な夫婦関係につながります。「相手の金銭感覚についていけるか」「お互いに納得できる落としどころはあるか」を考えて、最適な判断を下しましょう。
出典
裁判所 司法統計 家事 令和2年度 19 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所
ウェブスターマーケティング株式会社 気持ちが冷めた瞬間に関するアンケート調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー