更新日: 2023.11.30 子育て

世帯年収「600万円」で子ども3人を大学に進学させたいですが、難しいでしょうか?「大学無償化制度」を使えば問題ないですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

世帯年収「600万円」で子ども3人を大学に進学させたいですが、難しいでしょうか?「大学無償化制度」を使えば問題ないですか?
子ども3人を大学に進学させたい場合、教育費がいくらかかるのか不安になる人も多いと思います。この場合、検討したいのが大学の無償化制度です。ただし、無償化制度には要件があるため場合によっては利用できない世帯もあります。
 
そこで本記事では、世帯年収600万円で子どもが3人の場合に無償化制度を利用できるのかについて解説していきます。
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高等教育の修学支援新制度

大学無償化制度は「高等教育の修学支援新制度」の通称で、返済の必要のない給付奨学金と授業料等の減免制度の2つを受けられるものです。国に認められている大学や短期大学、高等専門学校、専門学校に進学するまたは在学している学生が対象です。学校によっては支援の対象となっていないこともあるので注意してください。
 
「給付奨学金」の年間支給額は、自宅通学の場合、国公立大学で最大約35万円、私立大学で最大約46万円です。下宿などの自宅外通学の場合は、国公立大学で最大約80万円、私立大学で最大約91万円の支給を受けられます。
 
また、授業料等の「減免制度」では、国公立大学では入学金が最大約28万円、授業料が年最大約54万円の減額を受けることができます。私立大学では入学金が最大約26万円、授業料が年最大約70万円です。
 

世帯年収600万円の場合、現状は大学無償化制度を利用できない

もっとも、大学無償化制度を利用するためには要件を満たす必要があります。その要件の1つが世帯収入や資産が一定額未満であることです。家族構成や世帯収入によって支援される金額も異なります。
 
例えば、4人家族で両親、本人(18歳)、弟妹(中学生)の場合は年間最大で給付奨学金が約91万円、授業料の減免が最大で約70万円受けられます。この場合の世帯年収の目安は270万円以下です。しかし、同じ家族構成で世帯年収が300万円になると、支援額は上限額の3分の2になってしまいます。世帯年収が380万円の場合は上限額の3分の1です。
 
そのため、世帯年収が600万円の場合は大学無償化制度の対象とならないので、別の方法で教育資金を準備しなければいけません。
 

今後は世帯年収600万円でも利用可能に?

現状では世帯年収が600万円の場合は大学無償化制度を利用できませんが、令和6年度からは世帯年収が600万円程度でも大学無償化制度の対象となることが決まっています。しかし、扶養する子どもが3人以上の多子世帯であり、世帯年収が600万円の世帯が対象となるようです。
 
また、多子世帯の対象となるためには「申し込み時点で扶養している子どもが3人以上」となっています。そのため、1人目の子どもについては対象となりますが、2人目以降の子どもについては、上の子どもが社会人となって扶養を外れてしまうと多子世帯ではなくなってしまうので注意が必要です。
 
支給される金額は上限額の4分の1です。
 
それだけでなく、理工農系支援として理学、工学、農学の学部・学科の学生にも支援が拡大します。こちらについては文系学部・学科に比べて理工農系の学部・学科は授業料が高くなり、負担が大きいことに着目した支援策で、文系学部・学科の授業料との差額分を支援することになっています。
 

自己負担を理解し、教育資金を貯めておきましょう

令和6年度からは世帯年収が600万円の世帯でも条件により大学無償化制度を利用できるので、大学進学の不安も軽減できるでしょう。
 
しかし、大学無償化によって支給される金額は上限額の4分の1なので年約40万円の支援になることに注意してください。残りの金額は自己負担となります。
 
日本政策金融公庫の調査によると令和3年度の大学在学費用は年間で149万9000円です。このことから100万円以上が不足することになります。足りない部分については児童手当を貯蓄しておいたり、貸与型の奨学金を利用したりすることも検討してください。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
文部科学省 奨学金制度の改正(授業料免除等の中間層への拡大)に係るFAQ
日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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