最寄り駅の人気・不人気で住む場所を選ぶ(7.武蔵野線・南武線)

配信日: 2018.12.01 更新日: 2019.01.11

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最寄り駅の人気・不人気で住む場所を選ぶ(7.武蔵野線・南武線)
新たな場所にマイホームを購入して住むなら、人気のある街に住みたいものです。不動産投資をする場合でも同様です。
 
どの街が人気なのかを判断するポイントはいろいろありますが、ここでは駅の乗車人員に着目してみました。乗車人員の増減から資産価値のありそうな街、これから値崩れしそうな街等をいろいろ想像してみました。
 
松浦建二

Text:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

人気の越谷レイクタウン、狙い目は他路線との乗換駅!?

シリーズ7回目は「武蔵野線・南武線」の各駅を取り上げます。過去には「.1.山手線」や「2.中央線方面」、「3東海道線方面」、「4.総武線方面」、「5.常磐線方面」「6宇都宮線・高崎線方面」も取り上げています。
 
下記の表は、JR東日本のホームページから駅別の1日平均乗車人員を調べ、路線ごとにまとめたものです。左端の順位は2017年の駅別乗車人員の順位です。乗車人員にどのような変化があったのか確認するため、直近の2017年だけでなく、5年前の2012年と17年前の2000年も載せてあります。
 
なお、ホームページに記載のない駅(無人駅等)やJR東日本以外の駅は調査していません。路線の呼称や表の記載順は正式なものとは異なるかもしれませんが、あまり気にしないで下さい。
 
※JR東日本の場合、乗車人員は乗車の人員のみで、降車の人員等は含まれていません。
 

 
表には武蔵野線(府中本町駅~西船橋駅)と南武線(立川駅~川崎駅と八丁畷駅・川崎新町駅)の計53駅を載せてあります。武蔵野線の電車が走っている南船橋駅や市川塩浜駅~東京駅はシリーズ第4弾の「4.総武線方面」で取り上げています。武蔵野線と南武線は都心郊外の環状線で、府中本町駅と尻手駅で乗り継げば、東京の周辺を2時間以上かけてほぼ一周することができます。
 
武蔵野線の各駅は乗車人員が順調に増えています。2000年と比べた場合、吉川駅(1.2%減)と三郷駅(12.0%減)以外はどこも増えており、中でも南流山駅(157.3%増)と東松戸駅(157.8%増)の増加率が目立ちます。
 
南流山駅はつくばエクスプレス線との乗り換えができ、東松戸駅は北総線との乗り換えができることから、利便性の良さが人気となっていそうです。東松戸駅の場合、北総線の運賃が割高なこともあり、都心方面へ移動するのに乗り換えている人も多そうです。
 
例えば、北総線の千葉ニュータウン中央駅から東京駅へ行く場合、yahoo!の路線情報で経路と運賃を検索すると、到着順では新橋乗換で片道1,270円(現金)が最初に紹介されます。ただ、料金順では東松戸乗換で1,110円(現金)となり、160円も節約できます。
 
乗車人員が減っている吉川駅は、両隣の越谷レイクタウン駅と吉川美南駅の開業が大きく影響しているはずです。三郷駅も両隣の新三郷駅(買い物が便利)と南流山駅(利便性が良い)に人がかなり流れていそうです。
 
南武線の駅は2000年と比べて全駅(未調査駅を除く)で乗車人員が増えています。2012年と比べても減っているのは向河原駅だけです。都心へ向かう路線との乗換駅が多いことから利便性が買われ、都心から適度な距離に位置していることから沿線の人口が増え、乗車人員の増加につながっていると考えられます。象徴的なのが武蔵小杉駅です。
 
人口が減少している時代では、駅の乗車人員は簡単には増えていきません。しかし、武蔵野線と南武線の各駅は乗車人員が順調に増えているだけでなく、新しい駅が3駅(越谷レイクタウン駅・吉川美南駅・西府駅)もできています。
 
表には載っていませんが、川崎新町の隣にも小田栄駅が2016年に開業しています。武蔵野線と南武線の沿線は競馬場や競輪場が多いことから、昔はギャンブル路線といわれていましたが、沿線の居住者が増えて、かなりイメージも良くなっているからか、最近はあまり聞かなくなりました。
 
この沿線でマイホーム選びを考えるなら、移動や買い物の利便性が優れていて、購入額も都心よりかなり手頃な物件を選ぶと良いです。乗車人員の推移をみる限り不動産においてもしばらくは需要が多く、資産価値も比較的堅調に推移しそうです。ただ、人口が減少している時代なので、最寄り駅からの距離の近さには妥協せずに拘(こだわ)りたいところです。
 

Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者

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