いざというときのために!災害時に発生するトラブルや相談例。賃貸住宅が住めなくなったら?市の職員をかたる詐欺とは?
配信日: 2018.09.26 更新日: 2019.01.07
先日も北海道で大きな地震があったばかりです。ボランティアの方々の協力など心温まるニュースもあるなか、災害時特有のトラブルも耳にします。
残念ながら、大規模災害が発生した際には、不動産賃貸借、工事・建築・修理、架空請求・不審な勧誘、保険などに関わるトラブルが少なからず起きています。
今回は、消費者庁から発表のあった災害時の消費者トラブルについてのQ&Aから賃貸物件に住む方に関わりそうなところを見ていきましょう。※
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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不動産の賃貸に関する相談例とアドバイス例
Q:住んでいる賃貸住宅が地震で被災し、住めなくなった。住めない期間の家賃は支払わなきゃダメ?
A:家賃とは、住める部屋が提供されることについての対価です。災害で住めなくなった場合において、改めて住めるようになるまでの間の家賃を支払う必要はありません。
被災し、今までの部屋に住めなくなって避難所生活を送ることもあるでしょう。その際、住めない状態の期間の家賃は支払う必要がないということですね。
Q:大家さんから、賃貸マンションの退去を求められました。絶対に退去しないといけませんか?退去に伴う引越し費用や敷金の返却を請求できますか?
A:建物が滅失(建物の損壊の程度がひどく、建物としての効用を失った状態)していない以上は、賃貸借契約は継続するため退去する必要はありません。敷金は原則として借主に戻ってくるものですので、返金の請求はできます。 退去については、まずは貸主とよく話し合いをしてみましょう。
ちなみに、大家さんからの退去要請は、一定期間前に申し出る必要があるうえ、正当事由が必要とされるそうです。ですので、一方的に退去の要請をされても応じる必要はありません。もちろん退去するときは敷金を請求できます。
Q:借家の瓦が隣の駐車場に置いている他人の新車に落ちてしまいました。高額な修理費用を請求されそうですが、家主に支払ってもらえるのでしょうか?
A:基本的に、所有者(家主)や占有者(それを管理していた人)は、屋根瓦が落ちたことによって生じた損害(車の修理費など)を賠償する責任を負います。 第一次的に責任を負うのは占有者ですが、占有者が責任を免れたときには、所有者が第二次的に責任を負います。ただし、屋根瓦の設置・保存に関し本来備えるべき安全性を有していたと言える場合には、責任を免れる場合もあります。
この場合、所有者は家主を指し、占有者は借主を指します。そのため、第一次的な賠償の責任は借主にあるということになってしまいますね。
たとえ借家であっても、ふだんから家のことについてはチェックしておき、不安な部分があれば大家に報告しておくなど気をつけておくことが必要ですね。何かあったとき「自分は常にこれだけの報告や相談をしていたのに」といえるようにしなくちゃならないということでしょうか。
架空請求、不審な勧誘などに関する相談例とアドバイス例
Q:市の職員を名乗り、災害義援金を集めているという方が自宅に来ました。信用できるでしょうか?
A:行政機関が義援金を戸別訪問により募ることはありません。不審な話には耳を貸さないようにしてください。
災害時につけこんだ義援金詐欺の話、たびたび耳にしますね。自分は引っかからないと思わず、こういったときこそ慎重になりたいものです。
Q:震災被害者救済のため、個人から事業者まで書類不要で融資するという勧誘のFAXが送られてきました。
A:規制を超える高金利で貸付を行う悪質なヤミ金業者、クレジットカード会員規約に違反する現金化を勧める業者などの可能性があります。高金利貸付や取立での脅しなどについては、警察にご相談ください。
融資で「書類不要」というものはまずありえないですよね。甘い言葉に惑わされず、あやしいと思ったらかかわらないことが大切です。
Q:携帯電話に災害情報サイト利用料を請求するメールが届きました。すぐ支払わないと訴えると書いてありますが、無視していいでしょうか?
A:災害情報サイトなどは、通信会社が利用料無料で提供している場合が多いと考えられますので、これらの請求については、架空請求の可能性があります。
災害情報サイトを閲覧した覚えがある場合、突然こんなメールが来るとドキっとしてしまいますよね。しかし通常有料のWebサイトであれば、閲覧前に申し込みのページを介したり、支払い方法を選んだりしてから閲覧できる状態になるはずです。その手順を踏んだ覚えがないのに請求が来た場合、無視するのがよさそうです。不安な人は次をどうぞ。
少しでも疑問を感じたら消費者ホットラインに相談を!
災害時、「これは詐欺では?」など、少しでも疑問や不安を感じたら、消費者ホットライン「188」番に迷わず相談するようにしましょう。
地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや、消費生活相談窓口を案内してもらえます。
(相談窓口につながった時点から、通話料金の負担が発生します。相談は無料です)
消費者ホットラインが話中でつながらない場合は、国民生活センターの「平日バックアップ相談」を利用できます。
災害後は、ただでさえ気苦労が多いもの。トラブルに巻き込まれないためにも、こういった窓口を活用したいものですね。
※消費者庁「地震に関連する主な相談例とアドバイス」
Text:FINANCIAL FIELD編集部