「国立科学博物館」がクラウドファンディングで9.2億円達成!ところで、クラウドファンディングで得たお金には「税金」がかかりますか?

配信日: 2023.12.08

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「国立科学博物館」がクラウドファンディングで9.2億円達成!ところで、クラウドファンディングで得たお金には「税金」がかかりますか?
インターネットのサイトなどを通じて、気になる企画や応援したい法人などに不特定多数の方が寄付して応援することをクラウドファンディングと言います。国立科学博物館が、クラウドファンディングで多額の寄付を集めたことが一時期話題となりました。
 
国立科学博物館のように、クラウドファンディングでは高額な寄付が集まるケースも少なくありません。しかし、もしクラウドファンディングにより多額の寄付を受けた場合は、税金を納める必要がでてくる可能性もあるため注意が必要です。
 
今回は、クラウドファンディングの種類やかかる税金についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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クラウドファンディングとは何か

クラウドファンディングとは、インターネットサイトなどを通じて、不特定多数の方が寄付することを指します。寄付する対象は法人や団体、個人の企画などさまざまです。多くの場合、何かを作り上げようとしたり、援助をしてほしかったりする方がクラウドファンディング用のページを作成して寄付を募る形になります。
 

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは6種類に分けられ、種類によって税金の種類が異なります。種類ごとの特徴と、課税内容を表1にまとめました。
 
表1
 

種類 特徴 税金の有無
寄付型 ・通常の寄付と同様に、リターンが発生しない
・お礼の手紙などをもらえることはある
・個人から個人への寄付の場合、寄付された側に贈与税が発生
・法人から個人への寄付の場合、寄付された側に所得税が発生
・寄付した側は非課税
・寄付金控除が受けられるケースもある
購入型 ・寄付金額や寄付先の売り上げなどに応じてサービスや商品などのリターンがある
・金銭の見返りはない
・寄付された側に所得税が発生
・寄付した側は非課税
融資型 ・寄付ではなく投資家からお金を借りる形になる
・投資家へ利息を支払うため、金銭的なやり取りが発生する
・資金を提供、調達した時点では非課税
・資金を基にしたプロジェクトで収益がでると所得税が発生
・資金を提供した側は、利子や分配金などを受け取ったときに所得税が発生
株式型 ・株式会社が行う方法で、非公開の株式を送る代わりに投資家へ資金を募る
・借りる企業側には年間1億円未満の上限額がある
・投資する側は1社につき50万円までの上限額がある
ファンド型 ・企業が行う方法で、金銭的なリターンや商品、サービスなどのリターンが発生する
・売り上げに応じた分配金で利回りが計算される
ふるさと納税型 ・自治体が寄付を募りたいプロジェクトをふるさと納税の返礼品として扱う
・ふるさと納税による控除を受けられる
・寄付するとふるさと納税の税額控除を受けられる

※筆者作成
 
基本的に、寄付されたお金は贈与税や所得税の対象になります。ただし、贈与税の場合は年間で集めた金額が110万円以内の金額だと、基礎控除の範囲内なので非課税です。
 

クラウドファンディングで9.2億円集めた国立科学博物館は課税対象?

日本経済新聞の記事によると、国立科学博物館がクラウドファンディングをすると、1日で目標を達成し、最終的に寄付が9.2億円集まりました。国立科学博物館は、寄付金額に応じたリターン品を用意していたため、購入型のクラウドファンディングです。購入型なので、得た資金に応じた所得税が課されます。
 

クラウドファンディングの種類によって税金の種類は変わる

クラウドファンディングは、種類によって贈与税か所得税が発生します。どの種類のクラウドファンディングが向いているかは、寄付を募りたいプロジェクトや個人、法人かなどでも異なるため、注意が必要です。
 
なお、税金を納付しなければいけないにもかかわらず忘れていると、延滞税なども追加されるケースがあるため、注意しましょう。
 

出典

日本経済新聞 「国立科学博物館に寄付9.2億円 クラウドファンディング」

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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