更新日: 2023.12.12 その他暮らし

職場の飲み会で「終電」を逃してしまいました。付き合いで参加したのですが「タクシー代」を払ってもらうことはできるのでしょうか? 家が遠いので、自腹だとかなりきついです…

職場の飲み会で「終電」を逃してしまいました。付き合いで参加したのですが「タクシー代」を払ってもらうことはできるのでしょうか? 家が遠いので、自腹だとかなりきついです…
職場の飲み会を抜けるのが遅いと、終電を逃してタクシーで帰らざるを得ないことがあるかもしれません。付き合いで出席したにもかかわらず、余計な交通費がかかって損をしたと感じる場合もあるでしょう。
 
そこで本記事では、このようなケースで会社に交通費を出してもらえるのか解説します。また、終電前に飲み会を離脱する方法も紹介するのでチェックしておきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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会社が支給する義務はあるのか?

基本的には、職場の飲み会で終電を逃しても、会社がタクシー代を支払う義務はありません。それを理解するには、そもそも通勤にかかる交通費の支給自体が義務でないことを知る必要があります。通勤手当という名目で支給している会社が多いため、従業員が交通費をもらえるのは当然と考えている人もいるでしょう。
 
しかし、労働基準法では必須と定められておらず、あくまでも事業主の裁量によって行われています。ましてや労働と見なされない飲み会からの帰宅だと、タクシー代を会社に求めることは難しいのが実情です。以下に挙げるケースを除き、請求しても認められる可能性は高くありません。
 

タクシー代を受け取れるケース

労働基準法に通勤手当の支給を義務とする項目はありませんが、労働契約の締結時に労働条件を明示する義務は第15条で定められています。これに従う形で会社から労働条件通知書が交付され、そこに通勤手当の金額や計算方法が書かれていることも多いです。
 
また、通勤手当を支給している会社は、一般的にそのルールを就業規則に詳しく記載しています。残業などで終電を逃した従業員に対し、帰宅にかかる交通費を別途支給すると定めている会社もあるでしょう。
 
前記のような会社に勤めており、飲み会が労働時間内に実施されたと判断できる場合、タクシー代を受け取れる可能性があります。飲み会への参加を強制され、指揮命令下にあったことを証明できるなら、客観的にそう判断してもらいやすいです。
 

終電前に飲み会から離脱する方法

終電前に職場の飲み会から抜ければ、タクシー代について悩む必要がなくなります。しかし、自然に離脱することは意外と難しく、うまく成功させる方法をイメージできないかもしれません。ここでは、そのような方法を3つ紹介するので覚えておいてください。
 

・制限時間を先に伝えておく

飲み会の途中で帰宅の意思を告げたとき、しつこく理由を聞かれると、自然に抜けられる状況ではなくなります。このような状況を避けたいなら、あらかじめ離脱の時間と理由を設定し、先に伝えておくことが大事です。「資格のオンライン講座があるので21時までに帰ります」など、具体的な説明を済ませていると抜けやすくなります。
 

・家族に相談して協力を仰ぐ

帰宅の意思を伝えるのが難しく、最後まで自分で切り出しにくいなら、家族などに協力してもらうことも1つの手です。自分に電話をかけるように頼んでおき、宴席でそれを受けて急用ができたように振る舞います。
 
労働時間外の飲み会なら、上司でも家族の事情を無視するような指示は出せないでしょう。不可抗力によって抜ける状況を演出し、それなら仕方がないと思わせる効果を見込めます。
 

・出入り口に近い席を確保する

奥の席に座ってしまうと、抜けるときに歩く距離が長くなります。長い分だけ視線を集めてしまい、声もかけられやすくなるので注意が必要です。その光景を思い浮かべてプレッシャーを感じると、離脱を実行するハードルが高くなります。出入り口に近い席なら、周囲の人だけに帰宅すると伝えて、すみやかに実行することも可能です。
 

支給されないことを想定して対策を!

付き合いで職場の飲み会に参加した結果、終電を逃して余計な交通費がかかると、理不尽に感じて納得しづらいかもしれません。飲み会が労働時間内の催しと判断された場合、労働条件通知書や就業規則の内容によっては、タクシー代を支給してもらえます。とはいえ、一般的なケースでは自己負担になるので、出費を減らしたいなら、終電前に抜けるための工夫をしたほうが良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
厚生労働省 労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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